こんにちは!「Digital Piano Navi」運営者のピア憎です。
「ピアノ引けたらかっこいい曲ってなんだろう?」「ストリートピアノや発表会で注目される曲が知りたい!」そんな風に思ったことはありませんか?ピアノを弾くからには、誰かに「すごい!」って思われるような、とっておきの一曲をマスターしたいですよね。
でも、いざ探してみると、初心者には難しすぎたり、上級者向けの情報ばかりだったり…。2024年の最新J-POPや人気のアニソン、ボカロ曲から、大人の雰囲気が漂うジャズピアノまで、選択肢が多すぎて迷ってしまうかもしれません。また、合唱コンクールの伴奏で活躍したい学生さんや、難易度ランキングを参考に挑戦する曲を決めたいという方もいるかなと思います。この記事では、そんなあなたの「かっこいい曲を弾きたい!」という気持ちに応えるため、簡単なのに聞こえる名曲から超絶技巧曲まで、様々な角度からおすすめの曲を網羅的に深掘りしていきます。
- 初心者でも見栄えのするコストパフォーマンスが高い曲
- J-POPやアニソンなどジャンル別の人気トレンド曲
- ストリートピアノや発表会で聴衆を魅了する曲
- クラシックやジャズにおける上級者向けの挑戦曲
初心者も挑戦!ピアノ引けたらかっこいい曲
ここからは、あなたのピアノレベルや「こうなりたい!」という目標に合わせて、具体的な曲の選び方を見ていきましょう。初心者の方でも「おっ」と思わせることは十分可能ですし、上級者の方はさらなる高みを目指すための指針になるはずです。大切なのは、自分に合った「かっこよさ」を見つけることですね。
簡単なのに聞こえる初心者向けの名曲
ピアノを始めたばかりの方や、ブランクがあって久しぶりに再開した方にとって、何より大切なのは「コストパフォーマンス」、つまり「かけた労力に対して、どれだけ大きな効果(かっこよさ)が得られるか」だと思います。いきなり超絶技巧曲に挑んで挫折してしまうより、まずは「弾けた!」という成功体験を積み重ねることが、ピアノを長く楽しむ秘訣です。
クラシックの練習曲の王道、例えばモーツァルトやベートーヴェンの初期のソナタは、一音一音が非常にクリアで、音階やアルペジオがむき出しになっているため、ごまかしが効きません。これは、正確に弾ければもちろん素晴らしいのですが、初心者にとってはミスが目立ちやすく、「粗が隠せない」というリスクがあります。
そこで私が強くおすすめしたいのが、ペダルを効果的に使って響きの魔法をかけられる、近代・現代のクラシック曲です。
響きで魅せる「雰囲気重視」のレパートリー
これらの曲は、指がものすごく速く動かなくても、和音の響き一つで空間の雰囲気をガラリと変える力を持っています。
- エリック・サティ「ジムノペディ」「グノシエンヌ」
「ミニマリズムの美学」とも言えるこれらの曲は、音数が極端に少なく、テンポも非常にゆったり。しかし、独特の浮遊感がある和音と、ペダルによって生まれた音の余白が、聴く人を非日常的な空間へと誘います。技術的な難易度は低いのに、「なんだかすごく芸術的なセンスのある人…」という印象を与えられる、まさに魔法のような曲です。 - シベリウス「樅の木」
北欧の冷たく澄んだ空気を思わせる、静謐なアルペジオで始まるこの曲は、発表会での「隠れた名曲」として非常に評価が高いです。中間部で訪れる情熱的なクライマックスとの対比が非常にドラマチックで、聴衆の心をグッと掴みます。速弾きは必要なく、和音のバランスとペダリングのうまさが勝負の鍵となります。 - ヤナーチェク「霧の中で」
少し渋い選曲ですが、これもまた通好みのかっこよさがあります。東欧の民族音楽に影響を受けた不規則なリズムや独特の旋法(モード)が使われており、指が速く動かなくても、深い精神性を感じさせることができます。「他の人とは違う、自分の世界観を持ったピアニスト」という印象を演出したい方におすすめです。
これからピアノを始める方や、どんな楽器を選べば良いか迷っている方は、まず自分に合った一台を見つけることが大切です。練習のモチベーションにも大きく関わってきますからね。選び方のポイントについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
上級者向けクラシックの定番曲
「ピアノでかっこいい」というイメージの頂点に君臨するのは、やはりクラシック音楽の歴史に燦然と輝く大作曲家たちの難曲ではないでしょうか。圧倒的な技術力、音楽的な深い理解、そして強靭な精神力。それら全てを兼ね備えた者だけが到達できる、孤高の世界がそこにはあります。ここでは、ピアニストにとっての「聖典」とも言える、挑戦しがいのある定番曲を深掘りしてみましょう。
ピアノの詩人、ショパンの英雄性と情熱
ショパンの作品は、ピアニストの総合力が試される試金石です。ストリートピアノでワンフレーズ弾くだけで、周囲の空気が変わるほどの力を持っています。
- 英雄ポロネーズ Op.53
まさに「かっこいい」の代名詞。曲の冒頭から鳴り響く力強い和音と、聴く者の心を奮い立たせる主題。そして何と言っても、中間部でポーランドの騎馬隊の進軍を描写したとされる左手のオクターブ連打は、演奏者の体力と技術を視覚的にも聴覚的にも誇示する最大の見せ場です。この曲を弾き切った時の達成感と聴衆からの賞賛は、何物にも代えがたいものがあるでしょう。 - 練習曲 Op.10-4 (Torrent)
「激流」という愛称の通り、両手が鍵盤の上を絶え間なく駆け巡る、情熱の塊のような曲です。YouTubeなどでも「高速でかっこいいクラシック」として絶大な人気を誇ります。「指がこれだけ速く動く」という事実を、これ以上ないほど雄弁に物語ってくれる一曲ですね。
圧倒的破壊力と構築美の巨匠たち
ショパンがピアノの詩人なら、リストやベートーヴェンはピアノという楽器の限界を押し広げた革命家と言えるかもしれません。
- 月光ソナタ 第3楽章 (ベートーヴェン)
静謐な第1楽章のイメージを根底から覆す、嵐のような激しさが特徴です。ロック音楽にも通じる攻撃的なかっこよさがあり、鍵盤の端から端までを使い切るような上昇アルペジオは、視覚的なインパクトも絶大。ベートーヴェンの内なる情熱が爆発したような、破壊的なエネルギーに満ちています。 - ラ・カンパネラ (リスト)
「鐘」を意味するこの曲は、高音域での超高速な跳躍が最大の特徴です。右手が鍵盤の上を激しく飛び回る様は、まるでアクロバットを見ているかのよう。ピアノの知識がない人にも「何かとんでもない超絶技巧だ!」と一瞬で伝わる、非常にキャッチーな華やかさを持っています。
発表会で主役になれる感動的な一曲
年に一度の発表会は、日頃の練習の成果を披露する大切な舞台。せっかくなら、ただ無難に終わるのではなく、聴いている人の記憶に深く刻まれるような、印象的な演奏をしたいものですよね。ここでは「主役」になるための選曲戦略と、具体的なおすすめ曲を考えてみましょう。
「魅せる」演奏で聴衆を惹きつける
発表会では、音だけでなく「見た目」も重要な要素になります。ピアニストの動きが華やかで美しい曲は、聴衆の目と耳を同時に楽しませてくれます。
- ため息 (リスト)
リストの「3つの演奏会用練習曲」の中の一つで、その名の通り、甘く切ないメロディが魅力です。技術的な特徴は、両手が交差しながら一本のメロディを紡ぎ出すという点。この優雅な手の動きは、見ているだけでうっとりするほどの美しさがあります。難易度は非常に高いですが、リスト特有の「ピアニスティックな(ピアノらしい)響き」と「視覚効果」を両立させた、発表会にぴったりの名曲です。 - 愛の悲しみ (クライスラー=ラフマニノフ編)
元々はヴァイオリンの名曲として有名なこの曲を、ピアノの魔人ラフマニノフが超絶技巧に編曲したバージョンです。原曲の持つウィーン風の優雅なメロディの知名度も相まって、聴衆に「洗練されたピアニスト」という印象を与えることができます。ヴァイオリンの歌い回しをピアノでいかに表現するか、という表現力が問われるため、単なる技術披露ではない、深い音楽性を示すことができます。
通な選曲で個性をアピールする戦略
ショパンやリストといった有名作曲家の名曲は確かに魅力的ですが、他の出演者と曲が被ってしまう可能性もあります。そこで、あえて少しマニアックな曲を選ぶことで、自分の音楽への探究心や個性をアピールするという高度な戦略もあります。
- サルタレッロ (アルカン)
シャルル=ヴァランタン・アルカンは、ショパンやリストと同時代に生きた作曲家ですが、そのあまりの難易度から「ピアノのパガニーニ」とも呼ばれました。彼の作品は、一般的な知名度は低いものの、ピアノ愛好家の間では「知る人ぞ知る難曲」として畏敬の念を集めています。この「サルタレッロ」のような技巧的で珍しい曲をプログラムに入れることで、「この人はただ者ではないな」と聴衆に強い印象を残せるかもしれません。
大人の魅力、おしゃれなジャズピアノ
「ジャズが弾ける」というスキルは、他のジャンルとは一線を画す、独特のかっこよさがありますよね。楽譜通りに弾くクラシックとは対極にある「自由さ」や「即興性」は、多くのピアノ弾きにとって憧れの的ではないでしょうか。ここでは、敷居が高いと思われがちなジャズピアノの世界に、一歩足を踏み入れるためのヒントをご紹介します。
ジャズ特有の「かっこよさ」の正体
ジャズのかっこよさは、単にメロディがおしゃれというだけではありません。その本質は「その場で音楽が生まれるライブ感」にあると私は考えています。そのかっこよさを構成する要素を分解してみましょう。
- 複雑で洗練されたハーモニー(和音)
ジャズでは、メジャーセブンス(M7)やナインス(9th)といった、クラシックではあまり使われない複雑な響きの「テンションコード」が多用されます。これらのコードが、都会的で少し気だるい、大人な雰囲気を醸し出します。 - 心と体を揺らす「スウィング」のリズム
「タッカタッカ」と跳ねるような独特のリズムは、ジャズの生命線です。この裏拍を感じさせるグルーヴが、聴く人の体を自然に揺らし、音楽との一体感を生み出します。 - 自由な自己表現「アドリブ(即興演奏)」
ジャズの華といえば、やはりアドリブでしょう。コード進行というルールの中で、奏者が自由にメロディを紡ぎ出す。これは、奏者の音楽的知識と感性がダイレクトに表れる、非常に知的な遊びであり、最大の魅力です。
セッションで輝くための定番曲(共通言語)
ジャズバーなどで行われる「セッション」に参加するのは、ジャズマンにとって腕試しの場。そこで演奏される定番曲は、いわば世界共通の「音楽の言語」です。まずはこのあたりから挑戦してみるのがおすすめです。
- 枯葉 (Autumn Leaves)
「ジャズの教科書」とも呼ばれる超有名曲。哀愁漂う美しいメロディと、ジャズの最も基本的なコード進行である「II-V-I(ツーファイブワン)」を学ぶのに最適です。初心者からプロまで、全てのレベルの人が楽しめる懐の深い曲ですね。 - Billie’s Bounce / Straight, No Chaser
これらは「ブルース」という12小節の決まった形式の曲です。ブルースはジャズのルーツであり、アドリブの基本を学ぶのにうってつけ。この形式に慣れておくと、どんなセッションでも臆することなく参加できるようになります。 - Oleo
「循環」と呼ばれる、有名曲「I Got Rhythm」のコード進行をベースにした曲です。アップテンポで演奏されることが多く、スリリングなアドリブ交換が繰り広げられます。これを涼しい顔で弾きこなせたら、間違いなく一目置かれる存在になるでしょう。
難易度ランキングで見る挑戦したい名曲
自分のピアノの腕が上がってくると、「自分の限界はどこにあるんだろう?」と、より高難易度の曲に挑戦したくなるのは自然なことですよね。ここでは、ピアニストとしての総合力が試される、各ジャンルの「ラスボス」級の楽曲を、難易度の目安とともにご紹介します。これらの曲は、まさにピアノという楽器と人間の能力の限界に挑む、究極のチャレンジと言えるでしょう。
なぜこれらの曲は難しいのか?
単に「音符が多い」「テンポが速い」というだけでなく、これらの難曲にはそれぞれ特有の技術的な壁が存在します。
- ポリフォニー(多声部)の処理能力:右手と左手で全く異なるメロディやリズムを同時に、しかも独立してコントロールする能力。
- 広範囲の跳躍と正確性:鍵盤の端から端までを瞬時に移動し、正確な音を捉える能力。
- 強靭な指と手首:高速なオクターブ連打や重厚な和音を、疲れずに鳴らし続けるためのフィジカル。
- 高度な音楽的解釈:複雑な楽曲構造を理解し、作曲家の意図を汲み取って表現する知性。
ピアノ演奏技術の向上には、適切な練習方法が不可欠です。大手楽器メーカーであるヤマハの公式サイトでは、演奏に関する様々なヒントが公開されており、こういった一次情報を参考にすることも上達への近道かもしれません。(出典:ヤマハ株式会社 楽器解体全書)
ジャンル別ピアノ引けたらかっこいい曲リスト
ここからは、より具体的なジャンルに絞って、今弾きたいトレンド曲や、様々なシーンで活躍する定番曲をさらに詳しくご紹介していきます。「クラシックはあまり聴かないけど、J-POPなら!」「とにかくアニソンが弾きたい!」という方、必見です。あなたの「好き」が詰まったジャンルからチェックしてみてください。
2024年最新J-POPの人気曲
ストリートピアノやSNSで今一番「いいね!」がもらえるのが、誰もが口ずさめるJ-POPの最新ヒットソングではないでしょうか。原曲のバンドサウンドや打ち込みの音を、ピアノ一台でどう表現するかが腕の見せ所。ここでは2024年の音楽シーンを象徴するアーティストたちの楽曲と、ピアノ演奏での「かっこいいポイント」を解説します。
Mrs. GREEN APPLE (ライラック, ケセラセラ, 点描の唄など)
彼らの楽曲の魅力は、なんといってもドラマチックな曲展開と疾走感です。ピアノで演奏する場合、AメロからBメロ、そしてサビへと駆け上がっていく高揚感を表現することが重要になります。特に、目まぐるしく変わる転調は彼らの楽曲の大きな特徴。これを滑らかに弾きこなせると、楽曲の色彩豊かな世界観を表現でき、聴いている人を飽させません。左手でバンドのビート感を安定して刻みつつ、右手で華やかなメロディとオブリガート(合いの手)を弾き分ける技術が求められます。
Vaundy (怪獣の花唄, タイムパラドックスなど)
Vaundyの楽曲をピアノで弾く上で最も重要なのは「グルーヴ(ノリ)」です。楽譜通りに四角四面に弾くのではなく、体全体でリズムを感じ、少し「ハネた」感じで弾くと、原曲の持つ現代的なかっこよさが表現できます。特に、シンコペーション(本来の拍とは違う位置にアクセントがくるリズム)を意識的に強調するのがポイント。左手のベースラインを正確に、かつ力強く弾くことで、曲全体の土台が安定し、右手のメロディがより自由に躍動します。
Official髭男dism (Subtitle, Same Blueなど)
ピアノロックバンドとして確固たる地位を築いている彼らの曲は、ピアノとの親和性が抜群です。原曲のピアノリフをそのまま弾くだけでも十分にかっこいいのですが、魅力はそれだけではありません。彼らの楽曲にはジャズやR&B、ソウルミュージックの影響を受けた複雑でおしゃれなコード進行が多用されています。これらのテンションノートを含んだコードヴォイシングを正確に弾きこなすことは、あなたの音楽的知識の深さを示す、何よりの証明になります。
Creepy Nuts (Bling-Bang-Bang-Born)
2024年を代表する大ヒット曲。この曲の最大の見せ場は、言うまでもなくDJ松永さんのトラックの上で繰り広げられるR-指定さんの超高速ラップです。これをピアノでどう再現するかが、アレンジャーとピアニストの腕の見せ所。多くのピアノアレンジでは、同音連打や高速トリル、装飾音符などを駆使して、あのマシンガントークのような言葉の奔流を表現しています。これはもはや音楽というより一種の「鍵盤格闘技」。ゲームのボス戦BGMのようなスリルと興奮を聴衆に与えることができます。
ストリートピアノで映える人気曲
駅や空港、商業施設など、街角に置かれた誰でも自由に弾けるストリートピアノ。ここは、あなたの演奏を不特定多数の人に聴いてもらえる、最高のステージです。ここでは、ただ上手いだけでなく、「聴衆の足を止め、人だかりを作る」ための選曲と演出のコツを考えてみましょう。
聴衆を惹きつける「掴み」の選曲術
ストリートピアノでは、最初の数秒が勝負です。多くの人は忙しく通り過ぎていきます。その人たちの耳を一瞬で奪うには、やはり「誰もが知っている有名なメロディ」が最も効果的です。
- 鉄板の有名曲:最新のJ-POPヒットソングはもちろん、久石譲さんのジブリ音楽メドレーや、坂本龍一さんの「戦場のメリークリスマス」、ディズニー映画のテーマソングなどは、世代や国籍を超えて愛されています。イントロのワンフレーズを弾き始めただけで、「あ、この曲知ってる!」と多くの人が足を止めてくれるでしょう。
- 意外性で魅せるギャップ:普段はおとなしそうな人が、ピアノの前に座った途端、超絶技巧のアニソンや激しいロックナンバーを弾き始めたら…?そのギャップに、人は驚き、惹きつけられます。YouTubeで人気の「ホームレス風の老人が実は超絶ピアニストだった」というドッキリ企画も、この「見かけによらない」というギャップ効果を最大限に利用したものです。自分のキャラクターと演奏曲の間にギャップを作ることで、より強いインパクトを残せます。
場所と響きを味方につける
ストリートピアノは、置かれている場所の環境(天井の高さ、壁の材質、周囲の騒音など)によって、音の響き方が全く異なります。その特性を理解し、選曲に活かすことができれば、あなたは「デキる」ピアニストです。
ストリートピアノを弾く際は、多くの人が利用する公共の場であることを忘れないようにしたいですね。長時間占有しない、大音量で弾きすぎないなど、基本的なマナーを守って、みんなが気持ちよく音楽を楽しめる空間作りを心がけることが、何より大切です。
超絶技巧のアニソンやボカロ曲
インターネットの動画共有サイトを中心に発展してきたピアノ文化は、クラシックの伝統的な技巧を土台としながらも、全く新しい「かっこよさ」の価値基準を生み出しました。特に、アニメ、ボーカロイド、ゲーム音楽のジャンルでは、原曲のデジタルなサウンドを人間の手で再現するという、超絶技巧の極致ともいえる演奏スタイルが確立されています。そのシーンを語る上で欠かせないのが、二人のカリスマピアニストの存在です。
二大巨頭、Animenzとまらしぃのスタイル比較
このジャンルのファンなら誰もが知る、Animenz(アニメンズ)さんと、まらしぃさん。同じアニソン・ボカロ曲を弾いていても、そのアプローチは対照的で、それぞれに強烈な魅力があります。
| Animenz スタイル | まらしぃ スタイル | |
|---|---|---|
| 特徴 | オーケストラ的・構築的 | ロックバンド的・ライブ的 |
| キーワード | 多声(ポリフォニック)、壮大、知的、協奏曲 | 疾走感、熱量、力強い打鍵、アドリブ感 |
| 編曲の傾向 | オーケストラの全パート(弦・管・打楽器)を一台のピアノに集約。音数が極めて多く、左手の広い跳躍と右手の高速パッセージが複雑に絡み合う。 | 原曲の持つ疾走感やロックなノリを最大限に増幅。左手のオクターブ連打やグリッサンドを多用し、ライブでの盛り上がりを重視。 |
| 代表的な演奏 | 「Unravel」「My Dearest」「Snow Halation」 | 「千本桜」「ナイト・オブ・ナイツ」「ネイティブフェイス」 |
| かっこよさの質 | 緻密に設計された楽譜を完璧に弾きこなすことで生まれる、壮大な構築美。 | 理屈抜きで聴き手の心拍数を上げる、エネルギッシュで情熱的なパフォーマンス。 |
人間卒業?挑戦のロードマップ
彼らのように弾くことを目指すのは、非常に高い目標です。いきなり最高難度の曲に挑むのではなく、段階的にレベルアップしていくためのロードマップを考えてみました。
- 入門編(それでも十分に難しい):「Butterfly」(デジモンアドベンチャー) Animenz編
Animenzさんの初期のアレンジで、比較的音数が少なく、左手のパターンも掴みやすいです。まずはここから、彼の編曲スタイルに慣れるのが良いでしょう。 - 中級編(ここからが本番):「Blue Bird」(NARUTO -ナルト- 疾風伝) Animenz編
跳躍や和音の掴み方など、よりピアニスティックな技術が求められるようになります。メロディが非常に美しく、弾いていて気持ちの良い一曲です。 - 上級編(コンクールでも通用するレベル):「My Dearest」(ギルティクラウン) Animenz編
楽譜が3段で書かれる、通称「3ハンドテクニック」が登場します。両手でメロディ、内声、ベースの3つのパートを同時に弾き分ける高度な技術が必要です。 - 神レベル(プロも戦慄する領域):「Unravel」(東京喰種トーキョーグール) Animenz編
冒頭の静寂からサビでの感情の爆発までの、凄まじいダイナミクスレンジ。そして、人間の指の構造を無視したかのような複雑怪奇なパッセージ。これを弾きこなせれば、世界のどこに行っても称賛されること間違いなしです。
これらの曲は、原曲が「打ち込み」で作られているからこそ、人間の演奏能力の限界を試すようなフレーズが生まれます。その非人間的なフレーズを、生身の人間が血の滲むような努力の末に再現する。そのプロセスと結果に、私たちは最大のカタルシスとかっこよさを感じるのかもしれません。
合唱コンクールで輝くピアノ伴奏曲
学生生活における晴れ舞台、合唱コンクール。主役はもちろん歌う生徒たちですが、その歌声を支え、時には力強くリードし、音楽全体のクオリティを決定づけるのがピアノ伴奏者の存在です。近年の合唱曲では、伴奏パートが非常に高度化・複雑化しており、単なる「伴奏」の域を超え、ピアノが第二の主役とも言える重要な役割を担っています。ここでは、弾きこなせば学校のヒーロー・ヒロインになれる、かっこいい伴奏曲をランキング形式で深掘りします。
伴奏者が音楽の「支配者」になる瞬間
合唱コンクールにおけるピアノのかっこよさは、数十人の歌声をたった一人で支え、導く「リーダーシップ」と「支配力」にあります。指揮者と呼吸を合わせ、壮大な音楽の土台を築き上げる。その責任は重大ですが、やりがいは計り知れません。特に、歌が入らない「前奏」「間奏」「後奏」は、伴奏者の独壇場。ここでいかに聴衆の心を掴めるかが腕の見せ所です。
難易度・かっこよさランキング TOP3
- 第1位:君とみた海(作曲:若松歓)
「これはもはやピアノ協奏曲だ」と言われるほど、ピアノパートが華やかで難易度の高い曲です。最大の特徴は、イントロとエンディングに現れるきらめくような6連符のアルペジオ。これは、打ち寄せる波や、太陽に反射して輝く海面を表現しており、圧倒的な美しさと透明感が求められます。技術的には、粒の揃った滑らかなアルペジオを弾くための指の独立性、そしてペダルを濁らせずに豊かな響きを作る高度な耳が必要です。この曲を完璧に弾ききった時の達成感と、周囲からの「あの伴奏者、すごかったね」という評価は絶大。合唱の結果に関わらず、伴奏者賞を狙える最高峰の一曲です。 - 第2位:走る川(作曲:黒沢吉徳)
組曲「水の翼」の中の一曲。そのタイトルの通り、岩にぶつかりながら進む急流のような、激しさとスピード感が持ち味です。技術的なポイントは、絶え間なく続く16分音符のパッセージと、不規則で予測のつかないリズム。この荒々しさを表現しつつ、疾走感を最後まで維持するスタミナと集中力が試されます。合唱とピアノが一体となって、ゴールに向かって突き進んでいくようなスリルと興奮を会場全体で共有できる、非常にエキサイティングな曲です。 - 第3位:ひとつの朝(作曲:平吉毅州)
NHK全国学校音楽コンクールの課題曲として作曲されて以来、長く歌い継がれている不朽の名曲。青春の希望や葛藤、そして未来への決意を描いた力強い楽曲です。この曲のかっこよさは、何と言っても序奏の重厚な和音連打に集約されます。夜明けを告げる鐘のように、鋭いリズム感とピアノ全体を鳴らしきるような深みのあるタッチが求められます。ここで聴衆の心を鷲掴みにできるかどうかで、曲全体の印象が大きく変わると言っても過言ではありません。
これらの曲を弾く学生は、音楽的な技術だけでなく、クラスを一つにまとめる中心的な存在として、学校内での「ピアノの神様」としての地位を確立することになるでしょう。
かっこいい曲に関するよくある質問
ここまで様々な曲を紹介してきましたが、実際に「かっこいい曲を弾きたい!」と思って練習を始めるにあたって、共通の疑問や不安が出てくるかなと思います。ここでは、そうしたよくある質問に、Q&A形式でお答えしていきます。
- Q楽譜がまったく読めなくても、かっこいい曲は弾けますか?
- A
結論から言うと、可能性は十分にあります。現代には便利なツールがたくさんありますからね。例えば、YouTubeには、弾くべき鍵盤が光って教えてくれる「Synthesia(シンセシア)」というソフトを使ったチュートリアル動画が無数にあります。これを見ながら、ゲーム感覚で一音ずつ覚えていくことで、楽譜が読めなくても曲をマスターすることは可能です。また、聴いた音をそのままピアノで再現できる「耳コピ」という特殊能力を持っている方もいます。ただ、やはり複雑な和音やリズムが出てくる難曲に挑戦していく上では、楽譜が読めた方が圧倒的に効率的で、音楽の理解度も深まります。最初は簡単な教則本からで良いので、少しずつでも楽典の勉強を始めてみると、見える世界が大きく広がると思いますよ。
- Q憧れの曲があるのですが、難しすぎます。練習時間はどれくらい必要ですか?
- A
これは本当に、曲の難易度、あなたの現在のレベル、そして練習の質によって大きく変わるので、「何時間やれば弾ける」と断言することはできません。ただ一つ言えるのは、上達への一番の近道は「毎日少しずつでもピアノに触れる」習慣をつけることです。週末に5時間まとめて練習するよりも、毎日15分ずつ練習した方が、指の感覚も鈍らず、記憶も定着しやすいです。特に、自分が苦手だと感じる難しいパッセージは、曲全体を通すのではなく、その部分だけを抜き出して、メトロノームに合わせて非常にゆっくりなテンポから繰り返し練習する「部分練習」が極めて効果的です。焦らず、自分のペースで一歩ずつ進んでいくことが大切ですね。
- Qかっこいい曲を弾くなら、やっぱりグランドピアノじゃないとダメですか?電子ピアノでも大丈夫?
- A
全く問題ありません。むしろ、現代の練習環境においては電子ピアノは非常に強力な味方です。もちろん、最終的にコンサートホールで演奏することを目指すなら、アコースティックのグランドピアノでの練習は不可欠です。しかし、最近の電子ピアノは鍵盤のタッチ(重さ)も音の響きも驚くほど進化しており、クラシックの難曲を練習するのにも十分すぎるほどの性能を持っています。何より、時間を気にせずヘッドホンで練習できるというメリットは計り知れません。特に、ストリートピアノで演奏したいJ-POPやアニソンは、そもそも原曲が電子楽器を使っていることも多く、電子ピアノのクリアなサウンドと非常に相性が良いと言えるでしょう。
電子ピアノと一口に言っても様々な種類があります。もし購入を検討されているなら、こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
あなたに合うピアノ引けたらかっこいい曲
さて、ここまで本当にたくさんの曲を、様々な角度からご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。「弾いてみたい!」と思える一曲には出会えましたか?
初心者向けの「コスパ最強曲」から、プロレベルの超絶技巧曲まで、色々な「かっこいい」の形を見てきました。結局のところ、あなたにとって最高のピアノ引けたらかっこいい曲とは、「あなた自身が、心の底から弾きたい!大好きだ!」と夢中になれる一曲だと、私は強く信じています。
どんなに技術的に難しい曲でも、「好き」という純粋な気持ちこそが、辛い練習を乗り越えるための最強のガソリンになります。そして、あなたがその曲に込めた情熱や愛情は、必ず音色に乗って、聴いている人の心に直接届くはずです。技術的な完璧さももちろん大切ですが、それ以上に、想いのこもった演奏こそが、人の心を本当に動かすのではないでしょうか。
この記事が、あなたが「生涯の相棒」となるような素敵な一曲と出会うための、小さな道しるべとなれたなら、これ以上に嬉しいことはありません。さあ、勇気を出して、今日から憧れの曲の楽譜を開いてみませんか?あなたが鍵盤に指を置いたその瞬間から、新しい物語が始まります。




