こんにちは!電子ピアノナビの運営者、ピア憎です。
「発表会や結婚式で、聴き映えのするかっこいいクラシック曲を弾きたいけど、練習時間はあまり取れない…」「大人の趣味でピアノを再開したけど、どんな曲から始めたらいいんだろう?」そんな風に悩んでいませんか?「難しそうで簡単なピアノ曲 クラシック」と検索するあなたの気持ち、すごくよく分かります。
せっかく弾くなら、聴いている人が「おっ!」と驚くような、少し背伸びした曲に挑戦したいですよね。でも、難易度が高すぎて挫折するのは絶対に避けたいものです。特に、初心者の方や、仕事や家事で忙しい合間にピアノを弾く中級者の方にとっては、有名で、かつ短期間で仕上がる効率の良い曲が理想的だと思います。
この記事では、そんなあなたのための「タイムパフォーマンス」を最大化する選曲戦略を徹底的に解説します。最小限の努力で最大限の演奏効果(聴き映え)を発揮できる、まさに「コスパ最強」のクラシックピアノ曲を厳選しました。男性が弾くと魅力的な力強い曲から、ストリートピアノで注目を集めるおしゃれな曲、思わず泣ける感動の映画音楽まで、あなたの「弾いてみたい!」がきっと見つかるはずです。憧れのショパンやリストといった作曲家の曲も、実は意外と合理的に作られていて弾きやすい名曲があるんですよ。
- なぜか「難しそう」に見える演奏のカラクリ
- 初心者から中級者までレベル別のおすすめ曲
- 大人や再開組が楽しめるシチュエーション別選曲リスト
- 短期間で仕上げるための効率的な練習のヒント
聴き映え抜群!難しそうで簡単なピアノ曲 クラシックの秘密
まずは、「この曲、どうしてこんなに難しそうに聞こえるんだろう?」という疑問の核心に迫ります。実は、聴衆が「すごい!」「上手い!」と感じるポイントと、演奏者にとっての実際の技術的な難易度には、しばしば大きなギャップが存在します。そのカラクリを理解することで、あなたの選曲の幅は驚くほど広がるはずです。ここでは、具体的な名曲を例に挙げながら、初心者から大人まで、誰もが楽しめる「聴き映え」の世界を紐解いていきましょう。
かっこいい演奏に見せる視覚効果とは
ピアノ演奏は、音を聴く芸術であると同時に、パフォーマンスを「観る」エンターテイメントでもあります。特に、クラシックに馴染みのない人が聴衆の場合、音の複雑さよりも、ピアニストのダイナミックな動きに心を奪われることが多いんです。プロのピアニストたちがステージ上で大きく見えるのは、彼らがこれから紹介するような視覚効果を、音楽的表現の一部として巧みに使っているからなんですね。この「視覚的難易度」のメカニズムを知っておくだけで、選曲が格段に戦略的になりますよ。
視覚的インパクト①:圧倒的なスピード感
なんといっても一番分かりやすいのが「指の速さ」です。指が鍵盤の上を猛スピードで駆け巡る様子は、それだけでスポーツ的な驚きと感動を与えます。しかし、演奏者側から見ると、速いパッセージの多くは、音階(スケール)や、同じ指の形の繰り返し(シーケンス)、分散和音(アルペジオ)といった、極めて規則的なパターンで構成されていることがほとんどです。脳がパターンを認識し、指の筋肉運動として自動化してしまえば、見た目ほどの精神的負荷はありません。クレメンティのソナチネや、中田喜直の『エチュード・アレグロ』などは、この典型例と言えるでしょう。
視覚的インパクト②:鍵盤を縦横無尽に使う広範囲移動
鍵盤の低音域から高音域まで、腕全体を使ってダイナミックに跳躍する動きは、非常に派手で視覚的な満足度が高いパフォーマンスです。特に「ピアノの魔術師」と呼ばれたフランツ・リストは、この効果を熟知していました。彼の作品には、鍵盤の端から端までを使うような華麗なパッセージが頻繁に登場します。一見すると、正確に音を捉えるのが難しそうに感じますが、実際には跳躍する先の着地点さえしっかりと見極め、腕の力を抜いて素早く移動するコツを掴めば、中級レベルの技術でも十分に再現可能です。重要なのは、筋肉の力ではなく、リラックスと正確な目標設定なんですね。
視覚的インパクト③:ミステリアスな黒鍵の多用
黒鍵の上を指が滑るように動く演奏は、素人目には非常に複雑で高度なテクニックに見えます。ショパンの『黒鍵のエチュード』がその代表格ですが、実はここにも「弾きやすさ」の秘密が隠されています。物理的に、黒鍵は白鍵よりも幅が狭く、指が引っかかりにくいため、速いパッセージを滑らかに弾きやすいという利点があります。さらに音楽理論的に見ると、黒鍵だけで構成される音階(ペンタトニック・スケール)は、どの音を同時に鳴らしても不協和音になりにくいという特性を持っています。つまり、多少ミスタッチをしても音楽的に破綻しにくく、むしろ煌びやかな響きに聞こえるという、演奏者にとっては非常にありがたい効果があるのです。
視覚的インパクト④:ドラマチックな手の交差
左手が右手を飛び越えて高音域のメロディを奏でたり、その逆を行ったりする「ハンド・クロス」は、コンサートにおける「見せ場」の王道です。これもリストが得意とした書法で、『愛の夢 第3番』のクライマックスなどで効果的に使われています。物理的な移動距離は大きいですが、これも腕の力を抜き、上半身を柔軟に使うことでスムーズに行えます。特に、テンポが比較的緩やかな曲であれば、焦らずに次のポジションを確認する時間的余裕があるため、見た目の派手さに反して、落ち着いて対処することが可能です。重要なのは、腕の動きを恐れずに、一つの振り付けとして楽しむことかもしれません。
初心者でも弾ける有名なクラシック曲
「クラシックピアノは敷居が高い…」と感じている初心者の方にこそ、ぜひ挑戦してほしい名曲がたくさんあります。特に、楽曲の構造が明確で、指の動きも基本的なテクニックに基づいている古典派の作品は、努力が成果に繋がりやすく、達成感を得やすいのでおすすめです。ここでは、誰もが知っている有名曲を取り上げ、その魅力と攻略のポイントを詳しく見ていきましょう。
まず絶対に外せないのが、W.A.モーツァルトの『トルコ行進曲』(ピアノソナタ第11番 第3楽章)です。この曲の魅力は、なんといってもそのキャッチーで力強いリズムと、きらびやかな装飾音にあります。異国情緒あふれるメロディは、弾いているだけで気分が高揚しますよね。技術的には、左手の和音伴奏と右手のオクターブ進行がポイントになります。左手は、トルコの軍楽隊のリズムを表現するように、歯切れよくスタッカートで演奏すると雰囲気が出ます。右手のオクターブは、手首を硬直させず、しなやかに使うことで、筋肉への負担を減らしながら華麗な響きを生み出すことができます。かっちりとした行進曲の部分と、優雅なワルツのような中間部の対比を明確に表現できれば、聴衆を飽きさせない、物語性のある演奏になりますよ。
次に、ピアノ学習者のバイブルとも言える「ソナチネアルバム」から、ムツィオ・クレメンティの『ソナチネ Op.36-4』を推薦します。「ピアノの父」と称されるクレメンティの作品は、教育的な配慮と音楽的な楽しさが見事に融合しています。この曲は、明るく情熱的で、非常に「派手(Flashy)」なのが特徴です。アレグロの速いテンポで、軽快な指回しが求められますが、その多くは単純なスケール(音階)のパターンで構成されています。つまり、ハ長調の音階をしっかり練習しておけば、指が迷うことなくスムーズに動いてくれるのです。和音の響きとスタッカートのバランスを意識し、音の粒を揃えてクリアに弾くことを目標にすれば、技術的なキレ味を聴衆に印象付けることができるでしょう。
中級者向け発表会で主役になる一曲
年に一度の発表会や、人前で演奏する機会は、練習の成果を披露する絶好のチャンス。せっかくなら、聴衆の記憶に強く刻まれるような、ドラマチックで華やかな曲を選びたいですよね。そんな中級レベルのピアニストが「ステージで主役になる」ための一曲として、私が強くおすすめしたいのが、中田喜直の『エチュード・アレグロ』です。
この曲は、日本のピアノ教育界におけるスーパー・スタンダードでありながら、その芸術性と演奏効果の高さは、プロのコンサートのアンコールピースとしても通用するほどです。元々は子供向けの連弾曲集の一部でしたが、ソロ演奏版が圧倒的な人気を誇ります。その最大の魅力は、なんといっても冒頭からエンディングまで続く、息をもつかせぬ疾走感。ハ長調の明快な響きに乗せて、右手の16分音符が絶え間なく鍵盤上を駆け巡ります。このスピード感は、聴いている人のアドレナリンを刺激し、会場全体を興奮の渦に巻き込む力を持っています。
この曲のユニークな点は、主旋律を左手が担当し、右手が華やかな装飾に徹するという構成にあります。そのため、演奏する上では「左手をリーダーとして、右手はそれに寄り添う」というアンサンブルの意識が非常に重要になります。力強い左手のメロディをしっかりと歌わせることで、演奏に安定感と深みが生まれます。そして、この曲のハイライトは、終盤に現れるグリッサンドです。鍵盤を指で滑らせるこの奏法は、視覚的にも聴覚的にもインパクト絶大。発表会の締めくくりとして、最高のカタルシスを聴衆に与えることができるでしょう。
大人の再開組におすすめのショパン
「子供の頃に習っていたピアノを、大人になってまた始めた」という「再開組」の方にとって、ショパンは特別な憧れを持つ作曲家ではないでしょうか。彼の作品は、深い叙情性とピアニスティックな華やかさを兼ね備えており、大人の感性で弾くからこそ、その真価を発揮できる名曲が数多く存在します。ここでは、忙しい大人でも取り組みやすい、おすすめのショパン作品をご紹介します。
まず、知名度と人気の高さで言えば『子犬のワルツ』(ワルツ第6番 変ニ長調 Op.64-1)は外せません。演奏時間はわずか1分半から2分程度。この短い時間の中に、高速で駆け回る右手のスケールと、安定した左手のワルツリズムが凝縮されています。ジョルジュ・サンドの飼い犬が自分の尻尾を追いかけてクルクル回る様子を描写したという逸話も愛らしく、聴く人を選ばない魅力があります。この曲を攻略するための鍵は、ただ一つ。練習の初期段階で、楽譜に指示された正しい指使いを徹底的に体に覚え込ませることです。指使いさえ定まってしまえば、脳は自動的に指を動かしてくれるため、テンポアップは驚くほど自然についてきます。
もう少し本格的で、聴き応えのあるワルツに挑戦したい方には、『華麗なる大円舞曲』(ワルツ第1番 変ホ長調 Op.18)がおすすめです。これはショパンが初めて出版したワルツで、その名の通り、演奏会向けに書かれた非常に華やかな作品です。冒頭のファンファーレが鳴り響くと、聴衆は一瞬にして19世紀パリの豪華な舞踏会の世界へと引き込まれます。曲はいくつかの異なるワルツが連なった形式で、場面転換が楽しめます。反復が多く、譜読みの負担が比較的少ないのも、大人にとっては嬉しいポイント。最後のコーダ(終結部)に向けて徐々に加速していく高揚感は、演奏効果絶大です。
楽譜が読みやすいリストの名曲
「フランツ・リスト」と聞くと、多くの人が「超絶技巧」「難解」といったイメージを抱くかもしれません。確かに、『ラ・カンパネラ』や『ハンガリー狂詩曲』など、プロのピアニストでもてこずるような超難曲があるのは事実です。しかし、その一方で、彼はアマチュアのピアノ愛好家のためにも、抒情的で比較的演奏しやすい名曲を数多く残しています。「ピアノの魔術師」と呼ばれた彼の真骨頂は、難解なテクニックをひけらかすことだけでなく、シンプルな音型をいかに効果的に、華麗に聴かせるかという点にもありました。
その最も代表的な例が、『愛の夢 第3番』です。この曲の甘美で切ないメロディは、クラシックに興味がない人でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。この曲が「難しそうで簡単」と言われる最大の理由は、中間部に登場するカデンツァ(装飾的な即興風パッセージ)にあります。楽譜を見ると、32分音符や64分音符がびっしりと書き込まれており、一瞬で心が折れそうになります。しかし、その譜面を冷静に分析してみると、多くは左右の手で交互にアルペジオの音を弾き分ける「ハンド・オルタネーション」というテクニックや、決まった形の繰り返しで構成されていることが分かります。これは、片手で高速パッセージを弾くよりもはるかに身体的負担が少なく、それでいて聴覚的には豪華絢爛な音のシャワーのように聴こえるという、まさにリストの「魔術」なのです。
もう一曲、リストの抒情的な側面を味わいたいなら『コンソレーション(慰め)第3番』も非常におすすめです。ショパンのノクターンを彷彿とさせるような、穏やかで美しいメロディが心に染み渡ります。技術的には『愛の夢』よりも平易で、左手のゆったりとしたアルペジオに乗って、右手が自由に歌う構成になっています。大人のピアニストが、技術よりも表現の深みで聴衆を魅了するのに最適な一曲と言えるでしょう。電子ピアノで演奏する際は、温かみのあるピアノ音色を選び、ハーフペダルなどの機能を活用して響きのニュアンスを追求すると、より一層曲の美しさが引き立ちます。こうした曲を弾くと、リストが単なる技巧家ではなく、偉大なメロディメーカーであったことを実感できるはずです。
大人に人気!難しそうで簡単なピアノ曲 クラシック有名曲
ここからは、より具体的な演奏シーンを想定して、「こんな場面で弾いたら絶対に素敵!」「聴衆の心を掴める!」という、大人に人気のクラシック曲をジャンル別にご紹介します。男性ならではの力強さを表現できる曲から、結婚式という特別な日を彩るロマンティックな曲、そして現代のピアノ文化の象徴とも言えるストリートピアノで喝采を浴びる曲まで、あなたの目的や個性に合った一曲がきっと見つかるはずです。
男性が弾くと魅力的な力強い曲
ピアノは繊細で女性的な楽器というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、そのダイナミックレンジの広さはオーケストラにも匹敵します。男性がそのパワーとスケール感を活かして弾く力強いピアノは、非常に魅力的で説得力があります。そんな男性ピアニストにぜひ挑戦してほしいのが、ショパンの『軍隊ポロネーズ』(ポロネーズ第3番 イ長調 Op.40-1)です。
この曲は、ショパンの祖国ポーランドの栄光と威厳を、力強いリズムと明快なハーモニーで表現した傑作です。その名の通り、勇敢な騎士たちの行進を思わせる、堂々とした雰囲気に満ちています。技術的な特徴は、複雑なメロディラインや技巧的なパッセージが比較的少なく、構成が非常にシンプルで分かりやすいこと。だからこそ、連続する和音をいかに重厚に、そしてリズミカルに響かせることができるかが、この曲の成否を分けます。演奏のポイントは、指先だけで弾くのではなく、肩甲骨から腕全体を使い、体重をしっかりと鍵盤に乗せていく意識を持つことです。力任せに叩きつけるのではなく、脱力しつつも芯のある音を出す練習を重ねれば、中級者でもプロ顔負けの堂々とした演奏が可能になります。
また、ベートーヴェンのピアノソナタ、特に『悲愴』ソナタの第1楽章の重厚な序奏部分なども、男性的な力強さと深い苦悩を表現するのに適しています。短いフレーズの中にドラマが凝縮されており、聴く人の心を強く揺さぶる力を持っています。
結婚式で感動を呼ぶロマン派名曲
親しい友人や大切な家族の結婚式という晴れ舞台でピアノを演奏する機会は、演奏者にとっても忘れられない思い出になります。そんな特別な空間を、感動的でロマンティックな雰囲気で満たすのに、ロマン派のピアノ曲はまさにうってつけです。ここでは、祝福の気持ちを音に乗せて届けるのに最適な名曲をいくつかご紹介します。
まず、絶対的な定番でありながら、その美しさが色褪せることがないのが、先ほども紹介したリストの『愛の夢 第3番』です。この曲の背景には「愛することができる限り愛しなさい」というドイツの詩があり、そのメッセージはまさに結婚という新たな門出を迎える二人に贈る言葉として完璧です。甘美で情熱的なメロディは、新郎新婦の入場シーンや、ケーキカット、あるいは感動的な手紙の朗読のBGMとして流れると、会場の雰囲気を一気にロマンティックに高めてくれます。ピアノの豊かな響きを最大限に活かせる曲なので、会場のピアノの状態を事前に確認し、ペダルを効果的に使って美しい響きを作り出すことを心がけましょう。
もう少し静かで、神聖な雰囲気を演出したい場合には、バッハ作曲、グノー編曲の『アヴェ・マリア』がおすすめです。バッハの『平均律クラヴィーア曲集第1巻』の第1番プレリュードの美しい分散和音の上に、グノーが慈愛に満ちた旋律を乗せたこの曲は、教会式や人前式の厳かな雰囲気にぴったりです。技術的には決して難しくありませんが、一音一音を大切に、祈りを込めて弾くことで、聴く人の心に深く染み渡る演奏になります。透明感のあるタッチで、和声の移り変わりを丁寧に表現することがポイントです。
その他、エルガーの『愛の挨拶』のピアノソロ版も、その名の通り祝福の気持ちを伝えるのに最適な一曲。優しく語りかけるようなメロディは、歓談中のBGMとしても会場を温かい雰囲気で包み込んでくれるでしょう。
ストリートピアノで喝采を浴びる曲
近年、駅や空港、商業施設など、街の様々な場所に設置されるようになったストリートピアノ。誰でも自由に弾けるこのオープンな文化は、ピアノをより身近なものにしてくれました。そんなストリートピアノで人々の注目を集め、喝采を浴びるには、少しコツがあります。それは、「①知名度が高いこと」「②リズムが明確でノリが良いこと」「③短時間でインパクトを残せること」です。ここでは、そんな条件を満たす、とっておきのレパートリーをご紹介します。
まず、クラシックの枠を少し広げて、現代のピアノ曲として絶大な人気を誇るのが、久石譲の『Summer』です。映画『菊次郎の夏』のテーマ曲としてあまりにも有名で、イントロの数音を弾いただけで「あ、あの曲だ!」と誰もが気づきます。この曲の最大の武器は、スタッカートを効かせた軽快で心地よいリズム。弾いている自分自身が楽しくなり、そのポジティブなエネルギーが自然と聴衆にも伝播します。爽やかでどこか切ないメロディは、どんな場所の雰囲気にもマッチし、道行く人々の足を止めさせる力を持っています。CMなどでも多用されているため、世代を問わず愛されているのも強みですね。
もう少しレトロで陽気な雰囲気を出したいなら、ラグタイムの王様、スコット・ジョプリンの『エンターテイナー』がおすすめです。「ズン・チャッ、ズン・チャッ」という左手の跳躍を伴う伴奏形は、視覚的にもリズミカルで、見ているだけで楽しくなります。シンコペーションを効かせた右手のおどけたようなメロディは、自然と体を揺らしたくなるような魅力があります。ストリートピアノでは、完璧な演奏よりも「楽しむ姿勢」が何より大切。多少のミスタッチは気にせず、リズムに乗ってノリノリで弾くことで、最高のパフォーマンスになりますよ。きっと自然と周りに手拍子の輪が広がるはずです。(参考:ヤマハ株式会社 “LovePiano”)
短期間で仕上がるおしゃれな小品
「日々の生活が忙しくて、長い曲を練習する時間はとても取れない」「でも、何か一つでもいいから、自信を持って弾けるレパートリーが欲しい」そんな大人の方に最適なのが、短時間で完成させることができ、かつ洗練された響きを持つ「おしゃれな小品」です。特に、フランス印象派の音楽は、複雑な技巧よりも音色の美しさや雰囲気作りが重視されるため、大人の感性を表現するのにぴったりです。
その筆頭として挙げたいのが、クロード・ドビュッシーの『アラベスク 第1番』です。この曲は、まるで水面に光がきらめきながら反射し、泉から水が湧き出るような、流麗なアルペジオが非常に印象的です。この曲の最大のポイントであり、最大の難所とも言えるのが、「ポリリズム」。右手が3連符、左手が8分音符という、異なるリズムを同時に演奏する部分です。最初は頭が混乱するかもしれませんが、「タタタ」と「タッカ」を同時に合わせる練習をゆっくりから始めることで、必ず乗り越えられます。そして、このポリリズムをマスターした時に生まれる独特の浮遊感と心地よさは、他の曲では味わえない特別な魅力です。ペダルの使い方一つで響きの色彩が劇的に変わるため、自分の耳を頼りに最適な響きを探求するプロセスも、この曲を演奏する大きな楽しみの一つです。
また、もう少しシンプルで瞑想的な雰囲気を好むなら、エリック・サティの『ジムノペディ 第1番』も素晴らしい選択です。ミニマルで、どこか物憂げなメロディと、ゆったりとした和音進行は、カフェや静かなラウンジで流れているような、非常におしゃれな空間を演出します。技術的な難易度は非常に低いですが、その分、一音一音の間や、音の響きのコントロールといった表現力が問われる、奥の深い曲でもあります。この曲を美しく弾くことができれば、あなたの音楽的センスの高さをさりげなくアピールできるでしょう。
有名で泣ける感動の映画音楽
音楽は、時に言葉以上に雄弁に物語を語り、私たちの感情を揺さぶります。特に、感動的な映画のワンシーンで流れるピアノ曲は、その映像と共に記憶に深く刻まれ、聴くだけで涙腺が緩んでしまうという人も多いのではないでしょうか。ここでは、ピアニスティックな魅力にあふれ、聴く人の心を鷲掴みにする、有名で泣ける映画音楽をご紹介します。
まず、ピアノが重要な役割を果たす映画として忘れられないのが、映画『ピアノ・レッスン』です。そのテーマ曲であるマイケル・ナイマン作曲の『楽しみを希う心 (The Heart Asks Pleasure First)』は、一度聴いたら忘れられない、強烈なインパクトを持つ一曲です。この曲は「ミニマル・ミュージック」という現代音楽の手法の影響を受けており、同じ音型(パターン)が執拗なまでに繰り返されます。この反復が生み出す効果は絶大で、最初は静かな波のようだったメロディが、次第に大きなうねりとなり、聴く人の感情を高揚させ、最後には感動的なクライマックスへと導きます。
楽譜を見ると、その速さと音符の多さに圧倒されるかもしれませんが、これも「難しそうで簡単」な曲の典型例。構成は非常にシンプルで、同じパターンの繰り返しがほとんどです。一度そのパターンを指に覚え込ませてしまえば、比較的少ない労力で、非常に技巧的で情熱的な演奏をすることが可能です。静けさの中に秘められた激しい情念を表現するこの曲は、あなたの新たな表現の扉を開いてくれるかもしれません。
もう一曲、映画から生まれたピアノの名曲として、映画『戦場のピアニスト』で象徴的に使われたショパンの『ノクターン第20番(遺作)』を挙げないわけにはいきません。物悲しくも美しい旋律は、戦争という過酷な状況下でも失われることのない、人間の尊厳や芸術への渇望を物語っているかのようです。この曲を弾くことは、単に音を奏でるだけでなく、映画の物語に思いを馳せ、平和への祈りを捧げる行為にも繋がるかもしれません。技術的には中級レベルですが、それ以上に深い表現力が求められる、弾きごたえのある一曲です。
あなたに合う難しそうで簡単なピアノ曲 クラシックを見つけよう
ここまで、本当にたくさんの「難しそうで簡単なピアノ曲」を、様々な視点からご紹介してきましたが、あなたの心に「これ、弾いてみたい!」と響く一曲は見つかったでしょうか?
「聴き映え」や「コストパフォーマンス」は、曲を選ぶ上でとても楽しく、そして有効な切り口です。限られた時間の中でピアノを楽しむ現代の私たちにとって、それは賢い戦略と言えるでしょう。しかし、最も大切なのは、最終的にあなたがその曲を心から愛せるかどうか、という点に尽きるのだと私は思います。たとえ他の人から見て少し難易度が高いと思われる曲でも、あなた自身がそのメロディに強く惹かれ、「どうしてもこの曲が弾けるようになりたい」という情熱があれば、練習の壁はきっと乗り越えられます。その情熱こそが、上達への何よりのガソリンになるのです。
今回ご紹介した曲たちは、「コスパが良い」という魅力的な入り口を持っていますが、その本質は、モーツァルト、ショパン、リストといった偉大な作曲家たちが、ピアノという楽器の特性と人間の身体性を知り尽くした上で書き上げた、紛れもない「名曲」です。彼らが楽譜に込めた輝き、情熱、そして祈り。それらを自分の指で再現し、音として空間に解き放つ喜びは、何物にも代えがたい体験です。
ぜひ、まずはYouTubeなどで色々なピアニストの演奏を聴き比べてみてください。そして、あなたの心を最も揺さぶった一曲を、次の目標に定めてみてはいかがでしょうか。その一曲との出会いが、あなたのピアノライフを、これまで以上に豊かで、輝きに満ちたものにしてくれることを心から願っています。


