多くの演奏者やDTMerに選ばれているデジタルピアノ、KORG D1。その高品質な鍵盤タッチやスピーカーを内蔵しないスリムな設計は、特定のニーズを持つユーザーにとって魅力的な選択肢となっている。この記事では、「重さは?」「価格は?」といった購入に関わる基本情報から、KORGが「どこの国のメーカー?」なのか、「korg d1 後継機」の情報はあるのか、「KORG D1 中古」市場の状況、そして購入前に知っておきたい「欠点は?」まで、KORG D1に関する様々な疑問に答えていく。
- KORG D1がスピーカーを内蔵しないスリムな設計であることや、高品質なRH3鍵盤、内蔵音色といった基本スペックについて
- 比較的リーズナブルな価格帯でコストパフォーマンスが高い点や、新品だけでなく中古での購入も選択肢にあること、中古市場の価格帯の目安
- ピアノに近い鍵盤のタッチ感やコンパクトさなどの利点と、電源オフで設定が初期化される、付属ペダルやヘッドホンの質といった把握しておきたい欠点
- メーカーであるKORGが日本の企業であること、ライブやDTMなど幅広い用途での適性について
KORG D1の特徴や魅力に迫る
- KORG どこの国のメーカー?
- RH3鍵盤によるリアルな弾き心地
- 搭載されている音色と響き
- シンプルでコンパクトなデザイン
- ライブやDTMでの活用方法
KORG どこの国のメーカー?

KORGというメーカー名を聞いたことがある人も多いだろう。楽器店やオンラインストアで、電子ピアノやシンセサイザー、チューナーなど、様々な製品を目にする機会があるはずだ。具体的にどこの国の会社なのかと疑問に思う人もいるかもしれないが、KORGは日本の楽器メーカーだ。本社は東京都に置かれている。
KORGは特にシンセサイザーやキーボードの分野で長い歴史と高い技術力を持ち、世界中のミュージシャンから支持されている。過去には、現在の電子チューナーの元祖ともいえる、世界初の針式メーターのチューナーを開発し、音楽の世界に大きな変革をもたらしたこともある。楽器の音程を正確に合わせる際に、人それぞれの感覚で意見が分かれてしまうことから、「機械を使って客観的に決められたら、ケンカもなくなるのでは」と考えた創業者の発案が開発のきっかけだったというエピソードも残されている。
KORG D1に搭載されているRH3鍵盤は、メーカーのこだわりが詰まったパーツであり、**「KORGこだわりの京都で作られるジャパンクオリティー鍵盤」**として紹介されている。このように、KORGは単に海外製品を輸入・販売するだけでなく、自社で開発・製造を行い、特に鍵盤のような重要な部品には日本の技術が活かされている。電子ピアノ市場全体ではヤマハやローランドといったメーカーも強力だが、KORGは独自の視点やコンセプトを持った製品を開発しており、D1もその一つと言えるだろう。
RH3鍵盤によるリアルな弾き心地
電子ピアノを選ぶ上で、鍵盤のタッチや弾き心地は最も重要な要素の一つだ。KORG D1は、アコースティックピアノ、特にグランドピアノの弾き心地を再現するために、**RH3鍵盤(リアル・ウェイテッド・ハンマー・アクション3)**を搭載している。この鍵盤は日本国内で製造されており、メーカーがこだわりを持って作っているパーツだ。
RH3鍵盤の最大の特徴は、鍵盤一つ一つの重さが音域によって段階的に変化する点にある。アコースティックピアノと同様に、低音域の鍵盤は重く、高音域になるにつれて鍵盤が軽くなるように設計されているのだ。これにより、ピアノ独特の弾きごたえと、自然なタッチ感を実現している。また、ハンマーの重さによる機構を採用しており、バネ式とは異なる、よりリアルな感触が得られる。
さらに、RH3鍵盤は鍵盤部の2つのセンサーとKORG独自の音源プログラムの組み合わせにより、高い演奏表現力を可能にしている。鍵盤を打鍵した後、元の位置に完全に上がりきる前に再び同じ鍵盤を打鍵しても正確に発音することができるのだ。これは「同音連打性」と呼ばれ、素早いフレーズやトリルなどをスムーズに演奏するために非常に重要な機能であり、グランドピアノに近い表現力を発揮できる。
多くのユーザーがこのRH3鍵盤のタッチを高く評価している。「キータッチが良く、リアルなピアノ鍵盤だと感じる」、「この金額でこのタッチはとてもお買い得」、「ハンマーアクションが素晴らしい」といった肯定的な声が多く、価格帯を考えるとタッチのクオリティが非常に高いと感じているユーザーが多い。中には「プロでも使用できる」と評価する声もあるほどだ。ただし、一部のユーザーからは、特定の黒鍵にタッチの軽さや底付きの硬さ、打鍵時の機械音に違和感を感じたという報告もあり、個体差やバラつきの可能性も示唆されている。全体としては、価格以上の本格的なタッチを実現している鍵盤と言えるだろう。
搭載されている音色と響き

KORG D1には、クラシック、ジャズ、ポップスなど、幅広い音楽ジャンルに対応できる、計30種類の音色が内蔵されている。ピアノ音色はもちろんのこと、ステージでの演奏でよく使用されるエレクトリックピアノ(エレピ)やオルガン、クラビ、さらにはビブラフォン、アコースティックギター、ストリングスなど、多彩なサウンドが収録されている。
中心となるピアノ音色では、アコースティックピアノに近いリアルな演奏フィーリングを実現するため、演奏の強弱に応じて4つの異なるピアノサンプル(録音された音)がスムーズに切り替わる仕組みになっている。これにより、ピアニッシモのような非常に弱いタッチから、フォルテッシモのような力強いタッチまで、演奏のニュアンスを細やかに表現することができる。KORGはこれらのピアノ音色全体で「弾いて楽しい」「気持ちが良い」音を実現することを目指したという。
特に、アコースティックピアノの豊かな響きを再現するための機能として、「ダンパーレゾナンス」と「キーオフシミュレーション」がある。ダンパーレゾナンス機能は、「コンサートピアノ」「グランドピアノ」「ジャズピアノ」という3つの主要なピアノ音色に搭載されており、アコースティックピアノでダンパーペダルを踏み込んだ際に、弦が共鳴して生まれる広がりや奥行きのあるリアルな響きを再現する。キーオフシミュレーション機能は、鍵盤から指を離したときに弦に残る余韻や、弾き方による残響の違いを再現することで、スタッカートやレガートといった演奏表現をさらに豊かにする。
これらの機能に加え、デジタルピアノならではの便利な機能も搭載されている。例えば、2つの音色を重ねて同時に鳴らすことができるレイヤーモードでは、ピアノ音色とストリングス音色を重ねることで、幻想的なアンサンブルを一人で演奏することも可能だ。また、ブリリアンス、リバーブ、コーラスという3つの高品位なエフェクトも内蔵されており、それぞれの音色にはあらかじめ最適な設定がプリセットされているため、難しい操作なしに気持ちの良いサウンドで演奏に集中できる。
音色に関しては、ユーザーレビューでも「音が綺麗で、色々な音を出せるので楽しい」、「音色は自然な感じ」「音色の切り替えボタンがシンプルで扱いやすい」、「本格的な電子ピアノとして優秀」「自然なピアノタッチと音色」といった肯定的な評価が多く見られる。
一方で、ステージピアノとしては内蔵音色が30種類と非常に少ないという指摘がある。他のメーカーのステージピアノには数百種類の音色が搭載されているモデルも多い。しかし、D1は「必要最低限の高品質なピアノとエレピがあれば十分」という割り切りで作られていると考えられ、厳選されたサウンドをシンプルに楽しめるモデルと言えるだろう。演奏表現に必要な主要な音色と響きはしっかりと押さえられているのが特徴だ。
シンプルでコンパクトなデザイン
KORG D1は、機能を厳選し、無駄を省いた結果として実現された、シンプルかつコンパクトなデザインが魅力の電子ピアノだ。そのデザインの最大の特徴は、本体にスピーカーを内蔵していない「スピーカーレス」設計にある。これにより、本体の奥行きと高さを大幅に抑えることが可能になり、設置場所を選ばないスリムなボディを実現している。例えば、同価格帯の他の電子ピアノ(ヤマハP-125)と比較すると、奥行きと高さが約3cm短いという情報もある。これは、限られたスペースにも設置しやすいという大きなメリットとなる。
デザインのテイストとしては、ローランドFP-30のような丸みを帯びたデザインではなく、角ばっていてモダンな印象だ。本体の表面はつるつるとした光沢のある素材ではなく、少しざらつきのある質感になっており、これが堅牢な作りに貢献している。ユーザーレビューでは、「シンプルで飽きがこないデザイン」、「ミニマルで場所を取らない」といったデザインに関する肯定的な声が見られる。
付属品として付いてくる譜面立ては、しっかりとした金属製だ。本体背面の2つの穴に差し込んで使用するタイプで、安定感があり、楽譜を安心して置くことができる。
カラーバリエーションについては、発売当初はブラックのみだったが、後にホワイトモデルも追加された。これにより、部屋のインテリアや個人の好みに合わせて、ブラックかホワイトかを選ぶことができるようになった。時期によっては販売されているカラーが限られる場合もあるかもしれないが、選択肢があるのは嬉しい点だろう。全体として、演奏に必要な要素に特化しつつ、シンプルでどんな空間にも馴染みやすいデザインが追求されていると言える。
ライブやDTMでの活用方法
KORG D1は、日々の自宅での練習だけでなく、ライブパフォーマンスやDTM(デスクトップミュージック)環境での使用も視野に入れた設計がされている電子ピアノだ。その最も大きな特徴は、本体にスピーカーが内蔵されていない「スピーカーレス」である点にある。このため、演奏中の音を聴くためには、必ずヘッドホンを使用するか、外部の音響機器(パワードスピーカーやPAシステムなど)に接続する必要がある。
このスピーカーレスという仕様は、ライブハウスやスタジオなど、既に外部のアンプやPAシステムが用意されている場所での使用を前提としていると考えられ、D1が「ステージピアノ」としての側面を持っていることを示している。外部出力前提のため、内蔵スピーカーの音質や音量に左右されることなく、接続するシステムに応じて最適な音量・音質で演奏することができる。アンプを持っている人や、頻繁にライブで演奏する人にとっては、この設計が非常に都合が良い。
また、自宅で夜間に練習する際にも、スピーカーがないことがメリットとなる。ヘッドホンを使用すれば、周囲にほとんど音を漏らすことなく静かに演奏に集中できるため、マンションなどでの練習に最適だ。ピアノ弾き語りをする人からは、声量とピアノの音量のバランスが取りやすいという意見もある。
DTM環境での活用もD1の得意とする領域だ。PCとD1を接続することで、D1を高品質な鍵盤(MIDIコントローラー)として使用し、パソコン上で動作する様々なソフトウェア音源を演奏することが可能になる。これにより、D1内蔵の30音色にとどまらず、多様なサウンドライブラリを活用した演奏や音楽制作が行える。さらに、D1での演奏情報をMIDIデータとしてPCに出力することができると考えられる。このMIDIデータは、DAWソフトウェアなどで編集したり、演奏のタイミングや強さを分析したりするために利用できる。
本体重量は約16kgと、持ち運びを考えると決して軽いわけではないが、オプションの専用スタンドは足を畳んでコンパクトにできるなど、移動を考慮した設計も一部に見られる。このように、KORG D1はスピーカーレスという潔い設計により、自宅での静かな練習から本格的なステージ演奏、そしてDTMでの音楽制作まで、幅広いシーンで活躍できるポテンシャルを秘めている。
KORG D1 購入前に確認すべき点
- KORG D1の価格は?
- KORG D1の重さは?
- 内蔵スピーカーがないことについて
- KORG D1の欠点は?
- 付属ペダルや譜面台について
- パソコンとの接続方法
- KORG D1 中古市場の状況
- KORG D1 後継機は?
- KORG D1 デジタルピアノの主な特徴と評価のまとめ
KORG D1の価格は?

KORG D1は、その充実した鍵盤タッチや機能を考慮すると、比較的購入しやすい価格帯の電子ピアノと言える。新品の市場価格帯は、調査時点によって変動する可能性があるが、ある情報では56,800円から74,800円程度で販売されていると示されている。最安値は56,800円というデータもある。
多くのユーザーレビューで、D1の価格に対するコストパフォーマンスの高さが非常に評価されている。「コストパフォーマンスが高い」「価格相応で質実剛健」「この値段でここまでのクオリティなら大抵の人が満足する」といった意見が多数見られる。特に、高品位なRH3鍵盤を搭載していながらこの価格を実現している点が、多くのユーザーにとって魅力となっているようだ。中には「この金額でこのタッチはとてもお買い得です」と述べている人もいる。
この価格帯でありながら、本格的な電子ピアノとしての性能を十分に備えていると感じるユーザーも多い。より高価なハイエンドモデルと比較すれば機能や音色数などで違いはあるものの、ピアノの演奏感を重視しつつ、予算を抑えたいと考えている人にとって、D1は非常に魅力的な選択肢となる価格設定と言えるだろう。メーカーとしても「価格を切り詰めた一品」と位置づけているようだ。価格以上の高品質な鍵盤とサウンドが得られることが、D1の大きな強みの一つだ。
KORG D1の重さは?
電子ピアノを購入する際には、設置場所や持ち運びを考慮して本体の重量を確認することが大切だ。KORG D1の本体重量は、メーカーの公称値で約16kgとされている。この重さは、同価格帯の電子ピアノの中では比較的重い部類に入るかもしれない。
D1が重い理由の一つとして、搭載されているRH3鍵盤の構造が挙げられる。グランドピアノのタッチを再現するために、しっかりとしたハンマー機構などが組み込まれているため、鍵盤ユニット自体にある程度の重さがあるのだ。同じRH3鍵盤を搭載するKORGの他のモデル(SV1が約20kg、KRONOS2が約24kg)と比較すると、D1の約16kgはこれらのモデルよりは軽い。メーカーとしては、鍵盤のクオリティを維持しつつ、ステージピアノとして持ち運びも想定した結果の重量バランスなのかもしれない。
しかし、ユーザーの感じ方は様々だ。「本体重量が少し重いが、個人的には許容範囲」という意見もあれば、「木製の本体が重いので、そこだけ星1個マイナスです」と評価を下げる理由としているユーザーもいる。また、他の電子ピアノ(ヤマハP-125の約12kg未満)と比較して「かなり重め」だと感じる人もいる。コンパクトなサイズ感ではあるものの、約16kgという重量は、頻繁に移動させたり持ち運んだりする場合には負担になる可能性がある。自宅内で一度設置したらあまり動かさないという場合は大きな問題にはならないだろう。購入前に自身の使用環境(移動頻度や設置場所)を考慮し、この重量が許容範囲かどうか検討することが重要だ。
内蔵スピーカーがないことについて
KORG D1の最も特徴的な仕様の一つが、本体にスピーカーが内蔵されていない「スピーカーレス」であることだ。多くの電子ピアノには本体から音が出るスピーカーが搭載されているため、これはD1を選ぶ際に特に注意すべき点となる。
スピーカーが内蔵されていないため、D1で音を聴くためには、必ず別途ヘッドホンを使用するか、外部のスピーカーシステムに接続する必要がある。本体にはヘッドホン端子が備わっているので、ヘッドホンがあれば購入してすぐに演奏できる。夜間など、周囲に音が出せない環境での練習には、ヘッドホン使用が非常に便利だ。
外部スピーカーへの接続は、ライブ会場のPAシステムに繋いだり、自宅でより本格的なサウンドで演奏したい場合に必要となる。D1は「ステージピアノ」としても位置づけられており、このような外部出力前提の設計になっていると考えられる。スピーカーを内蔵しないことで、本体のスリム化やコンパクト化にも貢献している。
このスピーカーレスという仕様は、既に外部スピーカーやヘッドホンを持っている人、またはライブでの使用を主目的とする人にとっては、本体価格を抑えたり、本体をコンパクトにできるというメリットになる。しかし、電子ピアノを「買ってすぐに本体から音を出したい」「内蔵スピーカーの音で日常的に手軽に練習したい」と考えている初心者にとっては、別途スピーカーを用意する手間や費用がかかるため、デメリットとなり得る。自宅での練習で手軽さを重視する場合は、スピーカー内蔵型のモデルも検討する必要があるだろう。D1を選ぶ際は、このスピーカーがないという点を十分に理解し、自身の用途に合っているか確認することが不可欠だ。
KORG D1の欠点は?
KORG D1は、特に鍵盤タッチとコストパフォーマンスの面で高い評価を受けている電子ピアノだが、購入前に知っておくべきいくつかの欠点や注意点も存在する。これらを理解しておくことで、後悔のない製品選びができるだろう。
まず、最も分かりやすい欠点として挙げられるのが、本体にスピーカーが内蔵されていない点だ。これはデザインやコンセプト上の特徴でもあるが、本体単体では音が出ないため、演奏するためには必ずヘッドホンか外部スピーカーが必要となる。手軽に「電源を入れてすぐに音を出したい」という使い方には向かず、別途機器を用意する手間や費用がかかる。
次に、内蔵されている音色の数についてだ。D1には30種類の音色が搭載されているが、これはステージピアノや電子ピアノとしては非常に少ない数だという指摘がある。他のメーカーのモデルには数百種類の音色を持つものも珍しくないため、様々な音色を使って演奏を楽しみたい、多様なサウンドで楽曲制作を行いたいというユーザーにとっては、音色数の少なさが物足りないと感じる可能性がある。D1は「ピアノとエレピなど、必要最低限の高品質な音色があれば十分」という割り切ったコンセプトで作られているのかもしれない。
また、本体の重量が約16kgと、コンパクトな見た目に反して比較的重めであることも欠点となり得る。これは高品質な鍵盤を搭載していることによる側面でもあるが、頻繁に持ち運ぶ必要がある場合や、設置場所を頻繁に変更したい場合には、その重さが負担になる可能性がある。
付属のサステインペダルが小さめであると感じるユーザーもいる。本格的なピアノ演奏には、よりしっかりとした踏み心地のペダルが必要になる場合があり、その場合は別途社外品を用意する必要がある。
さらに、ごく一部のユーザーレビューでは、特定の鍵盤(特に黒鍵)にタッチの違和感やバラつきを感じたという報告がある。具体的には、タッチが軽く感じたり、底付き感が硬かったり、打鍵時に機械音が気になるという症状だ。これは個体差によるものかもしれないが、製品にバラつきがある可能性を示唆しており、購入時にはリスクとして考慮する必要がある点と言える。
その他の点としては、価格を抑えるために液晶画面などが省略され、操作がシンプルなボタンのみで行われる点も、高度な設定を行いたい場合には不便に感じるかもしれない。これらの欠点や注意点を総合的に理解し、自身の使用目的や環境と照らし合わせて、許容できるかどうかを検討することが大切だ。特にスピーカーの有無と音色数、鍵盤タッチのバラつきの可能性は、購入判断において重要な要素となるだろう。
付属ペダルや譜面台について

KORG D1を購入すると、本体以外にいくつか基本的な演奏に必要なアクセサリーが付属する。具体的には、ダンパーペダル(サステインペダル)と譜面立てが含まれている。
付属のダンパーペダルは、鍵盤を弾いた音を長く持続させるために使用するもので、電子ピアノの演奏には欠かせないアイテムだ。しかし、ユーザーによっては、付属のペダルが「小さめ」だと感じる声も見られる。アコースティックピアノに慣れている人や、より表現力豊かな演奏をしたい人にとっては、付属のペダルでは物足りなく感じることがあるかもしれない。そのため、安価なものでもよりサイズの大きい、ピアノ型の社外品ペダルを別途購入して使用しているユーザーもいる。ハーフペダル(ペダルを半分踏み込むことで音の伸び方を調整する奏法)に対応したい場合も、付属ペダルでは対応できないため、別途対応ペダルを用意する必要がある。
譜面立ては、楽譜を置くためのパーツで、D1には金属製のものが付属する。本体背面の指定された位置にある2つの穴にしっかりと差し込んで固定する仕様となっている。プラスチック製の譜面立てと比較すると、作りがしっかりしており、比較的安定して楽譜を置くことができると考えられる。
D1には本体を設置するためのスタンドは付属しないが、オプションとして専用スタンドが用意されている。この専用スタンドは4つ足のキーボードスタンドタイプで、D1本体をネジなどで直接固定することができる。一般的な汎用スタンドのように本体を「乗せるだけ」ではないため、演奏中のぐらつきなどを抑え、より安定して設置できるというメリットがある。また、この専用スタンドは足を畳むことができるため、持ち運びも比較的しやすい設計になっている。もちろん、専用スタンド以外にも、楽器店などで販売されているX型や4つ足の汎用キーボードスタンドを使用してD1を設置することも可能だ。汎用スタンドは価格帯が幅広く、専用スタンドよりも安価なものも多いので、予算や設置場所に合わせて選ぶことができる。付属品と合わせて、自身の演奏環境に合ったスタンドやペダルを検討することで、D1をより快適に使用できるだろう。付属ペダルは基本的な機能と割り切り、必要に応じて別途検討したい点だ。
パソコンとの接続方法
KORG D1は、本体単体での演奏だけでなく、パソコンと接続することで、その活用範囲を大きく広げることができる。これは、現代の音楽制作環境において非常に重要な機能だ。主な接続による活用法としては、D1を鍵盤(MIDIコントローラー)として使用し、パソコン上で動作する様々なソフトウェア音源を演奏すること、そしてD1での演奏情報をMIDIデータとしてパソコンに取り込み、楽曲制作や編集に活用することが挙げられる。
パソコンと接続することで、D1本体に内蔵されている30種類の音色にとどまらず、パソコン上で動作するより高品質なピアノ音源や、膨大な数のシンセサイザー、ストリングス、ドラムなどのソフトウェア音源をD1の優れた鍵盤タッチで演奏できるようになる。例えば、あるユーザーはPC接続を前提にD1を購入し、外部の高級ピアノ音源「Ivory2」をD1で演奏して満足していると述べている。これにより、内蔵音源だけでは得られない多様なサウンドや表現力を手に入れることができる。
また、D1での演奏は、MIDIデータとしてパソコンに送ることができると考えられる。MIDIデータとは、どの鍵盤が、いつ、どのくらいの強さで押されたか、といった演奏の情報を数値化したものだ。このデータをパソコンのDAW(Digital Audio Workstation)ソフトウェアに取り込むことで、演奏後に音色を変更したり、タイミングや音の長さを細かく修正したり、ミスタッチを直したりといった編集作業が自由に行える。さらに、MIDIデータから自動的に楽譜を作成することも可能だ。ユーザーの中には、MIDIデータを活用して自身の演奏を分析するプログラムを作成することに言及している人もいる。
ソースには具体的な接続端子の種類(例えば、USB MIDI端子や、標準的なMIDI IN/OUT端子など)に関する明確な記載はないが、PC接続やMIDI機能の活用が示唆されていることから、これらの端子を備えていると推測される。パソコンとの接続には、別途適切なケーブルが必要になる場合がある。このように、D1はPC連携によって、単なる電子ピアノとしてだけでなく、本格的な音楽制作環境の中核としても機能しうるポテンシャルを持っている。
KORG D1 中古市場の状況
KORG D1は、新品での購入以外にも、中古市場でも多くの製品が流通している電子ピアノだ。予算を抑えつつ、価格以上の高品質な鍵盤を持つD1を手に入れたいと考えている人にとって、中古品は魅力的な選択肢となる可能性がある。
中古市場での価格は、商品の状態や販売される場所によって大きく変動する。一例として、Yahoo!オークションの過去180日間の落札データを見ると、KORG D1の落札価格は最安値で284円、最高値で41,600円、そして平均落札価格は23,648円となっている(2024年5月時点の41件のデータに基づく)。これは新品価格(約5.7万円~)と比較すると、かなり安価に入手できる可能性があることを示している。一般的に、中古電子ピアノは新品価格の30%~50%引き程度が価格の目安と言われている。
しかし、中古品には新品にはない注意点がいくつか存在する。最も重要なのは、電子ピアノが電化製品であり、寿命があるということだ。一般的に電子ピアノの寿命は10年~15年程度とされており、製造から年数が経つほど故障のリスクが高まる。特に長く使いたい場合は、製造年が5年以内のモデルを選ぶことが推奨されている。古いモデルで既に生産が終了している場合、故障した際に修理用の部品が入手できず、修理が困難になる可能性も高くなる。
また、中古品の状態は個体によって大きく異なる。鍵盤のタッチの劣化、外部出力端子の不具合(D1はスピーカーなし)、外装の傷や破損などが考えられる。ネットで中古品を購入する場合は、写真だけでは分からない状態もあるため、必ず事前に販売店に問い合わせて、鍵盤の状態や各機能の動作状況、目立つ傷や破損の有無などを詳細に確認することが非常に重要だ。特に個人間取引(メルカリ、ヤフオクなど)では、価格は安い傾向があるものの、梱包が不十分だったり、製品の状態説明が正確でなかったりするリスクが高いため注意が必要だ。
購入後の保証や返品対応についても確認が必要だ。メーカーの保証期間は新品購入から通常1年程度であり、中古品の場合はほとんどの場合メーカー保証は受けられない。しかし、販売店によっては独自の保証(3ヶ月~1年程度)を付けている場合があるため、事前に確認しておくと安心だ。中古市場は魅力的な価格でD1を入手できる可能性がある一方で、リスクも伴うため、商品の状態や販売店の信頼性をしっかりと確認することが、中古購入で失敗しないための鍵となる。
korg d1 後継機は?
KORG D1の後継機として、特定のモデルが公式に発表されているという情報は、提供されたソースの中には見当たらない。楽器メーカーは新しいモデルを定期的に市場に投入することが多いが、D1に直接的に続く「D2」といった名称のモデルや、D1のコンセプトをそのまま引き継いで機能や性能を向上させた後継機に関する明確な記述は確認できない。
ただし、KORGの電子ピアノの製品ラインナップの中には、価格帯や特徴がKORG D1と比較検討されるモデルがいくつか存在する。例えば、B1やLP380、C1 Airといったモデルが挙げられる。これらのモデルはそれぞれ異なる特徴を持っており、例えばB1はD1とは異なるNH鍵盤を搭載しており、本体にスピーカーが内蔵されている点でもD1とは異なる。D1は特に、高品位なRH3鍵盤による演奏性を重視しつつ、スピーカーを省略することで本体をスリムにし、価格を抑えたという、特定のユーザー層(高品質な鍵盤を求めるステージ/DTMユーザーなど)をターゲットにしたモデルと言えるだろう。
ユーザー間のクチコミ掲示板などを見ると、D1を購入する際に、これらの他のKORG電子ピアノや、他社(Roland FP-30、CASIO PX-S1000など)の同価格帯・同コンセプトのモデルと比較検討している様子が多く見られる。これは、これらのモデルが市場においてD1の競合製品や代替製品となりうることを示唆している。
KORGの電子ピアノのモデルチェンジ頻度について、それほど頻繁ではないと感じるユーザーの声もあり、D1の直接的な後継機がすぐに出るかどうかは分からないという意見もある。したがって、現状ではD1の明確な後継機は特定できないと言える。もしKORG D1の後継モデルや最新の電子ピアノに関する情報が必要な場合は、KORGの公式ウェブサイトや楽器店の最新情報を確認することをお勧めする。D1の「高品位鍵盤+スピーカーレス」というコンセプトに近いモデルを探す場合は、KORGの他のRH3鍵盤搭載モデルや、他社のスピーカー非搭載またはコンパクトなステージピアノなどを比較検討することになるだろう。
KORG D1 デジタルピアノの主な特徴と評価のまとめ
- KORG D1はスピーカーを内蔵しないスリムなデジタルピアノである
- グランドピアノのような弾き心地を目指した、KORGの高品質なRH3鍵盤を搭載している
- 鍵盤タッチは音域によって異なり、ハンマーの重さによる機構を採用している
- 鍵盤が完全に上がらなくても発音できるため、早い連打やトリルに対応できる
- 多くのユーザーが鍵盤のタッチや弾き心地の良さを高く評価しており、ピアノに近い打鍵感がある
- ピアノ、エレピ、オルガンなど、計30種類の表現力豊かな音色を内蔵している
- ダンパーペダルを踏み込んだ際の弦の共鳴を再現するダンパーレゾナンスを搭載している
- コストパフォーマンスが非常に高く、比較的リーズナブルな価格で購入できる点が評価されている
- 音色の切り替えボタンなどがシンプルで、操作は比較的扱いやすい
- 本体は約16kgで、奥行き263mmとコンパクトな設計であり、持ち運びにも適している
- PCと接続してMIDIキーボードとして使用できるが、USB端子は搭載されていない
- 付属のダンパーペダルは標準的なものより小さく、付属のヘッドホンは実用向きではないという意見がある
- 鍵盤の傾斜角度が大きいと感じる人もいるが、使用する椅子などで感覚が変わる可能性がある
- 電源ボタンはソフトウェアスイッチ式で約1秒のタイムラグがあり、ほぼ全ての設定が電源OFFで初期状態に戻る欠点がある
- 自宅での練習、ライブでの使用、DTM環境でのマスターキーボードなど、幅広い用途に適したモデルである