こんにちは!Digital Piano Navi 運営者のピア憎です。
電子ピアノをメルカリでお得に手に入れたい、または、使わなくなった不要品をメルカリで出品してみたい。そう思って「電子ピアノ メルカリ」で検索しているあなた、その気持ち、よーくわかります。
メルカリは、初心者向けの電子キーボードから本格的なメーカー品まで、本当にたくさんの電子ピアノが取引されていますよね。でも、いざ自分がやるとなると、「送料ってどうなるの?」「サイズが大きいけど大丈夫?」「壊れてたらどうしよう…」なんて、不安や疑問が次から次へと出てきませんか?
特に電子ピアノは「普通の荷物」とはワケが違います。この取引の核心には「物流(送料)」という、めちゃくちゃ大きなハードルが存在するんです。この「送料問題」を理解しているかどうかで、あなたが購入者でも出品者でも、成功するか失敗するかがハッキリ分かれちゃうんですよ。
この記事では、メルカリでの電子ピアノ取引に関するあなたの「わからない」をすべて解決します。購入者・出品者それぞれの視点から、取引のA to Zを徹底的に解説していきますね。
- メルカリで失敗しない電子ピアノの選び方
- 送料の仕組みと「総額コスト」の計算方法
- 出品者が得する「配送戦略」と価格設定
- 主要メーカー・人気モデルのリアルな取引相場
電子ピアノをメルカリで買う時の注意点

メルカリで電子ピアノを探すと、魅力的な価格の商品がたくさん見つかりますよね。でも、その安さに飛びつく前に、いくつか確認すべき「落とし穴」があるんです。ここからは、メルカリで電子ピアノを買う時に「失敗しない」ための必須チェックポイントを、私の経験から詳しく解説していきますよ。
失敗しない買い方:4つの確認点
購入ボタンを押す前に、最低でもこの4つは絶対に確認してください。これを怠ると、「安物買いの銭失い」になっちゃう可能性大ですよ。
1. 付属品(アダプター、ペダル、譜面立て)
まず、基本中の基本ですが、「付属品の確認」です。特に電子ピアノの場合、以下の3点が揃っているかは死活問題です。
- ACアダプター(これが無いと電源が入りません)
- サスティンペダル(これが無いとピアノらしい演奏ができません)
- 譜面立て(無いと地味に困ります)
商品説明に「本体のみ」と書かれている場合、これらが全部別売りになる可能性が高いです。ACアダプターだけでも数千円、ペダルや譜面立ても純正品を揃えたら、結局1万円近い追加出費になることも…。それ、本当に「お得」ですか?って話です。また、スタンドが一体型なのか、別売りのX型スタンドなどが付いてくるのかも要確認ですよ。
2. 商品の状態と修理履歴
次に、商品の状態です。「未使用に近い」とか「目立った傷なし」といった説明は、あくまで出品者の主観。必ず掲載されている写真を穴が開くほどチェックしてください。
特に見てほしいのは以下の点です。
- 鍵盤の黄ばみや汚れ: 白鍵は黄ばみやすいです。
- 本体の傷や打痕: 特に角の部分はぶつけやすいので注意。
- 液晶画面(あれば): 正常に表示されているか。
そして、もう一つ重要なのが「修理履歴」です。これについては、次の「修理履歴はマイナス要素じゃない?」で詳しく解説しますね。
3. 配送方法と「総額」の計算
これが購入時に最も重要なチェック項目と言っても過言ではありません。メルカリの電子ピアノ市場は、配送方法によって価格が全く異なります。
- 「送料込み」: 出品者が送料を負担(商品価格に含まれている)。
- 「着払い」または「直接引き取り限定」: 購入者が送料を負担するか、自分で取りに行く。
例えば、「A: 送料込み40,000円」と「B: 本体価格30,000円(着払い)」があったとします。Bの方が1万円安く見えますが、もし大型ピアノの送料が15,000円かかったら? 総額は45,000円となり、Aより高くなってしまいます。
常に「商品価格+配送料」の総額で比較するクセをつけてください。
4. 製造年とモデル
電子ピアノの技術は日進月歩。特に鍵盤のタッチ(センサー)や音源は、新しいモデルほど高性能です。出品情報に「2019年製」や「2021年モデル」といった記載があれば、必ずチェックしましょう。
外観がピカピカでも、10年前のモデルと3年前のモデルでは、演奏体験が全く違うこともあります。長期的に満足して使いたいなら、多少高くても新しいモデルを選ぶ方が賢明な場合が多いですよ。
どのモデルを選べばいいか迷ったら、基本的な選び方を解説した記事も参考にしてみてくださいね。
後悔しない電子ピアノ 88鍵盤 おすすめの選び方と人気モデル
付属品(アダプター・ペダル)の有無

先ほどの「4つの確認点」でも触れましたが、この付属品問題は本当に重要なので、もう少し深掘りしますね。
メルカリの出品を見ていると、「ピアノ本体のみです。アダプター、ペダル、スタンドは付属しません」という説明書き、結構多くないですか? これ、出品者からすれば「付属品を個別に売った方が高く売れる」とか「元々捨ててしまった」という事情があるかもですが、購入者にとっては大きなトラップです。
特に注意したいのが「専用スタンド」と「3本ペダルユニット」です。
ポータブルタイプの電子ピアノ(YAMAHA P-125やCASIO PX-S1000など)は、本体だけだとテーブルや別売りのX型スタンドに置くことになります。これでも演奏はできますが、グラグラして安定しなかったり、高さが合わなかったりして、正しいフォームが身につかない原因にもなります。
メーカーがオプションで用意している「専用スタンド」は、そのモデルに合わせて設計されているため、見た目の一体感と安定性が抜群です。さらに、この専用スタンドとセットで「3本ペダルユニット」が用意されていることが多いんです。
POINT: 3本ペダルの重要性
ピアノ経験者ならわかりますが、本格的なクラシック曲などを弾く場合、音を伸ばす「サスティンペダル」以外に、音を弱める「ソフトペダル」や、特定の音だけを伸ばす「ソステヌートペダル」を使います。付属の簡易的なペダル(四角いスイッチみたいなやつ)は、サスティン機能しかありません。
「YAMAHA FC3A」のようなハーフペダル(ペダルの踏み込み具合で伸び方を調整できる)に対応した高性能ペダルが付属しているかどうかも、演奏の表現力に大きく影響しますよ。
もし出品されているピアノが「本体のみ」で、あなたが後から専用スタンドと3本ペダルユニットを買い足すことになったら…。
例:YAMAHA P-125の場合
- 専用スタンド (L-125): 新品で約15,000円
- 3本ペダルユニット (LP-1): 新品で約9,000円
合計で約24,000円もの追加費用がかかる計算です。(※価格はあくまで目安です)
メルカリで本体を安く買えた!と喜んでいたら、付属品で新品を買うのと変わらない金額になってしまった…なんて悲劇もあり得ます。「本体のみ」の出品を購入する場合は、これらの付属品を別途購入する費用と手間を覚悟の上で判断してくださいね。
送料はいくら?総額で価格比較

さあ、メルカリ電子ピアノ取引の最大のキモ、「送料」の話です。ここを理解しないと、絶対に損します。
データベースの分析でも明らかなように、この市場は「物流コスト」によって完全に二極化しています。
- 高額・送料込み・全国発送(たのメル便などを利用)
- 低価格・直接引き取り・ローカル限定
あなたが購入者として比較すべきは、この2つのパターンの「総額コスト」です。
例えば、あなたがKAWAIのCN27(据え置き型)を探しているとします。
MEMO: 比較ケーススタディ:KAWAI CN27
- 出品A: 65,000円(送料込み)
- 出品者が「梱包・発送たのメル便」などで発送。あなたは自宅で待っているだけでOK。
- 総額コスト: 65,000円
- 出品B: 31,000円(直接引き取り限定 / 埼玉県川口市)
- 出品者の自宅(例:アパートの2階)まで自分で取りに行く必要がある。
- 総額コスト: 31,000円 + あなたの「運搬コスト」
この「運搬コスト」がクセモノです。CN27クラスの据え置き型ピアノは、重量が約40kg~50kg、分解してもかなりの大きさになります。乗用車にはまず積めません。
もしあなたが東京都内で、出品Bを引き取りに行く場合、
- レンタカー代(ハイエースなど):約8,000円~
- 高速代・ガソリン代:約2,000円~
- 運搬を手伝ってくれる友人へのお礼:?円
- あなたの労働時間(往復+搬出入):?時間
これだけで軽く1万円以上の「目に見えるコスト」がかかります。さらに、搬出入を手伝う大人の男性が最低2人は必要です。もし、これを運送業者に依頼したら、数万円の運搬費がかかり、あっというに出品Aの総額を超えてしまいます。
CAUTION: 「直接引き取り」のリスク
「自分で運べば安い」と思いがちですが、運搬中の事故(落として壊す、壁にぶつけて傷つける)のリスクはすべて自己責任です。また、出品者の自宅(例:アパートの2階 階段のみ)からの搬出は、想像以上に過酷な作業になる可能性があります。
「直接引き取り」は、運搬手段(車)と人手を自前で格安に用意できる人限定の「上級者向け」選択肢だと、私は考えています。
結論として、多くの人にとっては、多少高く見えても「送料込み」(特に「梱包・発送たのメル便」)の出品を選ぶ方が、トータルの手間とリスクを考えると圧倒的に「安く」て「安全」なんですよ。
壊れたピアノ(ジャンク品の)価値

メルカリを見ていると、「ジャンク品」「音が出ません」「鍵盤が一つ戻らない」といった、壊れた電子ピアノが出品されていることがあります。「こんなの誰が買うの?」と思うかもですが、実はこれ、特定のニーズを持つ人にとっては「お宝」になる可能性があるんです。
もしあなたが「ちょっとDIYが得意」とか「メカに強い」タイプなら、ジャンク品を狙うのも一つの手かもしれませんよ。
ジャンク品には、主に3つの活用法があります。
1. 修理・再販目的
これは、修理技術を持つプロや、腕に自信のある個人の領域ですね。症状が「アダプターの接触不良」や「特定のスイッチの故障」といった軽微なものであれば、安価に仕入れて修理し、正常動作品として再販することで利益を出すことができます。メルカリで安く仕入れて、修理してヤフオクで売る、なんて人もいます。
2. 部品取り(パーツ回収)目的
これが一番多いニーズかもしれません。電子ピアノはモデルが古くなると、メーカーの部品保有期間が過ぎて修理(パーツ交換)ができなくなります。
例えば、「自分が持っているピアノの鍵盤が1本折れちゃったけど、メーカーに部品がない…」という人が、同じモデルのジャンク品を買って、正常な鍵盤だけを取り出して移植する、といった使い方です。
他にも、
- 内部の電子基板
- スピーカーユニット
- 譜面立てやペダル、専用スタンドなどの付属品
こういったパーツが欲しい人にとっては、本体が壊れていてもまったく問題ないわけです。
3. コレクション・装飾目的
数は少ないですが、レトロなデザインの電子ピアノや、今はなきメーカーの珍しいモデルなどは、動作しなくてもコレクターアイテムとして価値を持つことがあります。また、カフェやアパレルショップが、お店のディスプレイ(装飾品)として、あえて古いピアノを置く、なんてケースもありますね。
MEMO: 出品者側から見ても…
逆に言えば、もしあなたの電子ピアノが壊れてしまって、「処分にお金がかかるなぁ…」と悩んでいる場合。廃棄する前に「ジャンク品」としてメルカリに出品してみる価値は十分にあります。「部品取り」のニーズは意外とあるので、数千円でも売れる可能性があるんですよ。
修理履歴はマイナス要素じゃない?
「4つの確認点」のところで、「修理履歴」について触れました。普通、中古品を買う時って「修理歴あり」って書かれていると、ちょっと敬遠しちゃいますよね。「一回壊れたってことは、またすぐ壊れるんじゃ…」って。
でも、電子ピアノに関しては、「修理履歴」は一概にマイナス要素とは言えない、と私は考えています。むしろ、内容によってはプラス評価になることさえあるんですよ。
データベースにもあった、KAWAI CN27(2017年製)の例を見てみましょう。
POINT: 事例:KAWAI CN27(2017年製)
ある出品者が、「電源スイッチと鍵盤スイッチ(センサー)を修理済み」と明記していました。これ、一見すると「あ、壊れたんだ」とネガティブに捉えられますよね。
でも、考えてみてください。電子ピアノの鍵盤センサーやスイッチ類は、消耗品です。特に2017年製ともなれば、製造から5年以上経過しています(※データベースの年式に基づく仮定)。同じ時期に製造された「修理歴なし」の個体は、近い将来、今まさに修理されたのと同じ箇所が故障するリスクを抱えているわけです。
この出品者がスゴイのは、もし「修理報告書」のような、正規の修理業者(メーカーや専門業者)が発行した書類を提示できる場合です。
- 修理履歴あり(報告書付き):
- 故障しやすい消耗品が「新品に交換済み」であることが証明されている。
- 今後数年間は、その部分の故障リスクが極めて低い。
- =むしろ、適切なメンテナンスが施された「アタリ」個体かも!
- 修理履歴なし(同年代):
- 今まで壊れなかったのは幸運だっただけかも。
- いつ消耗品が寿命を迎えて故障するか、時限爆弾を抱えている状態かもしれない。
もちろん、「素人が自分で修理しようとして失敗した」みたいな履歴は最悪ですが、メーカーや専門業者による「正規の修理履歴」は、そのピアノの信頼性を高めるプラス要素になり得るんです。
「修理済み」という言葉だけで判断せず、「いつ」「どこで」「どの部分を」修理したのか、可能なら出品者にコメントで質問してみると、そのピアノの本当の状態が見えてくるかもしれませんよ。
直接引き取りのメリットと注意点

メルカリの電子ピアノ取引で、最も価格が安くなる魔法。それが「直接引き取り」です。
出品者からすれば、梱包の手間や高額な送料から解放されるため、その分、本体価格を思いっきり下げることができます。KAWAI CN27が「9,999円」なんていう、買取業者もびっくりの破格で出品されるのは、すべてこの「直接引き取り」が前提だからです。
購入者にとってのメリットは、もちろん「価格」です。
メリット:
- 市場価格の半額以下(時には10分の1)で手に入る可能性がある。
- 出品者の近所に住んでいれば、交通費だけで済む。
- 送料という数万円のコストを「ゼロ」にできる。
しかし、この「送料ゼロ」という言葉の裏には、「あなたの労働力と車がコスト代わり」という意味が隠されています。
データベースにあった埼玉県川口市の例 4 のように、「賃貸の2階に住んでいます」「1階まで運ぶのは手伝います」と具体的に書かれている場合、購入者は以下のタスクをすべてクリアする必要があります。
注意点(購入者のタスク):
- 運搬車両の手配:据え置き型ピアノ(分解しても)が積める車。ミニバンやハイエースクラスが必要です。持っていなければレンタカーを手配(費用発生)。
- 人員の確保:出品者は「1階まで」しか手伝ってくれません。そこから車に積み込み、あなたの自宅(例えば3階エレベーターなし)に運び込むのは、あなた自身です。最低でも大人の男性2名が必須です。
- 梱包資材の準備:そのまま車に積むと、車内もピアノも傷だらけになります。毛布や緩衝材(プチプチ)などを大量に用意する必要があります。
- スケジュールの調整:出品者の都合と、あなたの都合、手伝ってくれる友人の都合、レンタカーの予約…すべてを合わせる必要があります。
- 万が一のリスク:運搬中に落として鍵盤が折れた。アパートの壁紙を破ってしまった。車を擦った。これらすべてのリスクは、あなたが負います。
CAUTION: 安全と費用に関する警告
「直接引き取り」は、一見すると最も安価な方法ですが、上記のリスクと実費(レンタカー代、ガソリン代など)を考慮すると、「梱包・発送たのメル便」で数万円の送料を払うのと、トータルの「コスト(手間・リスク・実費)」は変わらない、むしろ高くつく可能性すらあります。
特に、搬出入の経験がない方が重量物(電子ピアノは30kg〜70kgあります)を運ぶのは、怪我(ぎっくり腰など)や家財の破損に繋がる重大なリスクを伴います。決して無理をせず、自分の状況(車、人手、経験)を客観的に判断してください。
結論として、「直接引き取り」は、「自宅(または会社)にハイエースがあり、力持ちの友人がすぐ呼べて、出品者の家が本当に近所」という、かなり限定的な条件を満たせる人以外には、私はあまりオススメできませんね。
電子ピアノ メルカリ出品と配送ガイド
さて、ここまでは購入者向けのガイドでした。ここからは視点を変えて、「出品者」としてメルカリで電子ピアノをどう売るか、その完全戦略を解説します。メルカリは、買取業者の査定額(例:PX-S1000が7,500円)の4倍から5倍(例:35,000円)の価格で売れる可能性がある、出品者にとって夢のような市場です。でも、その利益を得るには「配送」という最大の山を越えなきゃいけません。
出品戦略:送料込みか着払いか
あなたが電子ピアノを出品しようと決めた時、最初に決めるべきは「価格」ではありません。「配送をどうするか」です。この選択が、あなたの出品価格と売れやすさのすべてを決定します。
戦略は大きく分けて2つです。
戦略1: 「送料込み」(全国戦略)
これは、メルカリの「梱包・発送たのメル便」などを利用し、商品価格に「あらかじめ全国一律の送料」を上乗せして出品する方法です。これが今、最も主流で「売れやすい」戦略だと私は思います。
POINT:
価格設定例(YAMAHA P-125の場合):
(本体で受け取りたい価格)30,000円
+ (たのメル便の推定送料)約10,000円
= 出品価格 40,000円(送料込み)
- メリット:購入者は「40,000円ポッキリ」で買えるとわかるため、安心して購入ボタンを押せます。送料計算の手間がなく、日本全国のユーザーが販売対象になるため、売れるスピードが速いです。出品者も「たのメル便」なら梱包・発送の手間が最小限で済みます。
- デメリット:出品価格が「40,000円」と高額に見えるため、価格の安さだけを求めるユーザー(主に「直接引き取り」狙い)からは敬遠されます。
戦略2: 「着払い」または「直接引き取り」(地域戦略)
これは、配送の手配と費用をすべて購入者に丸投げする方法です。出品者としては、梱包・発送の手間から完全に解放されます。
MEMO:
価格設定例(KAWAI CN27の場合):
出品価格 9,999円(直接引き取り限定)
- メリット:「9,999円」という圧倒的に安い価格で出品できるため、検索結果でめちゃくちゃ目立ちます。近所の人が「車と人手があるから」と買ってくれる可能性があります。
- デメリット:販売対象が、あなたの自宅まで(例:埼玉県川口市)車で来られる範囲の人に限定されます。これにより、売却までに非常に時間がかかるか、最悪の場合、誰からも買われずに売れ残るリスクがあります。
どちらの戦略を選ぶかは、あなたが「多少利益が減っても(送料を負担しても)早く・楽に売りたい」のか、「売れるまで時間がかかってもいいから、手間をかけずに(直接引き取りで)売りたい」のか、によります。
私のオススメは、断然「戦略1:送料込み」です。手数料と送料を引いても、買取業者の査定額よりはるかに多くの利益が残る可能性が高いからです。
電子ピアノの配送はどうする?
もしあなたが「送料込み」で売ると決めた場合、次にぶつかるのが「どうやって送るの?」という問題です。そして、もし「着払い」で売る場合も、購入者から「送料はいくらですか?」と必ず質問が来ます。どちらにせよ、出品者は送料の知識が必須です。
なぜ電子ピアノの送料は高いのか? その理由は、「重い」からではなく、「デカい」からです。
多くの宅配便(クロネコヤマトや佐川急便)には、「3辺合計(タテ+ヨコ+高さ)260cm」という、通称「260cmの壁」が存在します。
- 小型(キーボードタイプ):例:3辺合計123cm。これは通常の宅急便やゆうパックで送れます。
- 中型(スリム据置型):例:CASIO PX-770(3辺合計248.8cm)。ギリギリ260cm以内です。分解・梱包すれば佐川急便の「飛脚ラージサイズ宅急便」などで送れるかもしれません。
- 大型(コンソール型):例:Roland LX705(3辺合計288.9cm)。はい、260cmオーバーです。
この「260cmの壁」を超えた瞬間、通常の宅配便はすべて「配送不可」となります。残る選択肢は、「引越し業者」や「ピアノ専門運送業者」、あるいは「赤帽」などに個別に依頼するしかありません。これが、数万円単位の配送料が発生する理由です。
この複雑怪奇な「DIY発送」は、正直、素人には難易度が高すぎます。
CAUTION: DIY発送(自分で手配)の地雷原
中型・大型ピアノを自分で送ろうとすると、以下のタスクが発生します。
- 分解と梱包: まず、ピアノをスタンドから外し、適切に分解する必要があります。そして、あの巨大な本体とスタンドをすべて保護できる巨大なダンボールと大量の緩衝材を自分で調達し、梱包しなければなりません。
- 業者との交渉: 複数の引越し業者や運送会社に「ピアノのサイズはこれで、重さはこれで、どこからどこまで」と伝え、見積もりを取る必要があります。この交渉も一苦労です。
- 追加料金の罠: 見積もりは「玄関から玄関まで」の基本料金です。購入者の家が「エレベーターなしの3階」だった場合、階段作業費として数千円~数万円の「追加料金」が発生する可能性があり、料金トラブルの原因になります。
DIY発送について、さらに詳しい配送業者の比較を知りたい方は、当サイトのこちらの記事も参照してみてください。
電子ピアノの送料、佐川急便で賢く送る方法
電子ピアノ配送はヤマト?料金相場と安く運ぶコツ
…どうですか? 自分でやる気、なくなりましたよね?
そう、だからこそ、あの「神サービス」が登場するわけです。
梱包不要?たのメル便の活用法

出品者が、先ほど述べた「DIY発送の地雷原」をすべて回避し、安全かつ簡単に全国の購入者に商品を届けるための「イージーボタン」。それが、メルカリ公式の「梱包・発送たのメル便」です。
このサービスが、電子ピアノ出品者にとってなぜ「神」なのか。理由はシンプルです。
POINT: 「梱包・発送たのメル便」のメリット(出品者視点)
- 梱包が不要:あなたがやることは、ピアノの電源コードを抜いて待っているだけ。プロの配送員(ヤマトホームコンビニエンスのスタッフ)が自宅に来て、その場でピアノを「すべて梱包」してくれます。あの巨大なピアノを包むダンボールを探す必要も、緩衝材を買い集める必要もありません。
- 発送が不要:梱包されたピアノは、そのままスタッフが「搬出」してくれます。あなたが重いピアノを玄関まで運ぶ必要もありません。
- 全国一律送料:送料はサイズ別に80サイズから450サイズまで決まっています。沖縄や北海道の離島でも追加料金は(基本的に)ありません。これにより「送料込み」価格が非常に設定しやすくなります。
- 匿名配送・補償付き:お互いの住所を知らせる必要がなく、万が一の配送事故(破損など)にもメルカリの補償が適用されます。
データベースの情報や私の調査によると、この「たのメル便」は、2022年12月頃から「楽器類」の取り扱いを正式に開始しました。Impress Watch(2022年12月9日付)などの報道によれば、この改定で「電子ピアノとキーボード」が対象になったとされています。これにより、メルカリでの電子ピアノ取引は劇的に安全で、簡単になったんです。
もちろん、この「梱包・搬出・配送・設置」のすべてがパッケージになっているため、送料は高額(データベースの例では1万円前後、大型ならそれ以上)になります。しかし、その高額なコストは、出品者が「DIY発送の地雷原」を回避し、安全と時間を買うための「保険料」であり「手数料」だと考えるべきです。買取業者に7,500円で買い叩かれることを思えば、1万円の送料を払ってでも35,000円で売る方が、はるかに合理的ですよね。
MEMO: 注意:たのメル便の利用条件
サービス内容は変更される可能性があります。特に「3辺合計サイズ」や「重量」の上限、また「電子ピアノ」が現在も確実に対象かは、出品前に必ずメルカリアプリの最新のガイドラインやヘルプセンターで確認してください。「たのメル便が使えない」となると、出品戦略の根本が崩れてしまいますからね。
メーカー別・電子ピアノの相場一覧
では、実際にメルカリでは、どのメーカーのどのモデルが、いくらぐらいで取引されているんでしょうか? ここでは、主要メーカーの人気モデルについて、取引相場と「なぜその価格になるのか」を分析します。
価格は、状態、付属品の有無、そして何より「配送方法(送料込み or 直接引き取り)」によって大きく変動することに注意してくださいね。
| メーカー | モデル | メルカリ取引価格 (目安) | 買取・他社相場 (目安) | ピア憎の分析コメント |
| YAMAHA (ヤマハ) | P-125 | ¥30,000~¥51,600 (売却済: ¥38,600) | オークション: ¥26,000~¥30,000 | ポータブル機の超人気モデル。需要が高く価格が安定しています。¥38,600の売却例は「本体¥30,000+送料約¥8,600」の送料込み価格と推測され、相場の基準になりますね。 |
| CASIO (カシオ) | PX-S1000 | ¥29,800~¥58,000 (中心: ¥35k~¥45k) | 買取: ¥7,500 | メルカリで売るべき象徴的なモデル。買取価格(¥7,500)とメルカリ相場(¥35,000~)で約5倍の価格差が生まれています。これは出品者が「たのメル便」などの高額な送料を払ってでも、メルカリで売る価値があることを示しています。 |
| Roland (ローランド) | FP-30 | ¥44,000~¥59,000 | (新品FP-30X: ¥79,000~) | 音質と鍵盤タッチに定評があり、ブランド価値が高いです。新品価格(後継機)が高いため、中古価格も高値で安定しています。リセールバリュー(資産価値)が非常に高いモデルと言えます。 |
| KAWAI (カワイ) | CN27 | ¥9,999~¥68,888 | オークション(平均): ¥29,218 (買取CN29: ¥15,000) | メルカリ市場の「二極化」を最も象徴するモデル。価格差が約7倍もありますが、理由は100%「配送方法」です。 <strong>・¥9,999~: 直接引き取り</strong> <strong>・¥65,000~: 送料込み</strong> この差額(約3~5万円)こそが、大型コンソールピアノの「梱包・発送コスト」そのものなんです。 |
※上記はあくまで過去の取引データやデータベース情報に基づく目安です。実際の取引価格を保証するものではありません。
この表からわかるように、メルカリの価格は「買取価格」とは全く連動していません。むしろ、「新品価格」と「配送コスト」によって決まっているんです。特にCASIOやKAWAIの例は、出品者がメルカリの複雑な配送に取り組むだけの「十分すぎる利益」が存在することを示していますね。
電子ピアノ メルカリ取引成功の鍵
さて、長々と解説してきましたが、メルカリで電子ピアノ取引を成功させるための「鍵」は、もうお分かりですよね?
購入者と出品者、それぞれの立場で結論をまとめます。
POINT: 購入者への提言:常に「総額」で判断せよ
メルカリは、電子ピアノを安く手に入れる素晴らしい市場です。しかし、「表示価格」だけを見てはいけません。
あなたが支払うべき「価格」とは、「商品本体価格 + 配送料 + 不足している付属品の購入費用」の合計です。
最も安く買う方法は、近所の出品者から「直接引き取り」で買うことです。しかし、それには運搬車両と人手という「物流コスト」を自分で負担できる場合に限られます。
それが不可能な場合、「送料込み」(特に「梱包・発送たのメル便」)の出品に絞り込み、その価格には既に数万円の「梱包・配送・設置サービス料」が含まれていると理解した上で、総額で判断することが、最も賢明で安全な「買い方」ですよ。
POINT: 出品者への提言:「たのメル便」で全国に売れ
メルカリは、あなたの電子ピアノを、買取業者の数倍(時には5倍以上)の価格で売却できる、唯一無二のプラットフォームです。
その利益を最大化する鍵は、高額な送料という「障壁」を、いかに「戦略」に変えるかです。あなたにとっての最強の武器は「梱包・発送たのメル便」です。これ一択と言ってもいいかもしれません。
このサービスは、梱包・発送という最大のハードルを消し去り、あなたの販売対象を「近所の人」から「日本全国の購入希望者」へと一気に拡大します。
出品価格は「(本体の希望価格)+(たのメル便の送料)」で設定し、商品説明欄に付属品の有無や修理履歴(もしあれば)を正直に、詳細に記載してください。
高額な取引だからこそ、その「透明性」と「信頼性」が、購入者の最後のひと押しに繋がるんです。面倒な物流をメルカリに任せて、賢く利益を確定させましょう!

