これで完璧！Yamaha P-225 MIDIの接続と活用法

Yamaha P-225のMIDI接続と機能の要点

「yamaha p 225 midi」と検索されている皆さん、デジタルピアノとコンピューターの連携に興味をお持ちでしょうか。Yamaha P-225は、その高い機能性から、趣味の演奏はもちろん、本格的な音楽制作の現場まで幅広く活用できるモデルだ。このガイドでは、P-225のMIDI機能に焦点を当て、その接続方法や活用術を詳しく解説する。特に、P-225が持つUSB TO HOST端子を介したコンピューターやスマートデバイスとの接続は、MIDIデータだけでなくオーディオデータも送受信できるため、音楽制作において非常に便利だ。また、P-225のBluetooth機能は、スマートデバイスからのオーディオ再生には対応しているが、Bluetooth MIDI送信には対応していない点も、利用を始める上で重要なポイントである。DAWプログラムでの活用、MIDI録音の仕組み、さらにはレイテンシー対策まで、P-225を最大限に活用するための実践的な情報を提供する。

Yamaha P-225 MIDI機能の基本を解説

MIDIとは？その役割を深く理解する

現在、多くのデジタルピアノがパソコンと接続でき、この接続によってMIDI信号の送受信が行われている。MIDIとは「Musical Instrument Digital Interface」の略であり、1980年代に世界中のミュージシャンの間で標準化された技術だ。これは単なる音の伝達だけでなく、楽器間の高度な通信システムとして機能する。

具体的に言えば、MIDIは演奏に関する多岐にわたる情報を定義できる。例えば、音の高さや長さ、強さ（ベロシティ）、アタック、音量など、非常に詳細な情報をデジタルデータとして扱うことが可能だ。これを楽譜と比べてみると、どちらも演奏を記録し、再現するための記譜法という点で共通点が見いだせる。楽譜が奏者に情報を伝えるように、MIDIは楽器とソフトウェア間で双方向の通信を行う。

今日では、ほとんどの電子楽器がMIDIに対応しており、USB-to-Host接続、MIDIケーブル、さらにはBluetooth経由でも利用できる。このため、音楽制作を行う多くの人々にとって、MIDIは欠かせない要素となっている。もしあなたが音楽制作を検討しているのなら、このMIDIがもたらす可能性について理解を深めることは非常に有益だろう。MIDIが単なる接続規格ではなく、音楽表現の幅を広げるための強力なツールであることを知っておく必要がある。

P-225とパソコンの接続手順を詳しく解説

P-225とパソコンを接続する最も簡単な方法は、市販のUSB Type Bケーブルを使うことだ。P-225本体の背面には、「USB TO HOST」と表記された端子が設けられている。この端子を通じて、P-225とパソコンの間でMIDIデータとオーディオデータの両方を送受信できる。これはP-225がUSBオーディオインターフェースとしても機能するためだ。

接続に際しては、いくつかの注意点がある。使用するUSBケーブルは、ABタイプで長さが3メートル未満のものを選んでほしい。また、USB 3.0ケーブルは使用できない場合があるため、互換性を確認することが重要だ。パソコンにUSB Type-C端子しかない場合は、適切なUSB変換アダプターを用意する必要がある。さらに、安定した接続のためには、USBハブを経由せず、P-225とパソコンを直接ケーブルでつなぐことが推奨される。

Windowsコンピューターを使用する場合、Yamaha Steinberg USB Driverという専用のドライバーをパソコンにインストールしなければならない。このドライバーはヤマハのウェブサイトからダウンロードできる。ドライバーが適切に導入されていなければ、P-225がMIDI入力デバイスとして認識されないなど、様々な問題が発生する可能性もある。

P-225のUSB TO HOST端子は、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスとの接続もサポートしている。これにより、専用アプリを活用したり、音楽制作をより手軽に楽しんだりできる。事前に接続するデバイスの種類と必要なケーブルや変換アダプターを確認すれば、スムーズにセットアップを完了できるだろう。P-225の「USB TO HOST」端子を適切に接続し、必要なドライバーをインストールすることが、MIDIやオーディオ機能を活用する上での最初の重要なステップとなる。

MIDI信号が伝える多彩な情報の種類

MIDIは「音」そのものを記録するのではなく、演奏に関する「情報」をデジタル信号として伝達するシステムである。この特徴こそが、MIDIの最大の利点であり、音楽制作における柔軟性を大きく高めている。P-225から送られるMIDI信号には、鍵盤がいつ押されたか、どれくらいの強さで押されたか（ベロシティ）、どの音程が、どれくらいの長さで演奏されたか、といった多種多様なデータが含まれている。さらに、アタックやボリュームといった音のニュアンスに関する情報も詳細に定義できるのがMIDIの強みと言えよう。

このMIDI信号は、DAW（Digital Audio Workshop）プログラムなどのソフトウェアで受信されると、「ピアノロール」と呼ばれる視覚的な形式で表示されるのが一般的だ。ピアノロールでは、演奏された各ノートが緑色のバーとして表現され、まるで楽譜をグラフィック化したような見た目になっている。これにより、録音された演奏を後から自由に編集できるという、オーディオ録音にはない大きな利点が生まれる。

例えば、間違ったノートを弾いてしまっても、そのノートをマウスで簡単に修正したり、新しいノートを追加したり、不要なノートを削除したりといった作業を簡単に行える。また、個々のノートのベロシティ（強さ）や長さを調整して、演奏のニュアンスを細かく変更することも可能だ。さらに、MIDIデータの大きな利点として、録音後に使用する楽器の音色を全く別のものに変更できる点が挙げられる。例えば、ピアノで演奏したデータを、後からストリングスやシンセサイザーの音色で再生することも可能だ。これにより、一つの演奏データから多様な音楽的表現を生み出すことができる。

P-225には、MIDI信号の送受信に関する様々な設定も搭載されている。具体的には、MIDIの送受信チャンネルの選択、楽器の鍵盤が内蔵音源を鳴らすかどうかの「Local Control」のオン/オフ、そしてプログラムチェンジやコントロールチェンジの送受信のオン/オフといった機能がある。これらの設定を理解し、適切に活用することで、P-225をより高度な音楽制作環境に統合できるだろう。MIDI信号は単なる音の再現にとどまらず、演奏の可能性を無限に広げる「設計図」である。だからこそ、その仕組みを理解することが、デジタルピアノの真の能力を引き出す鍵となるのだ。

P-225が持つUSBオーディオ機能の特長

P-225の際立った特長の一つに、USBオーディオインターフェース機能が搭載されている点が挙げられる。多くのデジタルピアノがUSB経由でMIDIデータのみを転送する中、P-225はMIDIデータに加えてオーディオデータもUSBケーブル一本で送受信できるため、これはこの価格帯の楽器としては非常に珍しい機能と言える。この機能により、P-225をパソコンやスマートデバイスに接続することで、鍵盤の演奏を高品質なオーディオデータとして直接録音できるようになるのだ。

このUSBオーディオ機能の最大のメリットは、その音質の高さだ。例えば、スマートフォンのマイク入力端子やパソコンのライン入力にP-225のヘッドホン端子から接続して録音する場合と比べ、USB経由で直接オーディオデータを取り込む方が、ノイズが少なく、よりクリアで忠実なサウンドを得られる。これは、デジタル信号をデジタルでやり取りするため、アナログ変換による劣化が最小限に抑えられるからだ。

P-225をUSBオーディオインターフェースとして使うことで、音楽制作アプリケーション（DAWなど）で、P-225の内蔵音源の音を直接録音できる。また、パソコンやスマートデバイス上のオーディオデータをP-225の内蔵スピーカーや接続したヘッドホンから再生することも可能だ。これにより、P-225を高品質なモニターとしても活用できる。

ただし、Windowsコンピューターで使用する場合には、前述の通りYamaha Steinberg USB Driverのインストールが必須となる。このドライバーを導入することで、USBオーディオ機能が正常に動作するようになる。また、DAWでこの機能を使う際には、「Audio Loopback」機能の設定に注意が必要だ。この機能がオンになっていると、コンピューターから入力されたオーディオ音が再びコンピューターに戻ってしまうため、設定によっては過大な音量が発生したり、予期せぬフィードバックが生じたりする可能性がある。これを防ぐため、通常は「Off」に設定することが推奨されている。P-225のUSBオーディオ機能は、手軽に高音質な録音環境を構築したいと考えるユーザーにとって、非常に魅力的な特長であると言えるだろう。

Yamaha P-225 MIDI活用とトラブル対策

DAW連携で音楽制作の幅を広げる方法

DAWとは「Digital Audio Workstation」の略で、パソコン上で音楽制作を行うためのソフトウェアの総称だ。P-225のMIDI機能とDAWを連携させることで、音楽制作の可能性は大きく広がる。例えば、Garageband（Apple製）、Logic Pro X（Apple製）、Ableton Live、Reaper、Fruit Loops Studioなど、世の中には多くのDAWプログラムが存在し、それぞれ異なる見た目や操作性を持つものの、基本的な機能は共通している。

P-225をDAWに接続する主な目的は、自身の演奏をMIDIデータとして録音することである。MIDIデータとして記録されるのは、演奏されたノートの種類、タイミング、強さ（ベロシティ）といった情報であり、実際の「音」そのものではない。この特性が、音楽制作において計り知れない柔軟性をもたらす。一度MIDIデータとして録音してしまえば、後からそのデータを編集したり、異なる音源（ソフトウェア音源）に割り当てて再生したりすることが自由にできるためだ。

具体的には、DAWの「ピアノロール」機能を使えば、記録されたMIDIノートをグラフィカルに表示し、細かく調整できる。例えば、演奏のミスタッチを修正したり、音の長さを変更したり、あるいはベロシティを調整して表現力を高めたりといった作業が、演奏し直すことなく可能になる。これは、特に複雑なフレーズやアレンジを試す際に非常に便利だ。さらに、P-225が持つUSBオーディオインターフェース機能を使えば、P-225の内蔵音源の音を直接オーディオデータとしてDAWに録音することもできる。

このように、P-225とDAWを連携させることで、演奏の録音、編集、そして多彩な音源を用いた作曲まで、一連の音楽制作プロセスをデジタル環境で完結させられる。これは、自宅で手軽にプロフェッショナルなレベルの音楽制作を楽しみたいと考えるユーザーにとって、非常に強力な手段となるだろう。

楽譜作成ソフトでの便利な使い方

デジタルピアノのMIDI機能を活用する場面は、音楽制作にとどまらない。楽譜作成ソフトウェアとの連携も、その便利な使い方の一つである。世の中には、MuseScoreやSibeliusといった多機能な楽譜作成プログラムが存在し、これらとP-225を接続することで、手動で音符を一つずつ入力する手間を大幅に省ける。

具体的には、P-225の鍵盤を演奏するだけで、その演奏がリアルタイムで楽譜作成ソフトウェアに記譜されるようになる。これは、特に譜読みが苦手な人や、複雑な和音やフレーズを素早く記譜したい場合に非常に役立つ機能だ。頭の中に思い描いたメロディやハーモニーを、鍵盤を通して直感的に入力し、瞬時に楽譜として可視化できるため、作曲やアレンジのプロセスがスムーズに進む。

無料で使用できる楽譜作成プログラム、例えばMuseScoreなどもこの連携に対応しているため、初期投資を抑えつつ、P-225の機能を最大限に活用できる。演奏の音符だけでなく、強弱やアーティキュレーションといったMIDIが持つ多様な情報も楽譜に反映できる場合が多く、より詳細な音楽表現を楽譜上で再現する手助けとなる。

このように、P-225のMIDI機能は、音楽の「入力」という側面において、楽譜作成の障壁を大きく下げる役割を果たす。楽譜作成ソフトウェアとの連携は、演奏家だけでなく、作曲家やアレンジャーにとっても、非常に価値のある機能であると言えるだろう。

録音されるMIDI信号の仕組みと利点

前述の通り、MIDI録音とは、私たちが鍵盤で演奏する「音」そのものを記録するのではなく、演奏に関する「情報」をデジタル信号として記録する仕組みだ。これは、鍵盤がいつ押されたか、どれくらいの速さで（ベロシティ）押されたか、そしていつ離されたか、といった具体的なデータが含まれる。P-225がコンピューターに送信するのは、まさにこれらの情報であり、コンピューターがそれを様々な音色（ピアノ音、ストリングス音など）に変換して再生するのだ。

この仕組みは、オーディオ録音とは根本的に異なる利点をもたらす。オーディオ録音が一発撮りの写真のようなもので、後からの修正が難しいのに対し、MIDI録音は、まるで「設計図」を記録するようなものだ。DAWソフトウェアで録音されたMIDIデータは、通常「ピアノロール」という形で視覚化される。ここでは、演奏された各ノートが、その長さやベロシティに応じて緑色のバーとして表示されるため、演奏の全体像を一目で把握できる。

この視覚化されたデータは、後から驚くほど柔軟に編集できる。例えば、もし演奏中に間違ったノートを弾いてしまっても、そのノートをマウスで簡単に修正したり、削除したりすることが可能だ。また、本来の演奏では表現しきれなかった強弱やタイミングの微調整も、ベロシティやノートの開始・終了位置を細かく動かすことで、自由自在に行える。さらに、MIDIデータの大きな利点として、録音後に使用する楽器の音色を全く別のものに変更できる点が挙げられる。例えば、ピアノで演奏したデータを、後からストリングスやシンセサイザーの音色で再生することも可能だ。これにより、一つの演奏データから多様な音楽的表現を生み出すことができる。P-225の内蔵録音機能でも、約100KB、約11,000ノートのユーザーソングを2トラックで記録できるため、こうしたMIDIの利点を手軽に体験できるだろう。MIDI信号の柔軟な編集と音源変更の自由度は、音楽制作の試行錯誤を劇的に効率化し、創造性を刺激する。

MIDI使用時のレイテンシー対策と解決策

デジタルピアノでMIDIを使用する際、特にDAWなどのソフトウェアと連携して演奏する場合、**レイテンシー（音の遅延）**が問題となることがある。鍵盤を弾いてから実際に音が鳴るまでにわずかな時間差が生じる現象で、これが大きくなると演奏の違和感につながる。P-225のようなデジタルピアノをUSB-to-Host接続でPCに接続してMIDIを録音する際に、このレイテンシーを感じる場合があるようだ。

レイテンシーの主な原因は、多くの場合、オーディオ出力の処理に起因すると考えられている。特にWindows環境では、標準のオーディオドライバーがリアルタイム処理に弱く、遅延を引き起こしやすい。この問題に対処するための解決策はいくつか存在する。

まず、ASIO（Audio Stream Input/Output）ドライバーの使用が挙げられる。ASIOは、オーディオの入出力処理を高速化するために設計されたドライバー規格であり、Windows環境で低レイテンシーを実現する上で非常に重要だ。例えば、「ASIO4ALL」のような汎用ASIOドライバーを導入することで、内蔵サウンドカードでもレイテンシーを低減できる場合がある。

次に、Yamaha P-225のMIDI機能とP-125の類似性を考慮すると、Yamaha Steinberg USB Driverをインストールし、DAWのオーディオ設定でASIOを選択することが、推奨される解決策だ。この専用ドライバーは、ヤマハの楽器とコンピューター間のデータ転送を最適化するために提供されている。

さらに、最終的な解決策として、専用のオーディオインターフェースを導入することも有効である。オーディオインターフェースには、低レイテンシーのASIOドライバーが付属していることが多く、これが全体のオーディオ処理を改善し、快適な演奏環境を提供する。

P-225はBluetoothオーディオはサポートしているものの、Bluetooth MIDIはサポートしていないため、有線接続が主となる。有線接続であっても、設定が不適切であればレイテンシーは発生しうるため、上記のような対策を講じることで、演奏と音の間にタイムラグのない快適な音楽制作環境を構築できるだろう。もしレイテンシーが解消されない場合は、DAW以外の別のプログラム（例：無料のPianoteqデモ）でテストし、DAW自体が原因ではないかを確認するのも良い方法だ。

Windowsでのドライバー導入がなぜ重要か

WindowsコンピューターでYamaha P-225をMIDIキーボードとして使う際、「Yamaha Steinberg USB Driver」の導入は非常に重要なステップだ。これは単なる推奨事項ではなく、多くの場合、P-225のMIDIおよびUSBオーディオ機能がWindows環境で正しく動作するための必須要件となる。

このドライバーの主な役割は、P-225とWindowsコンピューター間のデータ通信を最適化することにある。Windowsには標準的なUSBオーディオ・MIDIドライバーが備わっているものの、これらは汎用的なものであるため、特定のハードウェアであるP-225の持つ機能を最大限に引き出したり、低レイテンシーでの安定した動作を保証したりするのに十分ではない場合が多い。実際、ドライバーがインストールされていないために、P-255（P-225の旧モデルで類似製品）がLogic ProのようなDAWでMIDI入力として認識されないというトラブル報告もある。

専用ドライバーをインストールすることで、コンピューターはP-225を正確なMIDIデバイスとして認識し、特にASIO（Audio Stream Input/Output）という低レイテンシーのオーディオ処理規格を利用できるようになる。ASIOは、演奏の遅延（レイテンシー）を最小限に抑え、快適なリアルタイム演奏や録音を実現するために不可欠な要素だ。ドライバーがインストールされていないと、レイテンシーが大きくなったり、そもそもMIDI信号がDAWに全く届かなかったりする可能性がある。

Yamaha Steinberg USB Driverは、ヤマハの公式サイトからP-225のダウンロードページで入手できる。通常、Windows 11/10 (64-bit) 向けの最新バージョンが提供されているため、使用しているOSに合わせてダウンロードし、指示に従ってインストールを進めてほしい。インストール後、コンピューターを再起動し、DAWやMIDI設定画面でP-225が正しく認識され、ASIOドライバーが選択できることを確認すれば、P-225のMIDI機能を存分に活用できる環境が整うはずだ。Windows環境における「Yamaha Steinberg USB Driver」の導入は、P-225の潜在能力を最大限に引き出し、快適な音楽制作を実現するための基盤となる。

Smart Pianistアプリとの連携方法

Yamaha P-225は、ヤマハが提供する専用のスマートデバイスアプリ「Smart Pianist」と連携することで、その機能をさらに拡張し、より直感的に操作できるようになる。このアプリは無料でダウンロードでき、ピアノの演奏や練習をサポートする多様な機能を提供する。

Smart Pianistアプリの主な魅力は、P-225本体ではボタン操作でしか行えないような詳細な設定を、スマートデバイスの画面上で視覚的に、そして直感的に変更できる点だ。例えば、サウンドの調整、チューニングの微調整、異なるピアノモデルやアコースティック設定の選択など、多岐にわたる機能をアプリから簡単にコントロールできる。これは、本体の小さなディスプレイや限られたボタン操作では難しい、より深いカスタマイズを可能にする。

加えて、Smart Pianistアプリには、スマートデバイスの音楽ライブラリを分析し、それに合わせてピアノ演奏ができる機能も搭載されている。これにより、お気に入りの曲に合わせて演奏の練習をしたり、伴奏を付けたりといった楽しみ方が広がるだろう。

P-225とSmart Pianistアプリを接続するには、USBケーブルと、スマートデバイスのコネクタに合った変換アダプターが必要となる。接続が完了したら、アプリを起動してP-225を認識させる。ただし、アプリを起動すると、楽器本体の設定がアプリ側の設定で上書きされる場合があるため、その点には注意してほしい。詳しい接続方法やアプリの利用方法については、ヤマハのウェブサイトで提供されているSmart Pianist User Guideを参照するのが最も確実な方法である。このアプリは、P-225のポテンシャルを最大限に引き出し、演奏や練習の体験をより豊かでパーソナルなものに変える強力なツールと言える。

P-225のBluetoothに関する注意点

Yamaha P-225はBluetooth機能を搭載しているが、この機能についてはいくつかの重要な注意点がある。まず最も肝心なことは、P-225のBluetoothはオーディオ再生に特化しており、MIDIデータの送受信には対応していないという点だ。これは、多くのユーザーが期待するBluetooth MIDI機能、つまりワイヤレスでMIDI信号をやり取りしてDAWを操作するといった用途には使えないことを意味する。

Bluetoothオーディオ機能の主な用途は、スマートフォンやタブレットなどのBluetooth対応デバイスから、P-225の内蔵スピーカーを通じて音楽を再生することだ。例えば、練習用の伴奏音源やレッスン動画の音声をP-225から流しながら、鍵盤を演奏するといった使い方ができる。この機能は、P-225を独立した音響システムとしても活用できるという点で便利だが、BluetoothヘッドホンやBluetoothスピーカーをP-225に接続して音を出すことはできない。P-225はBluetoothオーディオを受信する側としてのみ機能するのだ。

接続手順としては、P-225の特定のボタンを3秒以上長押ししてペアリングモードにし、その後スマートデバイスのBluetooth設定から「P-225 AUDIO」または「P-223 AUDIO」を選択する。もしパスキーを求められた場合は「0000」と入力する。

また、P-225のBluetooth機能は、購入した国や地域によっては利用できない場合がある。これは、製品のコントロールパネルにBluetoothロゴが印刷されているかどうかで確認できる。さらに、Bluetooth接続では、有線接続に比べてわずかながらレイテンシー（遅延）が発生する可能性があるため、シビアなタイミングが求められる音楽制作の場面では、有線接続を優先するのが賢明だろう。このように、P-225のBluetooth機能は便利ではあるものの、その用途がオーディオ再生に限定されている点、そして地域による利用可否やレイテンシーの可能性といった注意点を理解しておくことが重要だ。

MIDI接続の一般的なトラブルシューティング

Yamaha P-225をMIDIデバイスとして使用する際、特にパソコンやDAWとの接続において、時折予期せぬ問題に直面することがある。ここでは、そのような一般的なトラブルとその解決策をいくつか紹介する。

まず、最も基本的な確認事項として、適切なUSBケーブルを使用しているかどうかをチェックしてほしい。P-225の「USB TO HOST」端子には、ABタイプのUSBケーブルを、3メートル未満の長さで直接接続する必要がある。USB 3.0ケーブルやUSBハブ経由での接続は、不安定さの原因となる場合があるため、避けるべきだ。

次に、Windowsユーザーにとって特に重要なのが、Yamaha Steinberg USB Driverの導入である。このドライバーが適切にインストールされていないと、P-225がMIDI入力として認識されなかったり、大きなレイテンシーが発生したりする可能性がある。ヤマハの公式サイトから最新版をダウンロードし、インストール手順に従って確実に導入してほしい。インストール後には、パソコンの再起動も推奨される。

DAWソフトウェア側での設定も重要だ。MIDIキーボードが認識されない場合、DAWの環境設定で「Advanced Tools」が有効になっているか、MIDIデバイスとしてP-225が選択されているかを確認する。また、MIDIはオーディオとは異なるため、ソフトウェアインストゥルメントトラックや外部MIDIトラックなど、適切なトラックタイプが作成されているかも確認が必要だ。録音ボタン（通常は赤い「R」マーク）が有効になっているかも見落としがちなポイントである。

加えて、DAWでオーディオが異常に大きくなる、またはノイズが発生する場合は、P-225の「Audio Loopback」機能がオンになっている可能性を疑ってほしい。この機能は、DAWで録音する際にはオフに設定することが推奨されている。最後に、P-225のリファレンスマニュアルには詳細なトラブルシューティングのセクションが設けられているため、問題が解決しない場合は、そちらを参照することも有効な手段だ。これらのステップを順に確認することで、MIDI接続の問題の多くは解決できるだろう。

Yamaha P-225のMIDI接続と機能の要点

• Yamaha P-225は、USB TO HOST端子を介してコンピューターやスマートデバイスに接続できる
• この接続により、MIDIデータとオーディオデータの両方を送受信可能である
• MIDIは、音の長さ、振幅、アタック、音量など、演奏のさまざまな要素を定義する通信システムである
• P-225の取扱説明書には、MIDI関連機能に関する詳細な説明が記載されている
• デジタルピアノをコンピューターに接続する最も簡単な方法は、USB Type Bケーブルを使用することである
• WindowsコンピューターでP-225をMIDIデバイスとして使用する場合、Yamaha Steinberg USB Driverのインストールが必要である
• MIDI機能は、Garageband、Logic Pro X、Ableton Live、ReaperなどのDAW（Digital Audio Workstation）プログラムで活用できる
• MuseScoreやSibeliusといった楽譜作成ソフトウェアにもMIDI接続でき、音符の入力支援に利用できる
• MIDI録音では、実際のサウンドではなく、コンピューターが音に変換するMIDI信号が記録される
• DAWの「ピアノロール」では、MIDI信号がグラフィカルに表示され、録音後にノートの編集（追加、削除、ベロシティ、長さの変更など）が可能である
• P-225には、MIDI送受信チャンネルの選択、ローカルコントロールのオン/オフ、プログラムチェンジのオン/オフ、コントロールチェンジのオン/オフといった詳細なMIDI設定機能が備わっている
• DAWを使用する際に大きなノイズが発生するのを防ぐため、P-225のオーディオループバック機能はオフに設定することが推奨される
• Yamaha P-225のBluetooth機能は、スマートデバイスからのオーディオを楽器のスピーカーで再生することのみをサポートし、Bluetooth MIDI送信には対応していない
• MIDI使用時の遅延（レイテンシー）は、主にオーディオ出力が原因であることが多く、ASIOドライバーやデジタルオーディオインターフェースの使用で改善できる
• 一般的に、Bluetooth接続よりも有線（USBケーブル）接続の方がレイテンシーが少なく、より信頼性が高い