「yamaha ck61 中古」と検索しているあなたへ。このキーワードでたどり着いたということは、ヤマハのステージキーボードCK61に興味があり、その魅力や実用性、そして中古で手に入れるメリットについて知りたいと考えているだろう。
CK61は2023年3月に発売された比較的新しいモデルで、ライブやバンド演奏のために必要な機能が厳選され、直感的に操作できる設計が特長だ。特に注目すべきは、その圧倒的な軽量性と、内蔵スピーカーおよび電池駆動に対応している点だろう。これにより、場所を選ばずにどこでも気軽に演奏できる自由度を実現している。
また、CP/YCシリーズから受け継いだ高品質なピアノ、エレピ、オルガンなどの音源を363種類搭載し、バンドで即戦力となるサウンドが網羅されている。さらに、直感的でシンプルなOne-to-Oneインターフェースにより、初心者でも迷うことなく音作りや設定が行える使いやすさも大きな魅力だ。
この記事では、そんなYAMAHA CK61の具体的な魅力や、中古市場での購入を検討する上で役立つ情報について詳しく解説していく。
- 軽量で高い携帯性を持ち、内蔵スピーカーと電池駆動に対応している
- 直感的でシンプルなOne-to-Oneインターフェースにより、音作りや設定が容易である
- CP/YCシリーズの音源を受け継ぎ、ピアノ、エレピ、オルガンなど363種類の高品質な音色を搭載している
- マイク入力、Bluetoothオーディオ、USB接続など多様な接続性を備えている
YAMAHA CK61中古の魅力と性能

- CK61の主な特長
- 直感操作One-to-Oneインターフェース
- 多彩な内蔵音色
- ライブセットと音色管理
- マイク入力とBluetooth機能
- USB接続による機能拡張
CK61の主な特長
YAMAHA CK61は、ライブやバンド演奏に最適な軽量ステージキーボードとして、2023年3月に発売された。このモデルは、プレイヤーが演奏に集中できるよう、機能と操作性にこだわり抜いて設計された。多機能ながら直感的な操作を可能にする「One-to-Oneインターフェース」が大きな特徴だ。
まず、大きな魅力の一つは、その圧倒的な持ち運びやすさに尽きる。本体質量はわずか5.6kgで、同社のYCシリーズやCPシリーズと比較しても非常に軽量に抑えられている。これは、日常的に楽器を持ち運ぶアクティブなキーボーディストにとって、大きなメリットだ。自転車での移動も楽にこなせるとの声もあるほどだ。
次に、演奏場所を選ばない自由度の高さも特筆すべき点だろう。CK61は、ヤマハのステージキーボードシリーズとして初めてステレオスピーカーを内蔵し、電源アダプターだけでなく単3電池8本での駆動にも対応する。これにより、外部PAや電源がない環境でも、すぐに演奏を楽しめる。例えば、楽屋でのちょっとした音出しや、屋外でのストリートライブにも対応可能だ。電池駆動時間は最大で約4.5時間とされている。
音源については、プレミアムコンサートグランドピアノの「CFX」や「S700」を含む、アコースティックピアノ、ビンテージエレピ、FMエレピ、オルガンサウンドなど、ライブで必要とされる363種類の多彩な音色を搭載している。これは、多すぎる音色の中から必要なものを探す手間を省き、すぐに演奏に入れるようにという配慮からきている。
さらに、A/Dインプット(マイク入力)やBluetoothオーディオ接続にも対応しており、マイクや外部インストゥルメントを接続して弾き語りをしたり、スマートフォンなどから伴奏を流したりしながら演奏することも可能だ。これにより、一台で完結するパフォーマンスが実現する。
YAMAHA CK61は、煩わしい操作を排し、直感的なOne-to-Oneインターフェースによって演奏に集中できる環境を提供する。これにより、キーボード初心者や軽音楽部の学生にも強く勧められるモデルだ。
直感操作One-to-Oneインターフェース

YAMAHA CK61は、「One-to-Oneインターフェース」というコンセプトに基づいて設計された。これは、一つの物理的なコントローラー(ノブ、ボタン、スライダー)が、一つの特定の機能に割り当てられている状態を指す。この設計思想により、複雑なメニュー操作に深く入り込むことなく、必要な音作りやエフェクト調整を直感的に行えるのが最大の利点だ。
ライブ演奏中には、瞬時の音色変更やエフェクトのオンオフが求められる。CK61は、この要求にしっかりと応えている。例えば、フィルターやエンベロープジェネレーター(EG)、ドライブ、エフェクト1、エフェクト2といったサウンドメイキングの主要な要素には、それぞれ独立したノブやボタンが備わっている。これにより、演奏中でもサウンドの変化をリアルタイムでコントロールできるのだ。
特に、オルガンサウンドの調整においては、物理的なドローバーが搭載されており、ビンテージオルガンを操作するような感覚で、倍音の成分量を直感的に調整できる。これは、他の同価格帯のシンセサイザーでは珍しい特徴であり、本格的なオルガン演奏を志すプレイヤーにとって非常に魅力的なポイントだろう。
また、操作の分かりやすさは視覚的な要素にも及ぶ。暗いステージ上でも操作子がはっきりと分かるよう、各エフェクトのボタンにはLEDライトが搭載されている。さらに、パラメーターの変化がディスプレイ上でリアルタイムにアニメーション表示される機能も、視覚的に分かりやすく、音作りの楽しさを一層高める。
音色の管理においても、この直感性は生きている。「ライブセット」機能を使えば、音色やエフェクト設定をまとめて保存できる。8つのライブセットサウンドを瞬時に切り替えられるボタンに加え、20ページ分(合計160サウンド)を管理できるため、多様な楽曲に対応可能だ。スプリットやレイヤーの設定もフロントパネルから直接行えるため、メニュー画面に潜る必要がない。
このように、CK61のOne-to-Oneインターフェースは、キーボーディストが演奏に集中し、クリエイティブな表現を瞬時に形にできる環境を整えている。そして、シンセサイザーの操作に不慣れな初心者でも、直感的に音作りを楽しめるように設計されているため、迷うことなく音楽表現に没頭できるはずだ。
多彩な内蔵音色

YAMAHA CK61は、そのコンパクトなボディに、ライブ演奏で即戦力となる厳選された363種類の音色を搭載している。他の多機能シンセサイザーが1000種類以上の音色を持つ中で、CK61は「量より質」の戦略を取り、バンド活動に本当に必要な音色に焦点を当てた。これにより、プレイヤーは音選びに迷うことなく、スムーズに演奏に移行できるのだ。
音源方式には、ヤマハのフラッグシップシンセサイザーMONTAGEやMODX+、ステージピアノCPシリーズにも採用されている「AWM2」と、オルガンに特化した「AWM音源 (Organ Flutes)」を使用している。この上位機種譲りの音源により、CK61は高いクオリティのサウンドを実現している。
内蔵されている主な音色のカテゴリーは以下の通りだ。
- ピアノ: ヤマハのプレミアムコンサートグランドピアノ「CFX」や「S700」のサウンドを含む。これらのアコースティックピアノ音色は明瞭でリアルだと評価され、一部のユーザーはCP88のCFXよりもCK61のCFXの方がクリアに聞こえると指摘している。アップライトピアノの音色も含まれ、バンドサウンドに深みや異なる雰囲気をもたらす。
- エレクトリックピアノ (EP): ビンテージエレピやFMエレピの音色を網羅。特に「78Rd」や「73RdStudio」といった定番のEPサウンドは、コーラスやフェイザーを組み合わせることで、さらに表情豊かな音作りが可能だ。
- オルガン: Organ Flute音源によるビンテージオルガンからトランジスタオルガンまで、多彩なオルガンサウンドを収録。物理ドローバーが搭載されているため、直感的に音色を調整できるのは大きな強みだ。ロータリースピーカーのエフェクトも2種類用意され、リアルなオルガンサウンドを再現する。
- シンセサイザー・パッド: アナログスタイルのパッド、リード、ベース、ブラス、ストリングスなど、現代の音楽シーンで不可欠なシンセサウンドが豊富に用意されている。複雑なメニュー操作なしにコントロールできるため、マッシブなシンセサウンドの作成も容易だ。
- その他の楽器: ストリングス、ブラス、ギターなど、幅広い楽器のサウンドが含まれ、多様なバンドスタイルに柔軟に対応できる。
加えて、CK61はエフェクト機能も充実している。ドライブ(5タイプ)、36種類のインサーションエフェクトを2系統、ディレイ(4タイプ)、リバーブ(3タイプ)、3バンドマスターEQなどを搭載し、サウンドを自由に加工できる。例えば、ローズ系のエレピ音色にエフェクトを組み合わせることで、80年代AOR風のサウンドや、改造ローズ風のサウンドも簡単に再現できる。
CK61は、限られた音色数ながらも、その一つ一つが高いクオリティを持ち、特にバンド演奏で活躍する音色が充実している。また、上位機種譲りの音源と豊富なエフェクトを直感的に操作できるため、プレイヤーのクリエイティビティを最大限に引き出す。
ライブセットと音色管理
YAMAHA CK61は、ライブパフォーマンスにおいて音色を素早く切り替え、管理するための強力な機能「ライブセット」を備えている。これは、単に音色を選ぶだけでなく、エフェクトの設定やボリュームバランス、スプリットやレイヤーといった詳細な設定までをまとめて保存できる機能だ。これにより、プレイヤーは演奏中にシームレスな音色変更を行い、楽曲の展開に合わせて表現を変化させられる。
ライブセットは「ライブセットサウンド」として保存され、合計160種類もの音色設定を本体に登録できる。工場出荷時には80種類のプリセットライブセットサウンドが用意されており、残りの80種類にはユーザーが作成した音色を自由に登録可能だ。これらのライブセットサウンドは、8つの専用ボタンと20ページの切り替えによって瞬時に呼び出すことができる。例えば、曲のセクションごとに異なる音色を事前に設定し、ボタン一つで切り替える、といった使い方が可能になる。
音色の作成や編集も非常に直感的だ。CK61のフロントパネルには、3つの独立したパート(A, B, C)が用意されており、それぞれに異なる音色を設定し、瞬時にレイヤー(音色を重ねる)したり、スプリット(鍵盤を分割して異なる音色を割り当てる)したりできる。これらの操作は、ほとんどメニュー画面に潜ることなく、専用のボタンやスライダーで行えるため、演奏の集中力を途切れさせずに音作りを進められる。
作成したライブセットサウンドは、本体に保存するだけでなく、USBフラッシュメモリーへのバックアップや、ヤマハの「Soundmondo」サービスを利用した共有も可能だ。大切な設定が失われるリスクを低減し、他のユーザーと音色を共有できる利便性も兼ね備える。
さらに、ライブセットサウンド名の編集、並び替え、コピー、初期化といった管理機能も充実しており、ユーザーが自身のニーズに合わせて効率的に音色ライブラリを整理できる。例えば、特定の曲用のライブセットページを作成し、その中の音色を細かく調整するといった運用も容易だ。
視覚的なフィードバックも充実しており、各パートのLEDカラーをカスタマイズすることで、どのパートの音を編集しているか、あるいはどの音色が現在アクティブになっているかを一目で確認できる。これにより、暗いステージ環境でも迷うことなく、正確な操作を行えるよう設計されている。
マイク入力とBluetooth機能
YAMAHA CK61は、ライブや練習の多様なシーンに対応するため、便利なマイク入力とBluetooth機能を搭載している。これにより、単なるキーボードとしての演奏にとどまらず、より幅広い用途での活用が可能になる。
まず、本体背面にはA/D INPUT端子が備わっており、ここにボーカルマイクや外部インストゥルメントを接続できる。この外部入力には、専用の2系統エフェクトプロセッサーが用意されており、ドライブ(5タイプ)、エフェクト1、エフェクト2(それぞれ36タイプ)を適用できる。また、コンプレッサーやEQ、ノイズゲートといった、ボーカルや楽器の音質を調整するためのエフェクトも利用できるのが嬉しい。これらのエフェクト設定は、ライブセットサウンドごとに保存できるため、曲やシーンに合わせて瞬時に音質を調整することが可能だ。マイクや楽器の音を本体のスピーカーやラインアウトから出力するだけでなく、USBオーディオインターフェース機能を使ってパソコンやスマートデバイスにそのまま録音することもできる。これにより、弾き語りの練習や、小規模なセッションでの録音、動画制作や配信にも手軽に対応できるだろう。
次に、Bluetooth®オーディオ再生機能も大きな魅力だ。Bluetoothバージョン4.1に対応し、スマートフォンや携帯音楽プレーヤーなどのBluetooth対応機器とワイヤレスで接続できる。例えば、お気に入りの楽曲や伴奏トラックを本体スピーカーや接続したPAスピーカーから流しながら、それに合わせて演奏するといった使い方が可能になる。これは、特に音源と自分の演奏の音量バランスが取りにくいといった練習時の悩みを解消し、より効率的な練習をサポートする。一部のユーザーは、これによってインイヤーモニターなしでバンドメンバーとの一体感を得られたと述べている。ただし、Bluetoothヘッドホンやスピーカーへの接続、およびBluetooth MIDIの送受信には対応していない点には注意が必要だ。
このように、CK61はマイクや外部楽器の接続、そしてBluetoothオーディオ再生によって、キーボード一台で完結する弾き語りやセッション、効果的な練習環境を提供する。また、USBオーディオインターフェース機能と組み合わせることで、手軽に録音や配信まで行えるため、クリエイティブな活動の幅を広げてくれるだろう。
USB接続による機能拡張
YAMAHA CK61は、豊富なUSB接続機能を備え、様々な形で機能を拡張できる。これにより、音楽制作やパフォーマンスにおいて、パソコンや外部ストレージとの連携をスムーズに行うことが可能となる。
まず、USB [TO HOST]端子は、CK61をコンピューターと接続するための主要なインターフェースだ。この接続によって、CK61はMIDIキーボードとして機能し、パソコン上のDAW(デジタルオーディオワークステーション)やソフトウェア音源を演奏できる。さらに、CK61はUSBオーディオインターフェース機能も内蔵しており、本体の音声をパソコンに直接録音したり、パソコンからの音声をCK61のスピーカーやヘッドホンから出力したりできる。これにより、複雑な配線なしに音楽制作環境を構築できるのは大きな利点だ。ただし、USB [TO HOST]端子を使用する際は、USB3.0ケーブルは非対応であること、また、接続する前には全てのアプリケーションを終了し、CK61の電源オン/オフやUSBケーブルの抜き差しは6秒以上間隔を空ける必要があるといった注意点がある。
次に、USB [TO DEVICE]端子は、USBフラッシュメモリーとの接続に特化している。この機能により、作成したライブセットサウンドをUSBフラッシュメモリーに保存(セーブ)したり、逆に保存済みのファイルを本体に読み込み(ロード)したりできる。これは、大切な音色設定のバックアップや、複数のCKシリーズユーザー間での設定共有に役立つだろう。
さらに、USB [TO DEVICE]端子に接続したUSBフラッシュメモリーからオーディオファイル(.wav形式、44.1 kHz、16 bit、Stereoのみ対応)を読み込み、再生できる機能も備わっている。この機能は「オーディオトリガー」と呼ばれ、特定の鍵盤にオーディオファイルを割り当てて、演奏中にSE(効果音)やバッキングトラックを再生することが可能だ。再生モードはワンショット、再生/停止、再生/一時停止の3種類から選べるため、ライブパフォーマンスや練習で柔軟に活用できる。
物理的なMIDI [IN]/[OUT]端子も搭載されており、CK61を外部MIDI機器のコントローラーとして使用したり、外部MIDIキーボードからCK61の音源を鳴らしたりできる。MIDIポートは用途によって2種類の設定が可能で、様々なMIDI環境に対応できるようになっている。
このように、CK61はUSB接続を通じて、MIDIキーボードとしての汎用性、オーディオインターフェースとしての利便性、そして外部ストレージとの連携による音色管理とオーディオ再生の拡張性を提供する。これにより、限られた機材構成でも、PCやスマートデバイスと連携することで、音楽制作からライブパフォーマンスまで幅広いニーズに対応できる。
YAMAHA CK61中古購入時のポイント

- 鍵盤の種類と演奏感
- デメリットや注意点
- 中古市場の価格相場
- バッテリー性能と駆動時間
- ファームウェア更新とサポート
- CK61におすすめアクセサリー
- Yamaha CK61 中古モデルから見えてくるその魅力と実用性
鍵盤の種類と演奏感
YAMAHA CKシリーズは、モデルによって異なる鍵盤を採用しており、それぞれの演奏感に特徴がある。CK61には「FSB鍵盤(イニシャルタッチ付)」が、CK88には「GHS鍵盤(黒鍵マット仕上げ・イニシャルタッチ付)」が搭載されている。
CK61のFSB鍵盤は、軽量でありながらも、幅広い表現力と安定性を実現した鍵盤とされている。その構造は「ガチッとした作りで遊びが少ない」と評され、ヤマハのステージキーボードやシンセサイザーでは初採用の鍵盤だ。一部のユーザーは、この鍵盤のタッチを「しっかりしたタッチ」「弾きやすい」と好意的に評価しており、黒鍵の奥が沈む感触が良いという意見もある。CK61は5.6kgという軽さと、最大限の演奏性を両立するためにFSB鍵盤が採用されたとされている。
一方、CK88に採用されているGHS(Graded Hammer Standard)鍵盤は、ヤマハのシンセサイザーMODX8+や他の電子ピアノにも広く使われているお馴染みの鍵盤だ。しかし、より上位機種であるCP88の鍵盤(GHS/GH3)と比較すると、ユーザーによってその評価は分かれる。CP88の鍵盤が「スムーズなアクション」や「軽くて反応が良い」と評されるのに対し、CK88のGHS鍵盤は「思っていたより浅い」「少し硬い」「速い連打が苦手」といった意見も聞かれる。特に、デリケートな演奏が難しいと感じるユーザーもいるようだ。
この演奏感の違いの一因として、「センサー」の違いが挙げられる可能性がある。CP88やYC88は「トリプルセンサー」を搭載しているのに対し、CK88は「デュアルセンサー」のみであるという情報がある。これにより、CK88では、特に強く速く弾いたときに音が「見逃される」感覚があるという指摘もある。
ただし、演奏感は個人の好みによるところが大きく、CK88のGHS鍵盤も「意外と悪くない」「やりたいことの99%はこれで十分」と感じるユーザーもいる。また、CK61/CK88では、鍵盤の打鍵の強さ(ベロシティー)に対する音源への入力値を調整する「Touch Sensitivity」設定があり、デプス(Depth)やオフセット(Offset)を変更することで、ある程度演奏感を好みに合わせることは可能だ。しかし、この設定はライブセットサウンドごとに保存されるため、グローバルな調整ではない点には注意が必要だろう。
結局のところ、CK61のFSB鍵盤は軽量ながら高い演奏性を追求した設計であり、CK88のGHS鍵盤はコストパフォーマンスに優れる一方、より高度な演奏表現では上位機種に及ばない可能性もある。しかし、ライブでの即戦力というCKシリーズのコンセプトを考えれば、十分な演奏感を提供していると言えるだろう。
デメリットや注意点
YAMAHA CK61/CK88は多くの魅力を備える一方で、購入を検討する際にはいくつかのデメリットや注意点も把握しておく必要がある。これらの点は、特に中古品を選ぶ際に、個体の状態や過去の使用状況と合わせて考慮すべき項目となるだろう。
まず、鍵盤の演奏感に関しては、特にCK88(GHS鍵盤)において意見が分かれる。上位機種であるCP88の鍵盤と比較すると、「浅い」「硬い」「デリケートな演奏が難しい」と感じるユーザーもいる。また、トリプルセンサーを搭載するCP88に対し、CK88はデュアルセンサーのため、速い連打などで音が「見逃される」ことがあるという指摘もある。さらに、一部のユーザーからは、使用に伴い鍵盤から「カタカタ」という異音が発生したとの報告も上がっているため、中古品購入時には鍵盤の状態を特に確認することが重要だ。
音質については、全体的に評価は高いものの、アコースティックピアノの音色が「暖かさやパンチに欠ける」「サンプリングゾーンが伸びている感じ」といった意見も散見される。また、「特定の共鳴音が耳障りになる」と感じるユーザーもいるため、個人の好みに合うか試奏で確認するのが望ましい。
内蔵スピーカーは非常に便利だが、騒がしい環境では音量不足を感じる場合がある。特に店舗での試奏時に、音量を最大まで上げないと聞こえにくいという意見もあるため、使用環境によっては外部アンプやPAシステムへの接続が必要となるだろう。
バッテリー駆動に対応している点は大きなメリットだが、公称約4.5時間の電池寿命に対し、使用する電池の種類によっては持続時間が短く感じる場合がある。特にアルカリ乾電池や一部の充電池では消耗が早いという報告があり、充電式ニッケル水素電池(NiMH)やリチウムポリマー(LiPo)電池の使用が推奨されている。
操作性に関しては、「ENTER」ボタンがShiftキーを兼ねるため、ショートカット操作時に両手が必要になる場面があるなど、一部で不便を感じる点もあるかもしれない。また、音色ごとのエフェクト固定設定やスピーカーEQモード(Normal/Table)など、細かな設定はメニューから行う必要があるため、事前にマニュアルで確認しておくと良いだろう。
YAMAHA CK61はプラスチックボディのため、CP88のような金属製ボディに比べて、長期使用における耐久性や質感に差を感じる可能性もある。また、Bluetooth機能はオーディオの受信には対応しているが、Bluetoothヘッドホンやスピーカーへの出力、あるいはBluetooth MIDIには対応していない。
これらのデメリットや注意点を踏まえた上で、CK61/CK88が自分の用途やニーズに合致するかどうかを総合的に判断することが、後悔のない選択に繋がるだろう。
中古市場の価格相場
YAMAHA CK61の中古品は、新品価格に比べてお得に手に入れる機会がある。CK61の新品希望小売価格は99,000円(税込)であり、CK88は154,000円(税込)で、いずれも2023年3月に発売されたばかりの比較的新しいモデルだ。しかし、中古市場ではすでに流通が確認されており、購入を検討する上で価格相場を把握することは非常に重要となる。
オンラインオークションサイトのデータを見ると、直近180日間のCK61の落札価格は、最も安いもので3,980円(これはソフトケースの価格だったようだが)、最も高いもので92,928円という幅広い範囲を示している。本体のみの落札価格の平均は約65,113円であった。例えば、使用されたCK61が65,450円や70,400円で落札された例があり、「ほとんど使用していない美品」が79,600円、アウトレット品が83,800円、そして未使用品が新品に近い92,928円で落札された事例もある。このことから、中古価格は商品の状態、付属品の有無、出品者(ストアか個人か)によって大きく変動することがわかる。
楽器全般の中古買取市場では、キーボードの買取相場は一般的に1万円から10万円程度とされている。買取価格はメーカーやモデルによって大部分が決まるが、傷や汚れの状態、取扱説明書や電源アダプターなどの付属品が揃っているかどうかも査定に大きく影響する。たとえ故障していても、修理可能であったり、ヴィンテージモデルや廃番品などで希少価値がある場合は買取対象となることもある。
中古品を探す際には、デジマート、メルカリ、Yahoo!オークションのようなオンラインプラットフォームが主な選択肢となる。また、イシバシ楽器のような楽器専門店のオンラインストアや、楽器買取専門店「楽器高く売れるドットコム」のようなサービスも参考になるだろう。中古品の価格は新品価格に比べて手頃であるため、予算を抑えつつ高機能なCK61を手に入れたいと考えるのであれば、商品の状態をしっかり確認し、相場を把握した上で、中古市場を積極的に活用するのが賢明な選択と言える。
バッテリー性能と駆動時間
YAMAHA CK61は、電源アダプター(PA-150B)での駆動はもちろん、単3電池8本でのバッテリー駆動にも対応している点が大きな特長だ。この機能により、電源が確保しにくい屋外や楽屋など、場所を選ばずに演奏できるという高い可搬性を実現している。
公称の電池寿命は、充電式ニッケル水素電池を使用した場合で約4.5時間とされている。これは、比較的長時間の演奏や練習にも対応できる時間といえるだろう。しかし、実際の使用感は、使用する電池の種類や演奏内容によって変動する。
一部のユーザーからは、一般的なアルカリ乾電池(例えばCostcoのDuracellやKirkland AA)を使用した場合、公称値よりも短い、1〜2時間程度の駆動時間しか得られなかったという報告もある。特に、マイク入力を使用するなど、キーボード内で処理負荷の高い機能を使っていると、バッテリーの消耗が早まる傾向があるようだ。
一方で、Pale Blue Earth社のリチウムポリマー(LiPo)充電式AA電池が、非常に優れた性能を発揮すると報告されている。これらの電池を使用した場合、5時間以上電源を入れっぱなしにしても、バッテリー残量表示がほとんど減らなかったという実例があり、バッテリー性能を最大限に引き出すためには、高品質な充電式電池の選択が非常に重要だ。
バッテリー使用時の注意点として、CK61には「オートパワーオフ機能」が搭載されている。これは、約15分間操作がないと自動的に電源が切れる機能で、電池駆動時にはデフォルトで有効になっている。電池の消耗を抑える上では便利だが、演奏中に意図せず電源が切れてしまうことを避けるため、必要に応じてこの機能を無効にすることも可能だ。また、電池残量が少なくなると、ディスプレイに警告表示が出て、内蔵スピーカーがオフになる場合があるため、早めの電池交換が推奨される。
したがって、CK61のバッテリー駆動の利便性を享受するためには、単3アルカリ乾電池ではなく、高性能な充電式ニッケル水素電池やリチウムポリマー電池の導入を検討すべきだ。これにより、CK61の持つ「どこでも演奏可能」という魅力を最大限に活かせるだろう。
ファームウェア更新とサポート
YAMAHA CK61/CK88は、発売後も機能追加や操作性向上のためにファームウェアアップデートが行われる可能性がある。ヤマハは、工場出荷時のファームウェアを予告なくアップデートすることがあり、最新のファームウェアはヤマハのサポートウェブサイトからダウンロードできる。現在使用しているファームウェアのバージョンは、本体のメニュー画面から確認することが可能だ。
ファームウェアのアップデートは、製品の性能を維持し、進化させる上で重要な要素となる。例えば、上位機種であるCP88のファームウェアアップデートによって、CKシリーズのCFXサンプルと同等のCFX2が追加された例もあり、これはヤマハが製品ラインナップ全体のサウンドクオリティを向上させるために、継続的にアップデートを提供している姿勢を示している。現時点ではCK88のファームウェアアップデートはまだ確認されていないというユーザーからの言及もあるが、将来的に新たな機能追加や音質の改善が期待できるかもしれない。
ヤマハは、CKシリーズを含む自社製品に対して手厚いユーザーサポート体制を整えている。製品に関する問い合わせや修理の相談は、電話での顧客コミュニケーションセンター、Webフォーム、LINEを通じて行うことが可能だ。修理に関しては、出張修理や預かり修理の料金目安、依頼方法なども詳細に案内されている。
また、オンライン上では、製品の取扱説明書(オーナーズマニュアル)が公開されており、詳細な操作方法やトラブルシューティング、仕様などを確認できる。よくあるお問い合わせ(Q&A)や、ファームウェア、スペシャルコンテンツなどのダウンロードページも充実している。
製品登録をすることで、ヤマハミュージックメンバーズのウェブサイトを通じて、製品やキャンペーン、イベントに関する情報を受け取ることもできる。ヤマハは楽器メーカーとして100年以上の歴史を持ち、製品の保守部品も製造終了後8年間は最低限保有するとしているため、長期的な使用においても安心してサポートを受けられるだろう。
ヤマハのサポート・お問い合わせサイトは、https://jp.yamaha.com/support/ で確認できる。
CK61におすすめアクセサリー
YAMAHA CK61を最大限に活用し、その利便性と機能をさらに高めるためには、いくつかのアクセサリーの導入を検討すると良い。これらのアクセサリーは、CK61の持ち運び、演奏、および音源管理の体験を向上させるのに役立つだろう。
まず、CK61の大きな特長である高い可搬性を活かすためには、専用ソフトケース「SC-DE61」が非常におすすめだ。このケースはバックパックタイプで、背負って運べるストラップが付いているため、自転車での移動や、電車での持ち運びも容易になるだろう。日々の練習やライブハウスへの移動が多いプレイヤーにとっては、必須のアイテムと言える。CK61は5.6kgと非常に軽量だが、ケースに入れることで本体を保護し、より快適な運搬を実現できる。
次に、演奏表現を豊かにするために欠かせないのがフットペダルだ。CK61にはフットペダル端子が2つ用意されており、サスティンペダル(FC3A, FC4A, FC5など)やボリューム/エクスプレッションペダル(FC7など)を接続できる。ペダルには、音のサスティンだけでなく、音色やエフェクトの切り替え、音量調整など、様々な機能を割り当てることが可能だ。これにより、両手が塞がっている演奏中でも、足元で細かなコントロールを行うことができ、パフォーマンスの幅が広がる。
本体を設置するためのスタンドも重要だ。ヤマハはCKシリーズの発売に合わせて、イタリアのQuicklok社製のスタンドの取り扱いを開始しており、これらのスタンドは高さ調整の幅が広く、座って弾く位置から立って弾く位置まで対応できる。安定性も高く、従来のX型スタンドに比べてグラつきが少ないため、安心して演奏に集中できるだろう。
また、音色管理やオーディオ再生にはUSBフラッシュメモリーが不可欠だ。CK61で作成したライブセットサウンドの保存や読み込み、そしてオーディオトリガー機能によるバッキングトラックや効果音の再生に用いられる。使用前にはCK61本体でフォーマットすること、また、大切な設定は万が一に備えて別のUSBフラッシュメモリーにもバックアップを取っておくことが推奨される。
さらに、CK61のバッテリー駆動の利便性を最大限に活かすためには、高品質な充電式単3電池の用意を強く勧める。特にPale Blue Earth社のリチウムポリマーAA電池は、長時間の使用にも耐え、バッテリーの持ちが良いとユーザー間で評判だ。これにより、電源のない場所でも長時間の演奏が可能になる。
マイク入力機能を活用するなら、Shure Beta-58のようなダイナミックマイクを接続すれば、CK61を一台でボーカルとキーボードを同時に出力できる弾き語りシステムとして利用できるだろう。
これらのアクセサリーは、CK61の持つポテンシャルをさらに引き出し、プレイヤーの音楽活動を強力にサポートするはずだ。
Yamaha CK61 中古モデルから見えてくるその魅力と実用性
- ヤマハCK61は2023年3月に発売されたステージキーボードで、新品価格は9.9万円(税込)であった
- 中古市場では、美品で7万円台、良品で4万円台後半から6万円台で取引される事例が見られる
- 本体は5.6kgと非常に軽量で、バックパック型の専用ソフトケース(別売)で持ち運びが可能である
- 単3電池8本での駆動に対応し、最大4.5時間の演奏が可能、内蔵ステレオスピーカーも備えている
- CPシリーズやYCシリーズのサウンドコンセプトを継承したAWM2音源を搭載し、高品質なピアノやエレピの音色を持つ
- オルガンセクションには物理ドローバーを装備し、リアルタイムでの音色操作や本格的なオルガンサウンドの調整ができる
- 363種類の厳選された音色を搭載しており、バンド演奏で頻繁に使用される主要な楽器サウンドを網羅している
- 直感的でシンプルなOne-to-Oneインターフェースを採用し、初心者でもマニュアルなしで容易に操作できる
- マイク入力(A/D INPUT)やBluetoothオーディオ入力に対応し、弾き語りやBGMを流しながらの練習が可能である
- USB Audio/MIDIインターフェース機能を持ち、PCやスマートデバイスと接続してDAWでの録音やソフト音源のコントロールができる
- 最大3パートの音色をレイヤー(重ねる)したり、スプリット(鍵盤を分割)して異なる音色を演奏できる
- 鍵盤はFSB鍵盤(イニシャルタッチ付)で、軽量でありながらピアノ音色も弾きやすいと評価されている
- 2022年度のグッドデザイン賞を受賞しており、ステージでの存在感を示す印象的なデザインが特徴である
- 高品質なサウンドと豊富な機能を備えつつも、軽量・コンパクトな設計で高いコストパフォーマンスを提供する
- 中古品は電源アダプターや取扱説明書、汎用ケースが付属する場合があるが、購入前に状態や付属品の確認が推奨される