カシオ PX-S1100 レビュー!タッチや音質をピアノ歴20年が検証

casio PX S1100 CASIO

カシオ Privia PX-S1100のレビューや評判が気になって、ここに来てくれたんですよね。ピアノって決して安い買い物じゃないですし、カタログスペックだけじゃ分からない「弾き心地」や「音の響き」がどうしても気になるものです。特にこのモデルは、世界最小クラスのスリムボディが売りですが、逆に「そんなに薄くて鍵盤のタッチは大丈夫なの?」とか「音がペラペラだったりしない?」なんて不安もよぎりますよね。実は私も最初は、デザイン優先のガジェット的なピアノなんじゃないかと少し疑っていたんです。でも、実際に触れてみると、その予想は良い意味で裏切られることになりました。

この記事のポイント
  • スマートスケーリングハンマーアクション鍵盤による独特な弾き心地の真実
  • 前モデルから進化したスピーカーと「AiR音源」による音響体験の詳細
  • 付属のBluetoothアダプターを使った便利な練習方法とアプリ連携
  • RolandやYAMAHAなど他社の競合モデルと比較した際の決定的な違い
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カシオPrivia PX-S1100のレビューと魅力

casio PX S1100

まずは、PX-S1100がなぜこれほどまでに市場で支持されているのか、その核心部分に迫っていきましょう。単に「小さいから売れている」わけではありません。このサイズの中に詰め込まれた技術と、実際に弾いてみて初めてわかる「楽器としての完成度」について、私の実体験を交えながら詳しく解説しますね。

鍵盤のタッチと弾き心地

さて、一番気になるのがこの「鍵盤」ですよね。PX-S1100に搭載されているのは「スマートスケーリングハンマーアクション鍵盤」という長い名前の機構です。結論から言うと、この鍵盤は「物理的な制約をデジタル技術と工夫でねじ伏せた」傑作だと私は感じています。

まず、筐体の奥行きがわずか232mmしかありません。これはA4用紙の短辺よりも短いんですよ。通常、グランドピアノのような自然なタッチを実現するには、鍵盤の支点(ピボット)から手前までの長さを確保する必要があります。支点が遠ければ遠いほど、鍵盤の奥を弾いたときでも軽い力で沈み込むからです。しかし、このスリムボディには物理的に長い鍵盤を入れるスペースがありません。

ここがポイント

カシオはここで「スマートスケーリング」という技術を使っています。これは、88鍵それぞれのハンマーの大きさや重さの違い、さらには打鍵の強弱やタイミングをセンサーで細かく検知して、発音のタイミングや音量をデジタル制御で微調整する技術です。

実際に弾いてみると、指先にしっかりとした「重り」を感じます。プラスチックのペコペコした感じではなく、ハンマーが動いている慣性モーメントが指に伝わってくるんです。特に素晴らしいのが象牙調・黒檀調の表面仕上げですね。指の汗で滑るのを防いでくれる微細なテクスチャ加工が施されていて、これがまた高級感を演出しています。目をつぶって触れば、10万円以下の電子ピアノだとは気づかないレベルですよ。

もちろん、グランドピアノと全く同じかと言われれば、物理的な支点の短さは感じます。特に鍵盤の根元(黒鍵の間など)を弾くときは、どうしても多少の重さを感じます。でも、ポップスやジャズ、あるいは中級レベルまでのクラシック曲であれば、この違和感はすぐに慣れるレベルです。「デジタル制御で補正している」と聞くと不自然な挙動を想像するかもしれませんが、カシオのチューニングは非常に巧みで、打鍵から発音までの繋がりが驚くほどスムーズなんです。

私自身、長いことピアノを弾いていますが、「このサイズでこの弾きごたえを出せるのか」と純粋に驚きました。限られたスペースで最大限のピアノ体験を提供しようという、開発者の執念すら感じる仕上がりですよ。

音質とスピーカーの評価

次は音質についてです。「薄いボディ=音が軽い」という先入観、ありますよね? 実は前モデルのPX-S1000も良い音だったんですが、S1100になってさらに磨きがかかりました。心臓部には「マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR音源」が搭載されています。

この音源のすごいところは、「音の継ぎ目」がないことです。昔の電子ピアノって、弱く弾いた時と強く弾いた時で、急に音色が「カクッ」と切り替わることがあったんですが、このAiR音源はピアニッシモからフォルテッシモまで、音色と音量が無段階に滑らかに変化します。さらに、音が消えていくときの余韻(リリース)の表現力がすごい。音が減衰するにつれて高周波成分がどう変化するかまでシミュレートされているので、バラード曲のエンディングなんかで、音がスッと消え入る瞬間の「空気感」がたまらないんです。

そして、スピーカーの進化も見逃せません。出力自体は8W+8Wなんですが、振動板(ダイアフラム)にマイカ(雲母)を混入した強化素材が使われています。これにより、高音域のキラキラした成分がよりクリアに聞こえるようになりました。ボイスコイルの可動域も広げられているので、低音の「ドン」という芯のある響きもしっかり出ます。

スピーカーは背面にあるんですが、独自のスリット構造のおかげで、音がプレイヤーに向かって立体的に返ってきます。壁際に置くと、壁に反射した音が広がって、まるでボディ全体が鳴っているような錯覚を覚えるほどです。この「筐体サイズを超えた音の広がり」は、PX-S1100の大きな武器ですね。

Bluetoothとアプリの活用法

現代の電子ピアノ選びで外せないのがスマホ連携です。PX-S1100には、なんとワイヤレスMIDI & AUDIOアダプター「WU-BT10」が標準で付属しています。これを背面のUSBポートに挿すだけで、ピアノがスマホと繋がるんです。

ここで注意してほしいのが、「Bluetooth Audio」と「Bluetooth MIDI」の違いです。

2つのBluetooth機能

  • Bluetooth Audio(受信専用): スマホの音楽をPX-S1100のスピーカーから流す機能。高音質なBluetoothスピーカーとして使えます。YouTubeの伴奏を流しながら練習するのに最高です。
  • Bluetooth MIDI(送受信): アプリと連携して、設定を変えたり演奏データを記録したりする機能。

特に便利なのが、カシオの専用アプリ「Casio Music Space」との連携です。PX-S1100本体はデザイン重視でボタンが少ないため、タッチ感度の調整や音色の切り替えを本体だけでやろうとすると、「Functionキーを押しながら鍵盤の〇〇を押す」みたいな操作が必要で、正直覚えきれません。でも、アプリを使えばスマホの画面で視覚的に設定を変えられます。「ホールの響き設定」や「タッチレスポンス」も、画面を見ながらスイスイいじれるので、自分好みのピアノにカスタマイズするのがすごく楽しいですよ。

ちなみに、Bluetooth Audioには多少の遅延(レイテンシー)があるので、流れてくる音を聞いて「ゲーム音ゲー」をするのは厳しいですが、好きなアーティストの曲を流して「耳コピ」したり、セッション気分で弾いたりする分には全く問題ありません。このアダプターが別売りじゃなくて「付属」っていうのが、カシオさんの太っ腹なところですよね。

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ヘッドホン使用時の聞こえ方

マンションやアパート住まいだと、スピーカーでガンガン鳴らす機会よりも、ヘッドホンをしている時間の方が長いかもしれませんね。PX-S1100には、ヘッドホン使用時専用のモードが搭載されています。

安い電子ピアノだと、ヘッドホンをした瞬間に音が耳の真横で鳴っているような、閉塞感や圧迫感を感じることがあります。これって長時間練習していると結構疲れるんですよね。耳が痛くなるというか。でも、PX-S1100のヘッドホンモードは、音の広がりや距離感を補正してくれるので、まるでピアノ本体から音が鳴っているのを自然に聴いているような感覚になります。

また、2種類のサラウンドモードも効果的です。これをオンにすると、狭い部屋で弾いていても、コンサートホールやライブハウスにいるような残響感が加わります。夜中に一人でヘッドホンをして、リバーブ(残響)を深めにかけてバラードを弾くと、自分だけの世界に没入できて最高に癒されますよ。ミニジャックの端子が2つあるので、連弾やレッスンで先生と一緒に聴けるのも地味に嬉しいポイントです。

専用スタンドの安定性

PX-S1100は机の上に置いても弾けますが、もし設置場所に余裕があるなら、専用の木製スタンド「CS-68」の導入を強くおすすめします。

なぜかというと、汎用のX型スタンドだと、どうしても演奏中に「揺れ」が発生するからです。特にこのピアノは奥行きが狭くて軽量なので、激しい曲やフォルテッシモで和音を叩いた時に、スタンドごとグラつくことがあります。これだと演奏に集中できないんですよね。

専用スタンドのCS-68は、本体の裏側からネジでガッチリ固定する構造になっています。ピアノとスタンドが完全に一体化するので、剛性が段違いです。デザイン的にも、スタンドと組み合わせることで初めて「モダンなインテリア家具」として完成するように設計されています。足元もスッキリしますし、何より座った時の膝のスペースが確保されるので、正しい姿勢で練習できます。

「最初はテーブル置きでいいや」と思っていても、上達するにつれて打鍵が強くなってくると、必ず揺れが気になってきます。最初からセットで検討しておくと、後悔がないかなと思います。

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カシオPrivia PX-S1100のレビューと注意点

casio PX S1100

ここまで良い点を中心に話してきましたが、もちろん完璧な製品なんてありません。購入してから「あれ、思ってたのと違う」とならないように、少し気になる点や、人によってはデメリットになり得る部分についても、正直に包み隠さずお話ししますね。

買って後悔?デメリットの検証

まず、最も議論になるのが先ほども触れた「鍵盤の支点(ピボット)の短さ」に起因するタッチの特性です。これ、正直に言いますね。もしあなたが「音楽大学を目指して毎日何時間もハノンやエチュードを弾き込む」ようなガチガチのクラシック志向なら、このモデルはベストな選択肢ではないかもしれません。

鍵盤の奥側(黒鍵と黒鍵の間など)を弾くとき、支点が近いためにテコの原理でどうしても指に力が必要になります。ショパンやリストのような、黒鍵を多用しつつ高速でパッセージを弾くような曲だと、指への負担が少し気になる場面があるかもしれません。これが、ネット上のレビューでたまに見かける「タッチが独特」という評価の正体です。

ただ、勘違いしないでほしいのは、これが「悪い鍵盤」というわけではないことです。カシオは「世界最小のスリムボディ」を実現するために、あえてピボット長を詰め、それを高度なデジタル技術で補うという設計思想を選びました。つまり、「究極の省スペース性」と「実用的なピアノタッチ」のバランスを取った結果なんです。

趣味でポップスを弾いたり、コード弾きで弾き語りをしたり、あるいは子供のピアノ導入用としては、十分すぎるほどのクオリティです。むしろこのサイズでこれだけ弾ければ御の字だと私は思います。「何を優先するか」ですね。場所を取らずにスタイリッシュに置きたいならPX-S1100は最強ですが、部屋が広くて「とにかくアコースティックピアノに近いタッチ」を最優先するなら、もっと筐体が大きくて重いモデルを選ぶべきでしょう。

3本ペダルの操作性と注意点

次にペダルについてです。別売りの3本ペダルユニット「SP-34」がありますが、これはスタンドに固定するタイプではなく、床に置く独立型のユニットです。

フローリングでの注意点

SP-34はペダルユニット自体が比較的軽いため、フローリングの床に直接置いて使うと、ペダルを踏むたびにズリズリと奥に逃げていってしまうことがあります。これ、結構ストレスなんですよね。

もしSP-34を使うなら、下に滑り止めマットを敷くか、壁に当てて固定するなどの工夫が必要です。あるいは、専用スタンド「CS-68」には対応する固定式のペダルバー「SP-34」は取り付けられない(SP-34はあくまで独立型)ので、そこは注意が必要です。あ、すみません、少し補足します。最近のモデルではスタンドに固定できるペダルユニット(SP-34とは別の型番の場合や、固定バーがあるタイプ)との兼ね合いも要確認ですが、PX-S1100でよく使われるSP-34は「置き型」です。

ハーフペダル(半踏み)にも対応していて機能的には十分なんですが、この「設置の安定性」だけは、少し工夫が必要なポイントですね。

初心者や再開組からの評価

では、実際にどんな人に支持されているのかというと、圧倒的に「ピアノ再開組(リターナー)」の方々です。「昔習っていて、大人になった今、もう一度趣味で弾きたい。でも実家のアップライトピアノは持ってこれないし、部屋も狭い…」という層に、これ以上ないほど刺さっています。

初心者の方にとっても、この「ガジェット感」のあるデザインは親しみやすいようです。いかにも「学習用教材です!」という圧迫感がなく、スマホやタブレットの延長線上で音楽を楽しめる雰囲気が、練習のハードルを下げてくれています。

また、電池駆動(単3形アルカリ乾電池6本)ができるのも大きいです。約4時間動くので、例えば結婚式の余興で使いたいとか、キャンプ場(!)で弾きたいとか、電源のない場所で演奏動画を撮りたいといったYouTuber的な使い方をする人からも高く評価されています。11.2kgという重さは、女性が片手で軽々…とはいきませんが、専用ケースに入れれば電車移動もなんとか可能なレベルです。

競合モデルとの詳細比較

最後に、よく比較検討されるライバル機種との違いを整理しておきましょう。RolandのFP-30X、YAMAHAのP-225、KawaiのES120あたりがガチンコの競合ですね。

特徴 Casio PX-S1100 Roland FP-30X Yamaha P-225 Kawai ES120
最大の特徴 世界最小・最薄デザイン 本格的な鍵盤タッチ 明るく抜ける音色 アコースティックな響き
奥行き 232mm (超スリム) 284mm (大きめ) 272mm 280mm
鍵盤の重さ 普通(奥は重め) しっかり重め 軽快 軽やかで高レスポンス
Bluetooth Audio/MIDI (アダプタ込) Audio/MIDI (内蔵) Audio(受信)/MIDI Audio/MIDI (内蔵)
  • Roland FP-30X: 「PHA-4スタンダード鍵盤」を搭載しており、タッチのリアルさでは一歩リードしています。ただ、本体が分厚く重い(約15kg)ので、持ち運びや省スペース性ではPX-S1100が圧勝です。
  • Yamaha P-225: ヤマハらしい明るく煌びやかな音が特徴。バンドの中で音を埋もれさせたくないならヤマハが良いですが、PX-S1100のAiR音源の方が、個人的にはしっとりとした空気感があると感じます。
    https://digi-piano.com/yamaha-p-225/
  • Kawai ES120: カワイのピアノ音が好きならこれ。タッチは軽やかで連打に強いです。ただ、PX-S1100のフラットなタッチパネルデザインのような先進性はなく、見た目は従来の電子ピアノ寄りです。
    https://digi-piano.com/es120filo/

カシオPrivia PX-S1100のレビュー総評

長々と語ってきましたが、カシオ Privia PX-S1100は、「現代の住環境とライフスタイルに最も最適化された電子ピアノ」だと断言できます。

「本物のピアノの代用品」を目指して無理に大きく重くするのではなく、「部屋に置きたくなるカッコよさ」と「弾いていて気持ち良い音とタッチ」を、この極限のサイズで両立させた技術力は本当に見事です。もしあなたが、省スペース性を重視しつつ、でもオモチャのようなキーボードでは満足できないと考えているなら、PX-S1100は間違いなくベストパートナーになってくれるはずです。

最後に、この記事で紹介したスペックなどの詳細は、念のためメーカーの公式サイトでも確認してみてくださいね。あなたの音楽生活が、このピアノでより豊かになることを願っています!

(出典:カシオ計算機株式会社『Privia PX-S1100 公式製品ページ』PX-S1100BK | CASIO

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ピア僧

1976年、北海道生まれ。

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Digital Paino Navi運営者のピア憎です。私自身、数々の電子ピアノを弾き比べ、その魅力を追求してきました。この経験と知識を活かし、あなたの最適な一台を見つけるお手伝いをします。

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