【CN29】生産完了でも人気!カワイ電子ピアノの魅力を徹底解説

CN29 KAWAI

こんにちは!Digital Piano Navi運営者の「ピア憎」です。

カワイの電子ピアノCN29、気になっていますか?「もう生産完了って本当?」「後継機との違いは?」「中古で買うのはどうなの?」そんな疑問や不安、きっとたくさんお持ちですよね。私自身も、CN29の発売当時は「この価格帯でこのクオリティはすごい!」と注目していました。今回は、そんなCN29の魅力や、中古市場での購入を検討されている方に向けて、CN29の特徴や選び方、注意点などを、私の経験も交えながら分かりやすく解説していきますね。

  • CN29の発売当時の画期的な特徴
  • CN29の鍵盤や音源のこだわり
  • CN29と後継機CN201の違い
  • CN29の中古購入でチェックすべき点
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CN29、今なお輝く電子ピアノ

カワイの電子ピアノCN29は、2019年に市場に登場し、その当時のエントリーモデルとしては驚くべきスペックと演奏性で、多くのピアノ愛好家から「価格以上の価値がある」と絶賛されました。すでに生産完了となり、後継機であるCN201へとバトンタッチしていますが、中古市場で根強い人気を誇っているのには、いくつかの明確な理由があります。それは、単に「古いモデルだから安い」というわけではなく、発売当時から現在に至るまで色褪せない、その製品自体の持つポテンシャルの高さに起因しています。ここでは、CN29がなぜそれほどまでに評価され続けているのか、その魅力に、私自身の視点も交えながら、じっくりと迫っていきたいと思います。

CN29の市場ポジショニング

CN29が登場した2019年7月1日、当時の電子ピアノ市場、特に10万円台前半という価格帯は、各メーカーがしのぎを削る、まさに「激戦区」でした。この価格帯は、ピアノ学習をこれから始めるお子さんを持つご家庭や、趣味としてピアノを再開したいと考えている大人の方が、最初に検討する「ボリュームゾーン」にあたります。多くのユーザーが、限られた予算の中で、いかにアコースティックピアノに近い演奏体験を得られるか、という点に注視していました。そんな中で、CN29が市場に投入されたことは、ある意味で「衝撃」とも言える出来事でした。なぜなら、それまで価格帯的に上位機種(20万円~クラス)に限定されていたような、贅沢な仕様が、惜しみなく投入されていたからです。具体的には、鮮明で視認性の高い有機ELディスプレイの採用、オーディオ機器メーカーであるオンキヨー(Onkyo)との技術提携によるオーディオ回路の刷新、そして長年定評のあるRHIII鍵盤の継続搭載といった、この価格帯では考えられないほどの充実ぶりでした。これにより、CN29は単なる「エントリーモデル」という枠を超え、ミドルクラスに匹敵する、いや、一部ではそれを凌駕するほどのパフォーマンスを持つ「ハイコストパフォーマンスモデル」として、市場に強く認知されることになったのです。この絶妙なポジショニングが、発売から数年経った現在でも、中古市場で注目される理由の一つと言えるでしょう。

CN29の鍵盤テクノロジー

電子ピアノの評価を決定づける最も重要な要素、それは間違いなく「鍵盤」のタッチ感です。CN29に搭載されている「レスポンシブ・ハンマー・アクションIII(RHIII)」鍵盤は、長年にわたり樹脂製鍵盤の最高峰として評価されてきた機構であり、その設計思想には、アコースティックピアノの繊細な挙動を徹底的に模倣しようとする、カワイの強いこだわりが感じられます。RHIII鍵盤は、単に重さを再現するだけでなく、演奏者の微妙な指の動きを忠実に音源へ伝えるための、複数の高度な技術によって構成されています。

RHIII鍵盤の機構学的特徴

RHIII鍵盤の主要な特徴は以下の4点に集約されます。これらが、ピアニストの演奏意図を正確に音に反映させるための、緻密な設計の賜物なのです。

  • カウンターウェイト:鍵盤の手前側に配置されたおもりで、低音域から高音域まで全ての鍵盤に搭載されています。これが、ピアニッシモ(極弱音)での発音コントロールを格段に容易にします。ハンマーの自重だけで戻ろうとする力を補正することで、指に吸い付くようなリニアな操作感を実現しており、特に繊細な表現を求める演奏者にとっては、この機能の有無が大きな差となります。
  • 3センサー検出システム:通常の2センサーに加え、鍵盤の中間位置を検出する第3のセンサーを搭載しています。これにより、鍵盤が完全に元に戻りきる前に次の打鍵が可能になり、トリルや同音連打の反応速度が飛躍的に向上します。これは、高度なクラシック曲の演奏にも耐えうる、非常に重要な機能と言えるでしょう。
  • レットオフ・フィール:グランドピアノ特有の、鍵盤をゆっくりと押し込んだ際に指先に伝わる「カクッ」というクリック感を、物理的な抵抗として再現しています。これは、繊細なタッチコントロールの目安となり、アコースティックピアノ演奏時の違和感を軽減します。特に弱音演奏時の指先の感覚を養う上で、この機能は非常に役立ちます。
  • アイボリータッチ:白鍵の表面には、吸水性のある素材が使用されており、象牙のような質感を持たせています。これにより、指の汗による滑りを防ぎ、長時間の練習でも安定した運指を可能にします。見た目の高級感も向上させ、演奏へのモチベーションを高める効果もあります。

競合鍵盤との比較優位性

この価格帯における競合他社の鍵盤と比較すると、RHIII鍵盤の特異性が際立ちます。例えば、ヤマハの同クラス帯(YDP-164)に搭載されていたGH3鍵盤も3センサーを搭載していましたが、カウンターウェイトは標準搭載ではありませんでした(上位機種で採用)。カウンターウェイトの有無は、特に軽いタッチでの演奏時に大きな差となって現れます。RHIII鍵盤は、物理的な重さのシミュレーション(低音部は重く、高音部は軽く)においても、ハンマーウェイトの調整だけでなく、アクション構造全体のバランス設計によって、非常に自然なグラデーションを実現しているのです。そのため、「重すぎて弾きにくい」ということもなく、「軽すぎて表現がつかない」ということもない、絶妙なバランスポイントを突いていると言えます。多くのユーザーレビューで「ヤマハより軽やかだが、しっかりとした底付き感がある」と評価されているのは、このためでしょう。

構造的補強と耐久性

CN29では、RHIII鍵盤のアクション構造に対して、さらなる構造的補強が施されています。これは、フォルテッシモ(強音)やスタッカートといった激しい演奏時に発生するアクションの歪みを抑制し、エネルギーロスを防ぐための設計です。その結果、鍵盤を強く叩いた際のパワーがダイレクトに音の強さとして反映され、演奏者の感情表現の幅を広げています。この高剛性設計は、長期間の使用における鍵盤のガタつきや劣化を遅らせる効果も期待できるため、中古で購入される方にとっても、耐久性の高さは大きなメリットと言えます。

CN29の音響設計

電子ピアノのサウンドを語る上で、音源チップから出力されるデジタル信号を、私たちが聴けるアナログ音声に変換し、増幅してスピーカーから鳴らすまでの「オーディオ回路」の品質は、最終的な出音のクオリティを左右する、極めて重要な要素です。CN29は、このオーディオ部分に、オーディオ機器メーカーとして高い評価を得ている「オンキヨー(Onkyo)」の技術を惜しみなく投入した点が、何よりも特徴的でした。

Progressive Harmonic Imaging (PHI) 音源

CN29の心臓部とも言えるのが、「Progressive Harmonic Imaging(PHI)音源」です。この音源技術の核となっているのは、カワイが誇るフルコンサートグランドピアノ「Shigeru Kawai SK-EX」および「EX」の、極めて高精細なサンプリングデータです。特筆すべきは、「88鍵ステレオサンプリング」という、贅沢な手法が採用されている点です。安価な電子ピアノでは、コスト削減のために、隣接する数音をまとめてサンプリングし、ピッチを変えて発音させる「ストレッチチューニング」的な手法が取られることがあります。これでは、鍵盤ごとの微妙な音色の違いや、ピアノ独特の共鳴の特性といった、アコースティックピアノが持つ繊細なニュアンスが失われてしまいがちです。しかし、CN29は88鍵すべてを個別に、丁寧に録音・解析することで、アコースティックピアノ本来の「不均一さ」を含めた、驚くほどのリアリティを再現しています。これにより、低音域の重厚な響きから高音域の煌びやかな倍音まで、まるで本物のグランドピアノを弾いているかのような、継ぎ目のない自然な音色変化を実現しています。

オンキヨーテクノロジーによるシグナルプロセッシング

CN29の開発において、最も象徴的であり、他社製品との明確な差別化要因となったのが、オーディオ機器メーカー「オンキヨー(Onkyo)」との技術提携です。CN29では、オンキヨーが長年培ってきた高音質オーディオ技術が、回路基板の設計やスピーカーユニットの選定・設計に、惜しみなく投入されました。具体的には、デジタル信号をアナログ信号に変換する際のノイズを極限まで低減する技術、アンプ回路における信号の歪みを抑制する設計、そしてスピーカーユニット自体の応答性を飛躍的に向上させる工夫などが施されています。これにより、従来の電子ピアノにありがちだった、「膜がかかったようなこもった音」や「電子的な不自然な響き」が大幅に改善され、非常に純度の高く、透き通るようなクリアなピアノサウンドが実現されたのです。これは、単なるスペック表の数値(出力ワット数など)だけでは測れない、「聴感上の解像度」という点で、他社製品に対して明確な優位性をもたらしました。このオンキヨーサウンドは、CN29を語る上で欠かせない要素であり、現在でも多くのファンを惹きつける理由となっています。

スピーカーシステムと音場創成

CN29に搭載されているスピーカーシステムは、12cmのフルレンジスピーカーを2基、合計40W(20W×2)の出力で駆動します。この「合計40W」という出力は、同クラスのエントリーモデルとしては破格のスペックであり、例えばヤマハのYDP-144(合計16W)や、同世代のYDP-164(合計40W)と比較しても、その余裕のあるサウンドは特筆に値します。さらに、CN29のスピーカー配置と筐体設計は、グランドピアノの響板から音が全方位に広がる音場感をシミュレートするように、緻密に計算されています。低音成分は本体下部から床面へと放射され、中高音成分は本体上部から演奏者に向かって放射されるように調整されているのです。これにより、大音量で演奏した際にも音が割れることなく、フォルテッシモ(強音)を余裕を持って鳴らし切ることができます。この豊かな音響空間は、練習のモチベーション維持にも大きく貢献し、より没入感のある演奏体験を提供してくれます。

ヘッドホン体験の革新:スペイシャル・ヘッドホン・サウンド(SHS)

現代の住宅事情を考えると、電子ピアノの使用時間の多くはヘッドホンを着用した状態での練習となるでしょう。CN29は、このヘッドホンでの演奏体験を劇的に向上させる「スペイシャル・ヘッドホン・サウンド(SHS)」機能を搭載しています。ヘッドホン特有の「耳元で音が鳴っているような閉塞感」を解消するために、SHSは左右の耳への音の到達時間差や音量差をデジタル処理で制御します。これにより、まるでヘッドホンをしていないかのように、空間から音が聞こえてくるような、自然で臨場感あふれるサウンドステージを作り出すのです。さらに、長時間の練習による聴き疲れ(リスニングファティーグ)を軽減する効果もあり、受験生や長時間練習するユーザーにとって、これは非常に重要な機能と言えます。また、ヘッドホン端子も標準プラグとミニプラグの両方を備えているため、手持ちのイヤホンを変換プラグなしでそのまま使用できる利便性も確保されています。この細やかな配慮が、CN29のユーザー体験をより快適なものにしています。

CN29の機能性とUX

CN29が発売当時、競合他社を大きく引き離す、画期的な要素の一つとして挙げられるのが、操作パネルに採用された「有機ELディスプレイ(OLED)」です。当時の同価格帯の電子ピアノの多くは、ディスプレイが存在しないか、あっても「7セグメントLED(数字のみ表示)」であることが一般的でした。そのため、音色を変更したり、メトロノームのテンポを設定したりする際に、「ファンクションボタンを押しながら鍵盤の特定のキーを押す」といった、いわゆる「隠しコマンド」のような複雑な操作を強いられることが多く、現在の設定状態も確認できないという、ユーザーにとっては大きなストレスとなっていました。CN29の有機ELディスプレイは、日本語を含む文字情報を鮮明かつ高精細に表示できるため、「現在の音色は何か」「メトロノームのテンポはいくつか」といった情報が一目瞭然となりました。さらに、アイコンを用いた直感的なメニュー操作が可能になったことで、説明書をいちいち広げずとも、多彩な機能を簡単に使いこなすことができるようになったのです。このユーザビリティの劇的な向上は、特に機械操作に不慣れな子供や高齢者の方々にとって、決定的なメリットとなりました。

Bluetooth MIDIとアプリ連携の可能性

CN29は、Bluetooth MIDI機能を標準搭載しています。これにより、スマートフォンやタブレットといったスマートデバイスとワイヤレスで接続し、様々なピアノ学習支援アプリと連携させることが可能になりました。これは、学習の効率を高めるだけでなく、演奏の楽しみを広げる上で、非常に重要な機能と言えるでしょう。

主要対応アプリと活用法

CN29と連携できる代表的なアプリとしては、以下のようなものがあります。

  • Virtual Technician(バーチャル・テクニシャン):このアプリを使うと、まるでプロのピアノ調律師が行うような、高度な音色調整を、iPadなどの画面上で視覚的に行うことができます。具体的には、鍵盤のタッチカーブ(鍵盤の重さに対する音の反応)、ボイシング(音の硬さ)、ダンパーレゾナンス(響き線が共鳴する量)、キーオフノイズ(鍵盤から指を離した際の音)など、17項目に及ぶパラメータを細かく調整し、自分だけの理想のピアノサウンドを作り上げることが可能です。
  • Sound Museum:このアプリでは、CN29に内蔵されている様々な音色のデモ演奏を試聴したり、アプリ上からリモートで音色を切り替えたりすることができます。お子さんが色々な音色で遊んでみるきっかけになったり、演奏したい曲のイメージに合った音色を探すのに役立ちます。

Bluetooth Audioの不在について

ここで一つ、CN29ユーザーが後継機CN201と混同しやすい重要なポイントがあります。それは、CN29はBluetooth Audioには対応していないという点です。これは、CN29とCN201の最も大きな違いの一つであり、中古購入を検討する際に、必ず確認しておくべき仕様です。Bluetooth Audioとは、スマートフォン内の音楽(YouTubeやSpotifyなどのストリーミングサービス、あるいはダウンロードした音楽ファイル)を、電子ピアノ本体のスピーカーからワイヤレスで再生できる機能のことです。CN29で同様のことを行いたい場合は、有線ケーブルで外部入力端子に接続するか、別途Bluetoothレシーバーを用意する必要があります。この仕様の違いを明確に理解しておくことは、後々の後悔を防ぐために不可欠です。

レッスンのための機能も充実

CN29は、単なる趣味の楽器というだけでなく、教育用楽器としての側面も非常に充実しています。ピアノレッスンで標準的に使用される教則本のエチュードが、数多く内蔵されています。具体的には、以下のような楽譜が収録されています。

  • バイエル
  • ブルクミュラー25の練習曲
  • チェルニー30番練習曲
  • ショパン・ワルツ集(1~19番)

これらの内蔵曲は、片手ずつでの再生や、テンポの変更が可能です。これにより、苦手なパートを繰り返し練習したり、自分のペースでゆっくりと進めたりすることができ、上達への近道となります。また、録音機能(3曲まで本体に保存可能)を使えば、自分の演奏を客観的に聴き直すことができ、改善点を発見しやすくなります。これは、上達のスピードを早める上で非常に有効な手段です。さらに、「コンサートマジック」機能というユニークな機能も搭載されています。これは、指一本で鍵盤を叩くだけで、内蔵曲のリズムとメロディに合わせて演奏ができるというものです。ピアノにまだ慣れていないお子さんが、「弾く楽しさ」を気軽に体験できるきっかけとして機能し、音楽への興味を深めるのに役立つでしょう。

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CN29中古価値と選ぶ理由

生産完了から年月が経過し、CN29は中古市場での流通が活発化しています。その優れた演奏性や機能性から、依然として多くのピアノ愛好家からの注目を集めているのです。ここでは、CN29を中古で購入する際の相場や、なぜ今でもCN29が選ばれ続けているのか、その理由をより深く掘り下げていきましょう。

CN29の買取相場分析

CN29を売却する際に気になるのが、その買取価格相場ですよね。一般的なリサイクルショップや買取業者では、状態にもよりますが、1万円〜3万円程度の査定になることが多いようです。これは、専門知識を持たない業者の場合、電子ピアノとしての価値を正確に判断できないため、どうしても低めの査定になってしまう傾向があります。しかし、電子ピアノ専門店や、自社でメンテナンスを行い、再販ルートを確立している楽器店では、より高額な査定が期待できます。これらの専門店では、CN29の「RHIII鍵盤」や「オンキヨー共同開発のサウンド」といった、製品の付加価値をしっかりと理解しているため、状態が良ければ5万円〜6万円台といった、驚くような高額査定が出るケースも珍しくありません。実際に、2023年時点での情報によれば、状態が良く付属品も揃っている個体であれば、63,000円という高価買取事例も報告されています。これは、新品価格(当時約12万円~)の半額以上にあたり、製品の魅力が依然として高いことを示しています。

査定アップのポイント

CN29を少しでも高く買い取ってもらうためには、いくつかのポイントがあります。

  • 付属品を揃える:高低自在椅子、ヘッドホン、電源アダプタ、説明書、ヘッドホンフックなど、購入時に付属していたものは全て揃えておきましょう。
  • 清掃を丁寧に行う:ペダルの変色や鍵盤の汚れは、見た目の印象を大きく左右します。乾いた布で丁寧に拭き、必要であれば鍵盤クリーナーなどを使用しましょう。ただし、内部の分解清掃などは専門知識がないと危険なので、避けるのが無難です。
  • 搬出経路を正確に伝える:エレベーターの有無、玄関の幅、階段の段差など、搬出経路に関する情報を正確に伝えることで、搬出コストの減額を防ぎ、結果的に買取価格に反映されることがあります。

CN29の中古販売相場(購入者向け)

中古市場でCN29を探している購入者にとって、価格帯は非常に重要な情報ですよね。現在、CN29の販売価格は、おおよそ50,000円〜90,000円程度で推移しているようです。この価格帯は、製造された年式や、製品のコンディション、そして販売されている店舗(個人間取引か、専門店か)によって大きく変動します。具体的には、2021年〜2022年製のような比較的高年式の個体で、外観に目立つ傷がなく、付属品も完備されているような状態の良いものは、70,000円〜90,000円前後で取引されることが多いです。一方、2019年〜2020年製など、発売から年数が経過しているものや、多少の使用感や小傷がある個体であれば、50,000円〜70,000円前後で購入できる可能性が高まります。中古で購入を検討されている方にとって、7万円台で状態の良いCN29が見つかれば、それは非常にコストパフォーマンスの高い、掘り出し物と言えるでしょう。特に、「プレミアムライトオーク調(CN29LO)」や「プレミアムホワイトメープル調(CN29A)」といった、インテリアとしても人気の高いカラーは、相場がやや高めになる傾向があるようです。

CN29の評判の真相

インターネットで「CN29 評判 悪い」といったキーワードで検索すると、いくつかのネガティブな意見が見受けられることがあります。しかし、これらの評判を詳しく見ていくと、製品自体の根本的な欠陥というよりも、むしろ、物理的な制約や、ユーザーの期待値とのギャップに起因しているケースがほとんどであることに気づきます。例えば、「届いた箱が巨大で玄関に入らなかった」「重すぎて組み立てが地獄だった」といった声が多数報告されています。CN29の本体重量は43kgですが、梱包状態では50kgを超え、箱のサイズもかなり大きくなります。ネット通販で購入し、玄関先渡し(軒先渡し)を選択した場合、室内への搬入や組み立てを自分自身で行う必要があり、途方に暮れてしまうユーザーがいるのも無理はありません。そのため、CN29を購入する際には、必ず「組立設置サービス」を利用することを強く推奨します。数千円の追加コストで、専門業者の方が設置から梱包材の回収まで行ってくれるため、そのメリットは計り知れません。また、「夜中に弾くとコトコト音が響く」という声も聞かれます。これは、CN29に限らず、ハンマーアクションを持つ全ての電子ピアノの宿命とも言える問題です。対策としては、厚手の防振マットを敷くことで、床への振動伝播を軽減し、階下への音漏れを最小限に抑えることができます。これらの点を理解し、適切な対策を講じることで、CN29の演奏体験は大きく向上するはずです。

CN29と後継機CN201

CN29は2022年9月に生産完了となり、その後継機として「CN201」が登場しました。このモデルチェンジは、単なる機能向上にとどまらず、世界的な半導体不足や物流コストの上昇、そして提携先であったオンキヨーの経営破綻といった、外部環境の変化も色濃く反映されたものでした。CN201への移行における最大のトピックは、新たに「Bluetooth Audio」機能が追加されたことと、それに伴い「オンキヨーロゴ」が消失したことです。CN29がオンキヨーの技術が色濃く反映された最後の世代の一つとして、オーディオファンや音質にこだわる層から現在でも指名買いされるケースがあるのは、こうした「失われた技術への評価」が存在することの証と言えるでしょう。中古でCN29を購入するユーザーの多くは、このオンキヨーサウンドに魅力を感じている、あるいはBluetooth Audio機能が自分には不要だと判断している方々です。CN201では、鍵盤のクッション材が見直され、打鍵音が静かになったとも言われていますが、劇的な変化ではないという声もあります。一方、CN29の音質傾向を好む層も存在するため、どちらが良いかは、個人の好みや重視するポイントによって分かれるところです。正確な情報については、カワイ公式サイトなどで最新情報を確認することをおすすめします。

CN29、次世代への影響

カワイの電子ピアノCN29は、単なる一世代前のモデルとして終わるのではなく、電子ピアノの歴史において「エントリークラスの品質基準を一段階引き上げた」とも言える、エポックメイキングな存在でした。オンキヨーとの協業による音質への徹底的なこだわり、上位機種譲りのレスポンシブ・ハンマー・アクションIII(RHIII)鍵盤、そして有機ELディスプレイによる革新的なユーザビリティは、発売から数年が経過した現在でも色褪せることのない、普遍的な価値を持っています。このCN29の登場があったからこそ、その後の他社製品やカワイ自身の後継機も、より高品質なものを目指すようになったと言っても過言ではありません。それは、まさに「技術の伝承」という側面において、次世代の電子ピアノ開発に多大な影響を与えた証と言えるでしょう。

CN29を選ぶべき人

CN29は、どのような方にとって最適な選択肢となるのでしょうか。まず、ピアノをこれから始める初心者の方、特にお子さんがピアノを習い始めるご家庭には、非常におすすめできます。その理由は、前述したRHIII鍵盤の優れたタッチ感と、有機ELディスプレイによる直感的な操作性にあります。これらの要素は、演奏の楽しさを早期に実感させ、学習意欲を高めることに繋がります。また、趣味としてピアノを再開したいと考えている大人の方々にも、CN29は魅力的な一台となるでしょう。アコースティックピアノに近いタッチ感と、クリアで美しいサウンドは、日々の練習をより豊かなものにしてくれます。さらに、インテリアとしても馴染みやすい洗練されたデザインも、リビングに置くことを考えると大きなメリットです。

中古での購入を検討されている方にとっては、特に「価格以上の演奏体験」を求める方に、CN29は強くおすすめできます。当時、この価格帯でRHIII鍵盤が搭載されていたことは、まさに異例でした。そのため、現在でも中古市場で、この鍵盤のフィーリングを求めてCN29を選ぶ方が多いのです。しかし、中古品であるがゆえに、状態の見極めは非常に重要です。購入を検討されている方は、この記事で解説した「トラブルシューティング」や「中古販売相場」の項目を参考に、信頼できる販売元から、しっかりと状態を確認した上で購入することをおすすめします。正確な情報については、カワイ公式サイトや、信頼できる楽器店の情報を参照し、最終的な判断はご自身の目で確かめることが大切です。

ピア僧

1976年、北海道生まれ。

電子ピアノ選びに迷っていませんか?

Digital Paino Navi運営者のピア憎です。私自身、数々の電子ピアノを弾き比べ、その魅力を追求してきました。この経験と知識を活かし、あなたの最適な一台を見つけるお手伝いをします。

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