電子ピアノ徹底比較!カワイとローランドそれぞれの強みからどっちに?

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電子ピアノ カワイ ローランド どっち」と検索し、どちらの電子ピアノを選ぶべきか迷っている方へ。このガイドでは、国内を代表する電子ピアノメーカーであるカワイローランドの製品について、それぞれの強みを徹底比較し、あなたに最適な一台を見つけるお手伝いをします。

カワイは生ピアノに近い鍵盤のタッチ感と音色に定評があり、特にアコースティックピアノの演奏経験がある方に人気です。一方、ローランドは先進的な電子技術による多彩な機能と音源の再現性が際立ち、デジタルならではの利便性を重視する方におすすめです。鍵盤のフィーリング、音色、機能性、そして価格帯など、多角的な視点から両メーカーの電子ピアノを詳しく解説しますので、ぜひ購入検討の参考にしてください。

この記事のポイント
  • 各メーカーの得意分野: カワイはアコースティックピアノの伝統に基づいた鍵盤のタッチと音色に、ローランドは電子楽器専門メーカーとしての多機能性と音源の再現性に強みがある
  • 鍵盤の感触と構造: カワイは木製鍵盤やシーソー式構造による生ピアノに近い打鍵感を重視し、ローランドはハイブリッド鍵盤やエスケープメント機能で多様なタッチ感と細かな調整を可能にする
  • 音質とデジタル機能: ローランドは世界的なグランドピアノの音源サンプリングや豊富な音色、Bluetooth連携などのデジタル機能に優れ、カワイは深みのある低音とキラキラした高音が特徴的な音色を提供する
  • 選定のポイントと推奨: 総合的にはローランドが機能面で優位とされるが、最終的には予算、デザイン、試弾による個人の好みや演奏スタイルで最適な一台を選ぶことが重要である

電子ピアノ比較:カワイとローランドの選び方

インデックス
  • ピアノ選びの重要ポイントとは
  • 鍵盤タッチの好みと材質の違い
  • 音質の違いとメーカーの個性
  • 予算に応じた価格帯の比較
  • 便利機能とBluetoothの活用
  • 部屋に馴染むデザインを重視

ピアノ選びの重要ポイントとは

電子ピアノを選ぶ際、まず何を基準にすれば良いのか、迷う人は少なくない。多くの人にとって、電子ピアノは手軽にピアノ演奏を始めるための素晴らしい選択肢となるだろう。これは、音量調整が可能でヘッドホンを使えば周囲に気兼ねなく練習できるためだ。また、調律が不要なので維持費が電気代のみで済む利点もある。コンパクトで軽量なモデルも多く、設置場所に融通が利く点も魅力の一つだ。

しかし、ピアノを選ぶ上では、漠然と「ピアノが欲しい」という気持ちだけでは不十分だ。何を最も重視するのか、つまり、使用目的を明確にすることが肝心だ。例えば、これからピアノを習い始める子ども用なのか、あるいは大人の趣味として楽しみたいのかによって、適した電子ピアノは大きく異なる。本格的なレッスンを想定している場合、アコースティックピアノに近いタッチ感や表現力が求められる。一方で、気軽に演奏を楽しみたいのであれば、持ち運びやすさや多機能性が重視される場合もあるだろう。

次に、具体的なスペックを検討する。鍵盤のタッチ感、音質、スピーカーの数、同時発音数、搭載されている機能など、多角的に比較検討すると良い。価格帯だけで判断すると、思わぬ後悔に繋がる可能性もあるため、たとえ安価なモデルであっても、自身の希望条件をクリアしているかを確認することが不可欠だ。初めて電子ピアノを購入する人にとって、これらの要素を理解することは、自分に最適な一台を見つけるための第一歩となるだろう。最終的には、実際に楽器店へ足を運び、試弾して自分の感覚に合うものを選ぶことが、長く愛用できるピアノと出会うための最も確実な方法となる。店員の説明を聞くだけでなく、実際に鍵盤に触れ、音色を耳で確かめる体験は非常に重要だ。

鍵盤タッチの好みと材質の違い

電子ピアノを選ぶ上で、鍵盤のタッチ感は演奏の質に直結する非常に重要な要素である。まるで本物のピアノを弾いているかのような感触を求める人もいれば、軽めのタッチで気軽に楽しみたい人もいるだろう。鍵盤のタッチ感は、主にその材質や構造によって決まる。

一般的に、電子ピアノの鍵盤は樹脂製が多い。樹脂製鍵盤は比較的軽く、安価なモデルに採用される傾向にある。しかし、近年では電子ピアノでも木材を使った鍵盤が登場しているのは注目すべき点だ。木製鍵盤は、アコースティックピアノに近い重厚な弾き心地を提供し、より本格的な演奏表現を可能にする。中には、樹脂と木材を組み合わせた「ハイブリッド鍵盤」を採用しているモデルもあり、木材の質感と樹脂の耐久性を両立させている。

カワイの電子ピアノは、鍵盤への強いこだわりで知られる。例えば、カワイの多くのモデルでは白鍵だけでなく黒鍵も木製鍵盤を採用する独自技術がある。これにより、より本物のピアノに近い自然な打鍵感を実現しているのだ。CN201のように樹脂製であっても、しっかりとした重さを感じさせる鍵盤は、ピアノを弾く感覚に近いという評価もある。一方でローランドの電子ピアノは、PHA-4スタンダード鍵盤やPHA-50鍵盤といったハイブリッド鍵盤を搭載するモデルが多い。これらの鍵盤は重さがあるものの、鍵盤の戻りが早いため、素早いパッセージでも鍵盤がしっかりと追従するという特徴がある。ただし、打鍵感はカワイの方がより生ピアノに近いという評価が散見されることも覚えておくと良い

鍵盤の重さや、打鍵後の鍵盤の戻りの速さ、そして指に吸い付くような触り心地は、実際に試弾することで初めて明確に体感できる。また、メーカーによっては鍵盤のタッチ感を細かく調整できる機能を持つモデルもある。ローランドの多くのモデルでは100段階もの細かなタッチ感調整が可能であり、弾き手一人ひとりの好みに合わせた設定ができるため、よりパーソナルな演奏体験を追求できるだろう。

音質の違いとメーカーの個性

電子ピアノの音質は、メーカーごとの個性や技術が色濃く反映される部分である。この音質は、主に採用されている音源方式やスピーカーの数によって大きく左右される。

多くの電子ピアノでは、アコースティックピアノの音を録音した「PCM音源」が使われる。これは、88鍵分の音だけでなく、音の強弱や弦の減衰過程までデジタルで録音することで、自然な音を再現する技術だ。最高級のグランドピアノの音源をサンプリングしているモデルも存在し、その音色の再現度は日々進化している。一方で、「物理モデル音源(DSP音源)」と呼ばれる方式もある。これは、演算処理によって仮想的にアコースティックピアノの音色を再現するもので、より自然な音の鳴り方全体を作り出すことに長けている。

カワイの電子ピアノは、カワイグランドピアノ特有の「深みのある低音」と「キラキラとした高音」が特徴として挙げられる。例えば、CN201には、数々の国際ピアノコンクールで評価されるフルコンサートピアノ「SK-EX」の音源が搭載されており、その豊かな響きと繊細な表現力は多くのユーザーから支持されている。全体的に落ち着いた、きれいな印象の音色だ。

一方、ローランドは電子楽器専門メーカーとして、音源技術に特に力を入れている。「スーパーナチュラル・ピアノ音源」は、音の厚みと豊かな響きが特徴で、伸びやかな音で表現力に定評がある。また、スタインウェイやベーゼンドルファーといった世界三大ピアノメーカーのグランドピアノの音を参考にしている点も特徴の一つだ。高音がキンキンせず、耳が疲れにくい音質なので、長時間の練習にも適しているだろう。ローランドは物理モデル音源の技術を駆使し、鍵盤を弾いた際のハンマーの動きや弦の振動、響板の響きといった、生ピアノの音の生成過程をデジタルでシミュレートすることで、よりリアルな響きを実現している。

スピーカーの数も音質に大きく影響する。スピーカーが多いモデルほど、音に立体感が生まれ、より臨場感のある演奏を楽しむことができる。最終的に、どのメーカーの音が「良い」と感じるかは、個人の好みによるところが大きいため、実際に楽器店で様々な電子ピアノを弾き比べ、自身の耳で音質の違いを確かめることを強く勧める

予算に応じた価格帯の比較

電子ピアノを選ぶ際、予算は多くの人が考慮する重要な要素の一つである。価格帯によって電子ピアノの性能や機能は大きく異なるため、自身のニーズと予算を照らし合わせながら検討を進めることが肝心だ。

まず、5万円から10万円台の電子ピアノは、入門モデルやエントリーモデルとして位置づけられることが多い。この価格帯の製品には、卓上タイプや、スタンドと一体になった据え置き型が含まれる。音源や鍵盤のタッチ感は上位モデルに比べると控えめな傾向にあるが、気軽にピアノを始めたい方や、コンパクトさを重視する方には適しているだろう。カシオのPX-770やコルグのB2N、ローランドのFP-10などがこの価格帯に該当する。ローランドのRP701やカワイのCN201も10万円台のエントリーモデルとして人気があり、それぞれ特徴を持つ。

15万円から20万円台になると、よりピアノらしい表現が可能なモデルが増えてくる。この価格帯では、一部のモデルで木製鍵盤が採用され始めたり、音源の種類が増えたりすることで、弾き心地や音質の向上が期待できる。ヤマハのクラビノーバシリーズやローランドのHPシリーズなど、各メーカーの主力ブランドの入門クラスがこのゾーンに該当する。レッスンに通う子ども用や、最低限のピアノらしい表現力を求める大人の方に、この価格帯が特におすすめされる

20万円以上、特に25万円以上の高価格帯になると、電子ピアノは格段に性能を高める。スピーカーの数が4~8つに増え、音に深みと立体感が生まれる。鍵盤は基本的に木製鍵盤となり、アコースティックピアノに近いリアルなタッチ感を実現する。これにより、レッスンで求められる音色変化や強弱表現を自宅でも十分に練習できる。ローランドのLXシリーズやカワイのCAシリーズの上位モデルがこれに該当し、本格的な演奏を追求したい人に最適な選択肢となるだろう

現代の電子ピアノは、ただピアノの音を出すだけでなく、多様な便利機能を搭載している。これらの機能は、演奏者の練習を効果的にサポートし、音楽体験をより豊かにする。

その中でも特に注目すべき機能の一つが「Bluetooth接続機能」だ。多くの電子ピアノに搭載され、スマートフォンやタブレットと無線で接続できる。これにより、お気に入りの曲やオンラインのレッスン動画などを電子ピアノ本体のスピーカーから再生し、それに合わせて演奏を楽しむことができる。ローランドのRP701は、このBluetoothオーディオ機能が好評であり、同社の無料アプリ「Roland Piano App」と連携すれば、音あてゲームや内蔵曲の譜面表示、自動記録機能などを活用して、楽しみながら効果的にスキルアップできる

他にも、練習に役立つ機能は多岐にわたる。例えば、メトロノーム機能は正確なテンポ感を養うのに役立つ。また、自分の演奏を録音できる機能は、客観的に演奏を振り返り、改善点を見つける上で非常に有効だ。様々な楽器の音色(オルガン、ストリングス、ハープシコードなど)を切り替えて演奏できる機能も、表現の幅を広げ、飽きずに練習を続けるきっかけとなる。

そして、電子ピアノ最大のメリットとも言えるのが「ヘッドホンでの練習が可能」という点だ。これにより、時間帯や周囲の環境を気にすることなく、早朝や深夜でも集中して練習に打ち込める。特に集合住宅に住む人にとっては、騒音トラブルを避ける上で不可欠な機能と言えるだろう。アンプ出力の大きいモデルであれば、ヘッドホン使用時でも音質や表現の幅が損なわれにくい。このように、電子ピアノはデジタル技術を駆使して、演奏者の多様なニーズに応える機能を備えている。

部屋に馴染むデザインを重視

電子ピアノを選ぶ際、機能性や演奏性はもちろん重要だが、意外と見過ごされがちなのが「デザイン」だ。電子ピアノは一度部屋に設置すると、かなりの存在感を放つ家具の一部となる。そのため、部屋の雰囲気にマッチしたデザインを選ぶことは、日々の暮らしに音楽を溶け込ませる上で非常に大切だ。

もし、見た目が気に入らないピアノを選んでしまうと、部屋に置かれた時に違和感を感じ、結果的に演奏意欲が低下してしまう可能性も考えられる。逆に、見た目が「好き」と感じるピアノであれば、ふとした瞬間に弾きたくなり、自然と楽器に触れる時間が増え、上達にも繋がるという意見もある。まるで長く付き合うパートナーを選ぶように、愛着の持てる一台を見つけることが、豊かな音楽生活を送る上で不可欠である。

ローランドの電子ピアノは、そのデザイン性の高さに定評がある。同社は、デザイン賞を多数受賞したモデルと共通のデザインを採用しており、モダンでスタイリッシュな印象を与える製品が多い。ダークローズウッド調、ライトオーク調、ホワイトといった豊富なカラーバリエーションも魅力で、様々な部屋のインテリアに自然に溶け込むだろう。ライトオーク調仕上げは、木目のオークにトレンドのグレージュを組み合わせたもので、フローリングの部屋に置くと一層美しさが際立つとされている。

一方、カワイの電子ピアノも、シンプルながら高級感が漂うデザインが特徴だ。木目調の色合いが部屋に馴染むというユーザーの声も存在する。コンパクトでスリムなモデルを選べば、スペースが限られた部屋でも圧迫感なく設置できるため、デザインだけでなくサイズ感も重要になる購入前に、設置予定の場所を考慮し、自宅のインテリアとの調和を具体的にイメージしてみると良いだろう

カワイとローランド:電子ピアノの特性比較

インデックス
  • カワイの鍵盤と響きの特徴
  • ローランドの音源と多機能性
  • コストパフォーマンスの優位性
  • 実際に弾いて確かめる音色の好み
  • 長く使うための耐久性評価
  • 購入前に考えるべき注意点
  • 電子ピアノ:カワイとローランド、あなたに合うのはどっち

カワイの鍵盤と響きの特徴

カワイは、ヤマハと並ぶ国内大手ピアノメーカーであり、長年にわたり培ってきたアコースティックピアノ製造の技術を電子ピアノにも惜しみなく投入している。このため、カワイの電子ピアノは、特に「鍵盤」と「音の響き」において、そのメーカーとしてのこだわりが強く感じられる。

まず鍵盤については、カワイの電子ピアノの大きな特徴として、白鍵だけでなく黒鍵も木製鍵盤を採用しているモデルが多い点が挙げられる。他の多くのメーカーが白鍵のみを木製とする中で、この技術はカワイの鍵盤への強いこだわりを示している。これにより、より均一で、本物のピアノに近い重厚感のある打鍵感とタッチの質感を再現しているのだ。例えば、CAシリーズのモデルには、グランドピアノと同じ「シーソー式木製鍵盤グランド・フィール・アクション」が搭載されており、グランドピアノと遜色のない弾き応えを目指している。

音の響きに関しては、カワイの電子ピアノは、同社が世界に誇るフルコンサートグランドピアノ「SK-EX」の音源を搭載しているモデルが多数存在する。SK-EXはショパン国際コンクールをはじめとする数々の国際ピアノコンクールで活躍するモデルであり、その音色は世界中のピアニストから高く評価されている。カワイの音色は、「深みのある低音とキラキラとした高音」が特徴であり、繊細で柔らかなピアニシモから壮大なフォルテシモまで、幅広いダイナミックレンジで表現豊かに演奏できる。これは「カワイトーン」とも呼ばれ、暖かみのある柔らかい音色を求める人に特に好まれる傾向にある。さらに、独自の静音構造により、鍵盤を叩く際のカタカタ音を抑制し、ヘッドホン使用時でも周囲を気にせず集中して練習できる点も、カワイの大きな魅力である。

ローランドの音源と多機能性

ローランドは、1972年に創業された電子楽器専門メーカーであり、日本で初めて電子ピアノを開発したパイオニア的存在として知られている。その歴史の中で培われた技術は、特に「音源」と「多機能性」において、ローランドの電子ピアノの大きな強みとなっている。

ローランドの電子ピアノは、「スーパーナチュラル・ピアノ音源」という独自の音源技術を搭載している点が特徴だ。この音源は、音の厚みと豊かな響きに定評があり、伸びやかで表現力豊かな音色を生み出す。さらに、鍵盤を弾いた際のハンマーが弦を叩く動き、弦の振動、そして響板に音が伝わる一連のプロセスをデジタルで緻密にシミュレートすることで、よりリアルな音の生成と響きを実現している。高音が耳にキンキン響かず、長時間の練習でも疲れにくいバランスの取れた音質が好評を得ている。

多機能性もローランドの電子ピアノの大きな魅力だ。Bluetooth接続機能は多くのモデルに標準搭載されており、スマートフォンやタブレットとの無線連携を可能にする。これにより、お気に入りの音楽をピアノのスピーカーから再生しながら演奏したり、オンラインレッスンに活用したりと、練習の幅が大きく広がる。また、同社が提供する無料アプリ「Roland Piano App」を活用すれば、音あてゲームや譜面表示、演奏の自動記録といったコンテンツを通じて、楽しく効果的にスキルアップできる。内蔵曲数も300曲以上と豊富で、クラシックの名曲から子どもに人気の曲まで幅広く収録されており、日々の練習を飽きさせない工夫が凝らされている。操作パネルは日本語表示に対応し、アイコン表示のボタンも配置されているため、電子ピアノに馴染みのない初心者や子どもでも直感的に操作しやすいように配慮されている。

コストパフォーマンスの優位性

電子ピアノを選ぶ際、価格と性能のバランス、つまりコストパフォーマンスは多くの人が重視するポイントである。カワイとローランドの電子ピアノは、それぞれ異なるアプローチで優れたコストパフォーマンスを提供している。

ローランドの電子ピアノは、全体的にコストパフォーマンスが高いという評価をしばしば受ける。特に10万円前後の価格帯のエントリーモデルにおいて、その優位性が顕著である。例えば、ローランドのRP701は、この価格帯でありながら、グランドピアノ特有の繊細なタッチ感を再現する「エスケープメント機能」を搭載し、さらに最大同時発音数が256音以上という高性能を誇る。これらの機能は、より高価格帯のモデルに搭載されることが多い中で、手頃な価格で提供されている点は大きな魅力だ。また、低価格帯(3万円台から)のポータブルタイプであっても、88鍵盤のモデルを提供しており、費用を抑えたい層にとって選択肢が豊富である。

一方、カワイの電子ピアノもコストパフォーマンスに優れている。特に高価格帯のモデルでは、木製鍵盤を採用した製品が多く、これによりタッチ感が向上し、より本格的な演奏体験を得られる。カワイは、アコースティックピアノメーカーとしてのノウハウを活かし、演奏性にこだわった製品を比較的リーズナブルな価格で提供している印象だ。しかし、機能性という観点から見ると、Bluetooth接続機能の充実度などにおいてローランドが若干優位に立つとされる場合もある

いずれにしても、電子ピアノはアコースティックピアノと比較して、初期費用が大幅に抑えられるだけでなく、調律が不要であるため年間にかかる維持費も電気代のみで済む。したがって、予算を抑えつつも、音量調整、ヘッドホン使用、多様な音色、録音機能といった電子ピアノならではの利点を享受したい初心者や趣味で楽しむ人にとって、両メーカーの電子ピアノは申し分ない選択肢となるだろう

実際に弾いて確かめる音色の好み

電子ピアノを選ぶ際、スペック表やカタログ情報だけでは判断しきれない、非常に重要な要素がある。それは、鍵盤のタッチ感と、そして何よりも「音色の好み」だ。音楽は感覚的なものであり、音の感じ方や鍵盤の重さは人それぞれで異なるため、実際に自分で触れて、耳で聞いて、心に響く一台を選ぶことが、長く愛用するための最善の方法だ。

多くの楽器店では、複数のメーカーやモデルの電子ピアノを試弾できる環境が整っている。島村楽器のような店舗では、ピアノインストラクターが常駐しており、実際にピアノを弾く人の視点から、音色やタッチ感の違いについて詳細な解説やアドバイスを受けることが可能だ。例えば、カワイのCN201は、鍵盤にしっかりとした重さを感じ、ピアノに近い印象を与えると評価される。一方で、ローランドのRP701やF701は、鍵盤に重さがあるものの、鍵盤の戻りが早いため、速い曲でも鍵盤が追従しやすいという特性がある。カシオのPX-2000GPは、鍵盤が比較的軽い印象だ。これらの繊細な違いは、実際に自分で弾いてみなければ明確に体感することは難しいだろう。

音色についても同様だ。ヤマハの電子ピアノは明るく明瞭な音色が特徴で、カワイは少し落ち着きのある綺麗な音色、ローランドはすっきりと綺麗な音色と評される。これらの表現はあくまで一般的な傾向であり、どの音が「良い」と感じるかは個人の感性による。そのため、店内で様々な曲を弾いてみて、自分が「良い音だな」と感じる音色を持つ電子ピアノを選ぶことが、日々の練習へのモチベーション維持に繋がる

また、電子ピアノの大きな利点の一つであるヘッドホンを使った練習を考慮するなら、購入前にヘッドホンを装着して試弾し、その音質や響きを確認することも非常に重要だ。ヘッドホン越しに聞こえる音の臨場感や、アンプ出力による音の表現幅も、実際に体験することで初めて理解できるだろう。遠方に住んでいて店舗へ足を運ぶのが難しい場合は、電話での相談やオンラインでの商品説明に対応している店舗もあるため、それらも活用してみるのが良いだろう。

長く使うための耐久性評価

電子ピアノは精密な電子部品を多く使用しているため、一般的な平均寿命は10年から15年と言われている。しかし、この寿命は使用頻度や設置環境、そして日々の手入れによって大きく変わるものだ。長く電子ピアノを愛用したいと考えるなら、購入時から耐久性への配慮が不可欠となる。

高品質なメーカーの電子ピアノは、耐久性に優れる傾向にある。これは、厳格な耐久試験をクリアした高品質な部材を使用しているためだ。例えば、カワイの電子ピアノについては「壊れやすい」という根拠のない噂が流れることがあるが、これは事実と異なる。実際には、8年間使用しても一切不具合がなかったというユーザーの報告もあり、カワイの製品は非常に丈夫で質の高いものと評価されている。ローランドもまた耐久性が高いという印象を持たれており、長期間にわたり愛用されているケースも少なくない。ローランドの一部の高級モデル(LXシリーズやGPシリーズ)では、メーカー保証期間が10年と延長されており、これは製品品質への自信の表れとも言える。

電子ピアノを長く使うための秘訣は、適切な環境整備とこまめなメンテナンスにある。まず、設置場所は湿気が多い場所や直射日光が当たる場所を避け、風通しの良い場所を選ぶべきだ。これは、電子部品の錆びや本体の変色、劣化を防ぐためである。そして、最も重要となるのが、日々の丁寧な清掃とメンテナンスだ。鍵盤表面に付着したホコリや汚れは柔らかい布で優しく拭き取り、シンナーやベンジンといった溶剤の使用は避ける。ホコリ除けカバーをかけることも有効であり、ピアノの上に物を置かないようにすることも故障防止に繋がる。

もし電子ピアノに異変を感じたら、無理に自分で修理しようとせず、早めにメーカーや購入した販売店に相談することが極めて重要だ。電子ピアノの内部構造は複雑であり、素人判断での修理は症状の悪化や感電などの危険を伴うため、決して行うべきではない。古い機種の場合、修理に必要な部品の入手が困難になる可能性もあるため、不具合は早期に発見し対処することが望ましい。

購入前に考えるべき注意点

電子ピアノは一度購入すると、簡単に買い替えられるものではないため、後悔しない選択をするためには、事前にいくつかの注意点をよく考えておく必要がある。安易な選び方は、結果的に演奏意欲の減退や、上達の妨げになることも考えられる。

まず、鍵盤が軽すぎる電子ピアノには注意が必要だ。電子ピアノの中には、キーボードのように鍵盤のタッチが非常に軽いモデルも存在する。もし、本格的にピアノを弾く予定がある場合、このような軽い鍵盤に慣れてしまうと、グランドピアノのような重い鍵盤を弾く際に違和感が生じたり、指や腕、体全体を使った正しい演奏法が身につかなかったりする可能性がある。特に、これから指の力を養う子どもが使う場合、この鍵盤の重さの違いが原因でピアノを嫌いになってしまうケースすらある。最低限、ピアノらしい重さや反発力のある鍵盤を選ぶようにしよう。

次に、鍵盤数が少ないモデルも注意が必要だ。グランドピアノの鍵盤数は標準で88鍵だが、電子ピアノの中には61鍵や76鍵といった、鍵盤数が少ないコンパクトなモデルもある。これらは手軽に導入できる点で魅力的だが、クラシック音楽など、特定の曲を演奏する際に鍵盤が足りなくなり、全ての音を再現できないといった問題が生じる可能性がある。将来的に様々な楽曲を演奏することを考えるなら、88鍵盤のモデルを選ぶのが賢明だ。

また、購入後の悩みとして挙がりやすいのが「打鍵音の大きさ」だ。電子ピアノはヘッドホンを装着すれば音量を気にせず練習できるのが大きなメリットだが、鍵盤を叩く打鍵音はヘッドホンをしていても発生する。集合住宅などに住んでいる場合、この打鍵音が近隣住民への騒音となる可能性もあるため、購入前に打鍵音の程度を確認するか、防音マットの併用を検討すると良いだろう。

さらに、ヘッドホン端子の有無も確認すべきポイントだ。ヘッドホン端子がない電子ピアノは、全ての音がスピーカーから出力されるため、夜間などに周囲を気にせず練習したいというニーズに応えられない。

最後に、部屋のデザインとの調和も忘れてはならない。電子ピアノは部屋に設置するとかなりの存在感を持つため、部屋の雰囲気に合わないデザインや色合いを選ぶと、居心地の悪さを感じ、演奏意欲の減退にも繋がる可能性がある。家具を選ぶような感覚で、自宅のインテリアにマッチするデザインやカラーを選ぶことが大切だ。

電子ピアノ:カワイとローランド、あなたに合うのはどっち

  • ローランドは電子楽器専門メーカーであり、電子ピアノの製造経験が豊富である
  • カワイはアコースティックピアノ製造の伝統を持ち、鍵盤技術に強みがある
  • 総合的な性能と価格を考慮すると、ローランドの電子ピアノが推奨されることが多い
  • カワイの電子ピアノは、特に鍵盤のタッチ感や打鍵感が生ピアノにより近いと評価されている
  • ローランドの多くのモデルは、10万円台からグランドピアノのような弾き心地を再現するエスケープメント機能を搭載している
  • カワイの一部機種では、白鍵だけでなく黒鍵も木製鍵盤を採用している
  • ローランドの電子ピアノは、最大同時発音数が256以上または無制限のモデルが多い
  • ローランドは低価格帯のモデルからBluetooth接続機能を備えているため、スマートデバイスとの連携が容易である
  • カワイの電子ピアノの音色は、深みのある低音とキラキラとした高音が特徴である
  • ローランドの音源は、スタインウェイやベーゼンドルファーなど世界の主要なグランドピアノの音を元に作られている
  • カワイは、グランドピアノと同じシーソー式の鍵盤構造を採用しているモデルがある
  • ローランドの電子ピアノは、インテリアになじむスタイリッシュなデザインで、デザイン賞の受賞歴も多数ある
  • カワイの電子ピアノは、ユーザーから8年以上使用しても故障がほとんどないという高い耐久性の評価を受けている
  • ローランドの鍵盤は樹脂と木材を組み合わせたハイブリッド構造を持つモデルがあり、タッチ感の調整が100段階と細かく可能である
  • 電子ピアノを選ぶ際は、実際に楽器店で試弾し、見た目や指に触れる感触、鍵盤の重さを自身で確認することが重要である
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