ヤマハ電子ピアノYDP-S55とYDP-S35違い、どっちが良い?

YAMAHA-YDP-S55 YAMAHA

ヤマハ電子ピアノYDP-S55とYDP-S35の違いについてお探しですか?ヤマハのARIUSシリーズは、これからピアノを始める方や趣味で楽しむ方に人気の据え置き型電子ピアノです。特にスリムなデザインが特徴のYDP-S55とYDP-S35は、限られた設置スペースにも馴染みやすいと評判ですが、機能面には重要な違いがあります。この記事では、両モデルを比較検討している方に向けて、それぞれの特徴を深掘りし、特に重要な鍵盤のタッチ感アンプ出力を中心に、その違いが演奏体験や音質にどう影響するかを詳しく解説します。あなたのニーズに合った最適な一台を見つけるための「ydp-s55 ydp-s35 違い」を徹底的にご紹介します。

この記事のポイント
  • 両モデルに搭載されている鍵盤の種類(GH3鍵盤とGHS鍵盤)とその性能差
  • アンプ出力の違いが音の迫力やクリアさにどう影響するか
  • 本体の奥行きや質量など設置に関わるサイズの違い
  • 各モデルの価格帯と、それが鍵盤やアンプ出力のグレードアップにどう関連するか

YDP-S55とS35の主な違い

インデックス
  • 鍵盤の性能と表現力
  • 音の響きとアンプ出力
  • 本体サイズと重量の比較
  • 両機種に共通の機能
  • 価格とコストの違い

鍵盤の性能と表現力

YAMAHA-YDP-S55

ヤマハの電子ピアノYDP-S55とYDP-S35は、どちらも88鍵盤の電子ピアノですが、鍵盤の仕様とそれによる演奏表現力には明確な違いがあります。YDP-S55には「グレードハンマー3(GH3)鍵盤」が採用されています。このGH3鍵盤は、第3のセンサーであるダンパーセンサーを鍵盤ごとに搭載しているため、音切れすることなく高速で同じ音を連続して弾くことが可能です。クラシック音楽で多用されるトリルや装飾音符など、高い演奏性が求められる場面でも、グランドピアノに近い豊かな表現力を実現します。実際に試奏したユーザーからは、GH3鍵盤は適度な重さで爽快感があり、非常に弾きやすいという評価が寄せられています。特に連打のしやすさにおいて優位性があります。

一方、YDP-S35に搭載されているのは「グレードハンマースタンダード(GHS)鍵盤」です。GHS鍵盤も低音域では重く、高音域では軽くなるよう、音域に応じたタッチ感の違いを再現している点は共通しています。しかし、GH3鍵盤と比較するとセンサーの数が少ないため、高速での同音連打においてはやや苦手な傾向があります。GHS鍵盤は鍵盤自体が比較的軽く、左右方向の安定感にやや不足を感じる場合があり、表面加工もツルツルとして滑りやすい印象があります。しかし、これはキーボードタイプのピアノと比較すれば十分優れた演奏感と言えるでしょう。

両機種ともに、ハーフペダルに対応したダンパーペダルが搭載されており、ペダルの踏み加減によって音の伸び具合を繊細に調整できます。加えて、「バーチャル・レゾナンス・モデリング ライト(VRM Lite)」というヤマハ独自の技術も共通して採用されています。これは、グランドピアノの楽器全体が振動することで生まれる豊かな共鳴音を再現する画期的な技術であり、鍵盤を押さえるタイミングやペダルを踏む深さ、強弱によって、多種多様な響きを表現することが可能です。ただし、VRM Liteの効果はピアノ音色にのみ適用されます。演奏する曲のジャンルや、求める表現の繊細さによって、どちらの鍵盤が適しているかを検討することが重要です。

音の響きとアンプ出力

ヤマハの電子ピアノYDP-S55とYDP-S35は、音の響きを左右するアンプ出力にも明確な違いがあります。YDP-S55は20W×2のアンプ出力を備えているのに対し、YDP-S35は8W×2のアンプ出力となっています。アンプ出力が大きいYDP-S55の方が、強く鍵盤を弾いた際に音に一層の迫力が出たり、特に低音域の複雑な和音を弾いた時でも音がクリアに響くという利点があります。これは、演奏者のタッチをより適切に、そして忠実に音として再現できることを意味します。両モデルともに12cmのスピーカーが2つ搭載されています。

音源に関しては、両機種ともにヤマハ最高峰のコンサートグランドピアノ「CFX」の音色をサンプリングしています。CFXはきらびやかな高音と力強い低音の響きが特徴で、熟練の調律師が最良の状態に調整したものをサンプリングすることで、その豊かな表現力を電子ピアノで再現しています。アリウスシリーズ全体のCFXサンプリング音源は改良され、よりピアノらしい表現力を実現しています。最大同時発音数は両機種ともに192音で、豊かな響きを途切れることなく再現できます。

内蔵音色は、グランドピアノはもちろんのこと、エレクトリックピアノ、パイプオルガン、ビブラフォン、ストリングスなど、全10種類が用意されており、多様なジャンルの演奏に対応可能です。また、リバーブ(残響)の種類は4種類から選択でき、演奏空間の雰囲気を変えることができます。さらに、ヘッドホンを使用する際の快適性にも配慮されており、「ステレオフォニックオプティマイザー」機能が搭載されています。この機能は、ヘッドホンをつけて演奏する際に、まるでアコースティックピアノの前に座っているかのような音の広がりを再現し、長時間演奏しても耳に優しい自然なサウンドを実現します。この機能は特に集合住宅での練習など、音量が気になる環境で役立つでしょう。

本体サイズと重量の比較

ヤマハの電子ピアノYDP-S55とYDP-S35は、いずれも「スリムシリーズ」に属しており、そのスタイリッシュでコンパクトなデザインが大きな特徴です。このシリーズは、限られたスペースにもすっきりと設置できるように設計されており、モダンなリビングや子供部屋にも自然に溶け込むインテリアとしての魅力も持ち合わせています。

具体的な寸法を比較すると、幅は両機種とも1353mmで共通していますが、奥行きにわずかな違いがあります。YDP-S55の奥行きは309mm(鍵盤蓋オープン時317mm)、YDP-S35は296mm(鍵盤蓋オープン時309mm)です。また、転倒防止金具を装着した際の奥行きは、YDP-S55が382mm、YDP-S35が366mmとなります。この転倒防止金具の存在により、本体を壁に完全に密着させて設置することはできません。約50mm程度のスペースを考慮する必要があります。高さは両機種とも792mm(鍵盤蓋オープン時968mm)です。

重量については、YDP-S55が40.0kg、YDP-S35が37.0kgと、YDP-S35の方がやや軽量です。スリムシリーズは、鍵盤蓋を閉じるとフラットな箱型になるデザインを採用しており、使用しない時には見た目もすっきりとしています。カラーバリエーションに関して、YDP-S35はブラックウッド調、ホワイトアッシュ調、ホワイトウッド調の3色展開です。一方、YDP-S55はブラックウッド調とホワイトウッド調の2色展開となっています。いずれのカラーも艶のない木目調で、高級ピアノというよりは、部屋に馴染むインテリアのような質感を追求しています。設置の際には、アジャスターを回して床にぴったりと固定することで、安定性を確保し、ペダルを踏んだ際のぐらつきを防ぐことができます。組み立ては一人で行うと腰を痛める可能性もあるため、必ず二人以上で協力して行うことが推奨されています。

両機種に共通の機能

YAMAHA-YDP-S55

YDP-S55とYDP-S35は、基本的な演奏性能に加え、練習をサポートし、日々の音楽生活を豊かにする多くの共通機能を備えています。まず、無料アプリ「スマートピアニスト」への対応が挙げられます。このアプリをスマートフォンやタブレットにダウンロードし、有線で楽器と接続することで(無線接続には対応していません)、音色選択やメトロノーム機能の操作、さらには内蔵曲の楽譜表示など、直感的に多様な機能をコントロールできます。

内蔵曲も非常に豊富で、クラシック名曲50曲に加え、ピアノ教則本として定番のバイエル、ブルグミュラー、チェルニー、ハノンなどのレッスン曲が303曲も収録されています。これにより、自主練習を効率的に進めることが可能となります。また、演奏を記録するための録音再生機能も共通して搭載されています。自分の演奏を録音して後から聴き返すことで、客観的に課題点を見つけ、上達につなげることができます。録音は右手と左手のパートを別々に録音したり、複数の音色を重ねて一つの曲を完成させたりすることも可能です。録音できる曲数は1曲、トラック数は2つで、YDP-S55は150KB、YDP-S35は100KBのデータ容量を持っています。

さらに、YDP-S55とYDP-S35には、二人での演奏や練習に便利な「デュオ機能」が備わっています。これは鍵盤を左右に二分割し、同じ音域で二人が同時に演奏できる機能で、先生と生徒が並んで練習する際にも有効です。一台の楽器で複数人が同時に楽しめる点が魅力です。また、「デュアル機能」を使えば、二つの音色を重ねて鳴らすことができ、より厚みのあるサウンドを生み出すことができます。ただし、同じ音色を重ねて設定することはできません。その他、最大音量を制限して聴覚を保護したり、深夜の演奏時に周囲に配慮したりできる「音量制限機能」、正確なテンポで練習を助ける「メトロノーム機能」、曲のキーを変更できる「トランスポーズ機能」、そして音の高さを微調整する「チューニング機能」など、練習から表現まで幅広くサポートする機能が充実しています。

価格とコストの違い

ヤマハの電子ピアノYDP-S55とYDP-S35は、価格帯においても明確な違いがあります。これらはともにオープン価格で販売されていますが、市場相場価格を見ると、YDP-S55は約119,900円、YDP-S35は約96,800円となっています(いずれも2022年5月発売時点の情報です)。この価格差は、主に両機種の鍵盤のグレードとアンプ出力の差に起因しています。YDP-S55が「グレードハンマー3(GH3)鍵盤」と「20W×2」のアンプ出力を備えているのに対し、YDP-S35は「グレードハンマースタンダード(GHS)鍵盤」と「8W×2」のアンプ出力です。

一見するとYDP-S35の方が安価に思えますが、注意すべき点があります。スリムシリーズに属するYDP-S55とYDP-S35は、本体のみの販売が基本であり、高低自在イスやヘッドホンは付属していません。一方、ヤマハのアリウスシリーズには、より一般的な据え置き型のスタンダードモデル(YDP-145やYDP-165など)もあり、これらの機種には椅子やヘッドホンが標準で付属している場合があります。このため、YDP-S35やYDP-S55を購入する際には、別途イスやヘッドホンを購入する必要が生じ、結果として総費用がスタンダードシリーズよりも高くなる可能性があります。

例えば、YDP-S35とYDP-S55の価格差は約2万円から3万円程度ですが、付属しないアクセサリーの費用を考慮に入れると、この価格差はさらに広がることが予想されます。特に、すでに質の良いヘッドホンやイスを所有している場合は、スリムシリーズのメリットを最大限に享受できるでしょう。しかし、初めて電子ピアノを購入する方や、付属品もまとめて揃えたいと考えている場合は、総額で比較検討することが非常に重要です。価格だけでなく、鍵盤のタッチ感や音の迫力といった演奏体験にどこまでこだわりたいか、そして設置スペースの制約と予算のバランスを総合的に判断し、最適なモデルを選ぶことが推奨されます。


YDP-S55とS35、違いで選ぶ視点

インデックス
  • S55が推奨される場面
  • S35が推奨される場面
  • デザインと設置性の特徴
  • 実際のユーザー評価
  • 購入時の総合判断
  • ヤマハYDP-S55とYDP-S35の主な違い

S55が推奨される場面

ヤマハの電子ピアノYDP-S55は、YDP-S35と比較して、より本格的な演奏体験を求めるユーザーに推奨されるモデルです。その主な理由は、鍵盤の性能とアンプ出力の優位性にあります。YDP-S55に搭載されている「グレードハンマー3(GH3)鍵盤」は、高速の同音連打が可能であり、トリルや装飾音符など、クラシック音楽で頻繁に用いられる複雑な表現にも対応できます。これは、YDP-S35のGHS鍵盤では再現が難しいとされる、グランドピアノさながらの演奏性を実現します。実際にユーザーからは、YDP-S55の鍵盤のタッチは「本物のピアノに近い」と感じられ、YDP-S35と比較して「タッチ感が全然違う」という声も聞かれます。クラシック音楽を深く学びたい方や、より高い演奏表現力を追求したい方には、YDP-S55が最適でしょう。

また、アンプ出力においてもYDP-S55は20W×2と、YDP-S35の8W×2よりも大幅に強化されています。この高いアンプ出力により、特に強く鍵盤を弾いた際の音の迫力が増し、低音域での和音もクリアに響きます。これは、演奏者の繊細なタッチニュアンスをより適切に音として再現できることを意味し、より臨場感のある豊かな演奏を楽しむことができます。音質や演奏の表現力に妥協したくない方には、YDP-S55の優れた音響性能が大きな魅力となります。

YDP-S55はスリムなデザインを維持しつつも、これらの高い演奏性能を実現している点が特筆されます。設置スペースに限りがあるものの、音やタッチの質にはこだわりたいという方にとって、最適な選択肢となるでしょう。もしYDP-S35とYDP-S55のどちらを選ぶか迷っている場合は、予算が許すのであれば、ユーザーレビューでも「絶対S55がおすすめ」と強く推奨されているYDP-S55を選ぶことを検討してください。主にヘッドホンを使って練習する方にとっても、YDP-S55の持つ高い音質と鍵盤性能は、より満足度の高い演奏体験を提供します。

S35が推奨される場面

YAMAHA-YDP-S35

ヤマハの電子ピアノYDP-S35は、特定のニーズを持つユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となります。このモデルが特に推奨されるのは、まずピアノを始めたばかりの子供や初心者の方です。YDP-S35は、ピアノの基本を大切にしながらも、シンプルで扱いやすい入門機として設計されています。無理なくピアノ演奏の基礎を学ぶのに適したバランスの取れた性能を提供します。

次に、設置スペースが限られている家庭に最適です。YDP-S35はスリムな奥行き(296mm、鍵盤蓋オープン時309mm)とコンパクトな本体サイズを特徴としており、狭いリビングや子供部屋にも圧迫感なくスマートに設置できます。ユーザーレビューでも、「狭い部屋にも圧迫感なくスマートに置ける」「手狭な家にもバッチリ」といった声が寄せられており、設置性への評価が高いことがわかります。

デザイン性を重視し、部屋のインテリアに溶け込む電子ピアノを探している方にもYDP-S35はおすすめです。モダンでスタイリッシュなコンセプトで設計されており、ブラックウッド調、ホワイトアッシュ調、ホワイトウッド調といった3色のカラーバリエーションから、部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができます。鍵盤蓋を閉じればフラットな箱型になるデザインも、生活空間への馴染みやすさを高めています。

また、予算を抑えたい場合にもYDP-S35は有力な候補です。アリウスシリーズの中で最も手頃な価格帯に位置しており、必要最低限の基本的なピアノ機能が揃っていれば十分だと考える方にはコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。主な練習がヘッドホンを使用するものであれば、YDP-S35のアンプ出力(8W×2)でも問題なく、音量制限機能などを活用することで、周囲を気にせずに快適な演奏が可能です。既に質の良いヘッドホンを持っている場合も、本体価格を抑えられるYDP-S35は合理的な選択となります。

デザインと設置性の特徴

ヤマハの電子ピアノYDP-S55とYDP-S35は、ARIUS(アリウス)シリーズの中でも特に「スリムシリーズ」として位置づけられており、その洗練されたデザインと高い設置性が共通の大きな特徴です。このシリーズは、「モダン&スタイリッシュ」をコンセプトに設計されており、直線的でフラットなフォルムは、現代の様々な生活空間に自然に溶け込むよう工夫されています。

最大の特長はその奥行きのコンパクトさにあります。YDP-S55の奥行きは309mm、YDP-S35は296mmと、いずれもわずか30cm台に抑えられています。これにより、スペースに限りがあるマンションや子供部屋などでも、圧迫感なく設置することが可能です。実際にユーザーからも、「狭い部屋にも圧迫感なくスマートに置ける」「スリムタイプでお部屋スッキリ」といった声が多数聞かれます。鍵盤蓋を閉めると本体がフラットな箱型になるデザインも、使用しない時には見た目がすっきりと整い、ピアノが部屋のインテリアの一部として機能することを意図しています。

カラーバリエーションも、部屋の雰囲気に合わせて選べるよう配慮されています。YDP-S35はブラックウッド調、ホワイトアッシュ調、ホワイトウッド調の3色展開。YDP-S55はブラックウッド調とホワイトウッド調の2色展開です。いずれの色も艶のない木目調で、高級感を演出しながらも、周囲の家具との調和を重視したデザインとなっています。

設置の際の注意点として、両機種ともに転倒防止金具を装着すると、本体の奥行きがYDP-S55で382mm、YDP-S35で366mmとなります。このため、本体を壁にぴったりと密着させて置くことはできず、背面側に若干のスペース(約50mm)を確保する必要があります。しかし、これにより安定性が向上します。組み立て時には、ペダル下のアジャスターを回して床にぴったりと接地させることで、演奏中のぐらつきを防ぎ、安定した設置が可能です。これらの特徴は、デザインと実用性を両立させたいユーザーにとって、YDP-S55とYDP-S35が優れた選択肢であることを示しています。

実際のユーザー評価

ヤマハの電子ピアノYDP-S55とYDP-S35は、実際のユーザーから様々な評価を受けています。特に注目すべきは、両機種がコンパクトなデザインでありながらも、演奏感や音質に関して一定の満足度を得ている点です。

YDP-S55に関するユーザーの声では、その鍵盤のタッチが「本物のピアノに近い」と高く評価されています。あるユーザーは、YDP-S35と迷った末にS55を選び、「タッチ感が全然違う」とコメントしています。これは、S55に搭載されたGH3鍵盤が、高速連打性能や重厚感のある弾き心地を実現しているためと考えられます。また、デザイン面では「スタイリッシュでおしゃれ」という意見が多く、手狭な部屋にも「バッチリ」収まるという声も聞かれます。さらに、アンプ出力の強化により「スピーカーからの出音が素晴らしい」「音質は非常に良い」といった音に関する高評価も寄せられています。機能面では「スタンダードモデルと同じなので見劣りしない」という意見もあり、コンパクトながらも充実した性能を持つことが評価されています。

一方、YDP-S35のユーザーからは、そのデザイン性が特に好評です。「暖かな木目柄に明るい色なので、狭い部屋にも圧迫感なくスマートに置ける」といったコメントがあり、生活空間に溶け込むデザインが高く評価されています。また、「スリムタイプでお部屋スッキリ音色バッチリ」という声もあり、限られたスペースでの設置に非常に適していることが示されています。鍵盤については、「鍵盤の沈み具合も重めで、実際のピアノのような質感」という感想もあり、GHS鍵盤ながらもピアノらしい弾き心地をある程度は実現していることがうかがえます。しかし、YDP-S55のGH3鍵盤と比較すると連打性などで差があるという意見も存在します。

総合的に見ると、両機種ともにデザインと設置性においては高い評価を得ています。しかし、鍵盤のタッチ感や音の迫力といった演奏性に関する評価では、YDP-S55がYDP-S35を上回る傾向にあります。これは、それぞれのモデルがターゲットとするユーザー層や、重視する性能の違いを反映していると言えるでしょう。購入を検討する際は、これらの実際のユーザー評価を参考にし、自身の演奏レベルや使用環境、重視するポイントと照らし合わせて判断することが重要です。

購入時の総合判断

YAMAHA-YDP-S55

ヤマハの電子ピアノYDP-S55とYDP-S35は、どちらもヤマハのアリウスシリーズに属し、価格と性能のバランスに優れたエントリーモデルとして、子供のレッスン用や大人の趣味用として幅広く推奨されています。購入を検討する際の大きな決め手となるのは、「大きさ(サイズ)」「音・弾き心地」「価格」の3点です。

まず、音と弾き心地を最優先するのであれば、YDP-S55がより適しています。YDP-S55は「グレードハンマー3(GH3)鍵盤」と「20W×2」のアンプ出力を備えており、YDP-S35のGHS鍵盤と8W×2のアンプ出力に比べて、より豊かな表現力と迫力のあるサウンドを実現します。特に、クラシック音楽など、高速連打や繊細なタッチが求められる演奏を目指す方には、YDP-S55の鍵盤が大きなメリットとなります。予算が許すのであれば、この上位機種の性能は、約2万円から3万円の価格差以上の価値があると評価されています。

一方、予算を抑えつつ、コンパクトな設置を重視するのであれば、YDP-S35が有力な選択肢です。YDP-S35はアリウスシリーズの中で最も手頃な価格帯でありながら、スリムなデザインでどんな部屋にも馴染みやすいという強みがあります。基本的なピアノ練習であれば、YDP-S35のGHS鍵盤でも十分な演奏感を得られるでしょう。

また、スピーカーから音を出すか、ヘッドホンを主に使用するかも重要な判断基準です。アリウスシリーズのスタンダードモデル(YDP-145/165)には、背面に音の通り道となる「トーンエスケープメント」構造があり、スピーカーからの音がより広がり、グランドピアノのような響きを再現します。しかし、YDP-S55とYDP-S35のスリムシリーズにはこの機能はありません。そのため、もしほとんどヘッドホンで演奏するのであれば、スリムシリーズでも音質の面で遜色なく満足できるでしょう。ただし、スリムシリーズは本体価格が安いものの、椅子やヘッドホンが別売りであるため、総費用ではスタンダードシリーズの方が安くなる可能性もあることを考慮する必要があります。

最終的な選択にあたっては、実際に楽器店に足を運び、試弾してみることを強くおすすめします。鍵盤のタッチ感や音の響きは主観的な部分が大きく、実際に触れてみなければ分からないことも多いためです。自身の演奏レベル、練習頻度、設置環境、そして予算を総合的に考慮し、最適な一台を見つけ出すことが、後悔のない選択につながります。

YAMAHA-YDP-S55

ヤマハYDP-S55とYDP-S35の主な違い

  • YDP-S55はグレードハンマー3(GH3)鍵盤を、YDP-S35はグレードハンマースタンダード(GHS)鍵盤を搭載する
  • YDP-S55のGH3鍵盤は高速同音連打を可能にする第3のセンサーを備える
  • YDP-S35のGHS鍵盤は第3のセンサーがなく、GH3鍵盤と比較して連打性能で劣る
  • YDP-S55の鍵盤は象牙調・黒檀調仕上げだが、YDP-S35の黒鍵はマット仕上げである
  • YDP-S55のGH3鍵盤は安定感があり爽快な打鍵感を持つ
  • YDP-S35のGHS鍵盤は軽めで、鍵盤の左右方向の安定感で劣る
  • YDP-S55は20W x 2のアンプ出力を、YDP-S35は8W x 2のアンプ出力を備える
  • YDP-S55はアンプ出力が大きいため、より迫力がありクリアな音を再現できる
  • YDP-S55の奥行きは309mm、YDP-S35は296mmとよりスリムな設計である
  • YDP-S55の本体質量は40.0kg、YDP-S35は37.0kgとS35の方が軽量である
  • YDP-S55はPA-300C(16V)、YDP-S35はPA-150B(12V)の電源アダプターを使用する
  • YDP-S55の消費電力は13W、YDP-S35は9Wである
  • YDP-S55の録音データ容量は約150KB、YDP-S35は約100KBである
  • YDP-S55はYDP-S35よりも高価な価格帯である
  • YDP-S55はブラックウッド調とホワイトウッド調の2色、YDP-S35はブラックウッド調、ホワイトウッド調、ホワイトアッシュ調の3色の本体カラーを展開する
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