「カワイ CA401」というキーワードで電子ピアノを探しているあなたは、自宅での練習環境を向上させたいと考えているのではないでしょうか。特に、グランドピアノに近いタッチ感や優れた音質にこだわりを持ち、日々の練習をより充実させたいと願っているかもしれません。カワイ CA401は、木製鍵盤によるリアルな打鍵感や、ショパン国際ピアノコンクールで上位入賞者が使用したSK-EXの音色を搭載するなど、本格的な演奏体験を提供する電子ピアノとして注目されています。旧モデルCA49からの進化点や、上位モデル、競合他社製品との比較を通じて、この電子ピアノがあなたの期待に応える一台であるかを多角的に分析し、最適な選択をサポートします。
この記事を読むことで、「カワイ CA401」と検索した読者が具体的に何について理解を深められる。
- カワイ CA401の鍵盤、音色、機能に関する基本情報
- 旧モデルCA49や上位モデルCA501との具体的な違い
- ヤマハCLP835などの競合製品との比較ポイント
- カワイ CA401の購入を検討すべきユーザー層と、その魅力
カワイ CA401の基本特徴

- グランドピアノに近い木製鍵盤
- SK-EXの音色と4スピーカー
- Bluetoothオーディオ対応の利便性
- レッスン機能を充実
- コンパクトなデザインとカラーバリエーション
グランドピアノに近い木製鍵盤
カワイ CA401は、グランドピアノに極めて近い演奏体験を追求するために、白鍵・黒鍵すべてに木材鍵盤を採用している。この木製鍵盤は、カワイが1985年の電子ピアノ製造当初からこだわり続けてきた素材と構造に、長年培った技術を融合させた独自のものである。木材を幾層にも積み重ねる独自の加工技術により、反りやねじれの少ない高い精密性を実現し、指に吸い付くような手応えとすっきりとしたタッチ感を提供している。
特に注目すべきは、グランドピアノの発音構造を再現した「シーソー式木製鍵盤グランド・フィール・スタンダード・アクション」を搭載している点である。これは鍵盤を押すことでテコの原理でハンマーが押し上がる構造で、コンパクトな電子ピアノでありながら、早い連打やトリル、レガートなど、グランドピアノに近い感覚での演奏を可能にする。また、アコースティックピアノと同様に88鍵盤すべてが木製であり、この価格帯で木製鍵盤、かつグランドピアノに近いタッチを実現している点は高く評価されている。音域別に4段階に分類されたハンマーウェイトと低音域のカウンターウェイトにより、強打時には重く、高音域は軽く、弱打時には鍵盤が一定の手応えとなるグランドピアノ特有のタッチ感も再現している。さらに、アコースティックピアノ特有のクリック感を再現するレットオフ・フィール機構も搭載し、繊細なタッチを可能にしている。多くのユーザーが、この木製鍵盤の打鍵感や沈み込み、最後まで押し込んだときの手応えに満足しており、長時間の演奏でも疲れにくいという感想が寄せられている。
SK-EXの音色と4スピーカー
カワイ CA401は、その音色においても高いこだわりを見せている。ショパン国際ピアノコンクールで上位入賞者が使用した、カワイ最高峰のフルコンサートピアノ「SK-EX」の音色を搭載している。この音色は、繊細で柔らかいピアニシモから壮大に響き渡るフォルテシモまで、広大なダイナミックレンジを持つSK-EXの響きを忠実に再現している。さらに、「EXコンサートグランド」のピアノ音も収録されており、どちらも国際ピアノコンクールで活躍するカワイのフルコンサートグランドピアノの音色である。
音源には「PHI音源」を採用し、SK-EXのピアノ音をタッチの強弱ごとに1音1音丁寧にサンプリングしているため、幅広い強弱表現が可能である。これにより、強弱の変化がスムーズでリアルな点が「CA401」の特徴となっている。また、和音やペダル操作によって複雑に変化するグランドピアノの共鳴アルゴリズムをさらに進化させた「88鍵 共鳴モデリング」により、神秘的で淀みのない響きを実現している。
この最高峰の音色を臨場感豊かに再現するため、CA401にはクラス最高の4スピーカー・システムが搭載されている。電子ピアノ本体には左右それぞれに中低音域用と高音域用のスピーカーが合計4つ配置されており、音域の広い和音でも音が濁らず、繊細な音色を表現することが可能だ。これにより、音の広がりや豊かさが向上し、クリアで瑞々しいサウンドが楽しめる。
Bluetoothオーディオ対応の利便性
カワイ CA401は、現代のデジタルライフスタイルに合わせた便利なワイヤレス機能を搭載している。スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスと無線で接続できるBluetooth®機能を備えており、その利便性は高い。
主な機能として「Bluetooth® MIDI」と「Bluetooth®オーディオ」の2種類がある。Bluetooth® MIDI対応のアプリケーションをスマートデバイスにインストールすることで、CA401をアプリから操作したり、MIDIデータの送受信を行ったりすることが可能になる。カワイが提供する専用コントロールアプリ「PianoRemote」を使えば、音色の選択、演奏の録音、メトロノーム、収録曲の再生といった様々な機能をスマートフォンやタブレットから直感的に操作できる。アイコン表示のシンプルな操作ボタンと1.5インチ有機ELディスプレイも搭載されており、弾きながらでも確認しやすい仕様となっている。
さらに、Bluetooth®オーディオ機能も搭載されており、スマートデバイス内の楽曲をCA401の高性能スピーカーから再生できる。これにより、好きなアーティストの曲を流しながら一緒に演奏したり、YouTubeのレッスン動画を再生しながら練習したりと、練習の幅が広がる。CA401のスピーカーは非常に優れているため、聞き慣れた曲も瑞々しく、豊かに聞くことができる点も魅力である。Bluetooth®オーディオの音量は、本機のスピーカーから鳴らすスマートデバイス内蔵の音楽などの音量を調節する機能で、-15~+15の範囲で調整可能だ。
レッスン機能を充実
カワイ CA401は、ピアノの練習をサポートするための豊富なレッスン機能を内蔵している。これらの機能は、シンプルで操作しやすいように設計されており、小さな子どもから大人まで、一人での練習を強力にサポートする。
まず、練習曲として広く使われるバイエル、ブルグミュラー、ツェルニー、ショパンワルツ集など、合計200曲ものレッスン曲が内蔵されている。これらの曲は、右手・左手パートをそれぞれ個別に再生できるため、片手練習に非常に役立つ。また、苦手なパート部分のみを繰り返したり、テンポを落として再生したりすることも可能で、様々な練習方法に対応できる柔軟性を持つ。これらのレッスン機能は、コントロールアプリ「PianoRemote」からも直感的に操作できるため、より手軽に活用できる。
子どもが楽しくピアノに触れられる機能も充実している。例えば「コンサートマジック」機能は、指1本で内蔵された対応曲を演奏できる機能である。鍵盤でテンポを刻むだけで、まるで上手に演奏しているかのような気分を味わえ、アニメ、クラシック、クリスマスなど50曲が楽しめる。この機能は、子どもが自分からピアノを弾き始めるきっかけにもなり、練習への意欲を高めるのに役立つだろう。
さらに、「連弾モード」も搭載されており、2台のピアノで連弾しているかのように演奏できる。88鍵の鍵盤を左右2つに分け、それぞれの演奏者が同じ音域で練習できる。ペダルも左側の演奏者がソフトペダルをダンパーペダルとして使えるように割り当てられるため、本格的な連弾練習が可能だ。ヘッドホン端子も2系統備わっており、夜間でも2人同時に演奏できる。
コンパクトなデザインとカラーバリエーション
カワイ CA401は、本格的な演奏性能を持ちながらも、現代の住環境に配慮したコンパクトで洗練されたデザインが特徴である。ピアノらしいデザインでありながら、設置場所を選ばないサイズ感を実現している。本体サイズは、幅1,360mm、奥行き490mm、高さ915mm(譜面立てを倒した状態)で、重量は58.0kgとなっている。この標準的なサイズは、どのようなご家庭にも設置しやすいと評価されている。例えば、4.5畳の和室に置いても圧迫感がないと感じるユーザーもいる。
カラーバリエーションは、ホワイトメープル調、ライトオーク調、ローズウッド調、モカウォルナット調の4色が展開されており、部屋のインテリアに合わせて好みの色を選ぶことができる。特にライトオークはカワイの電子ピアノの中でも人気が高い色の一つである。これらのカラーは木目を活かした仕上がりで、木の温かみを感じさせ、安っぽさのない上品な印象を与える。
デザイン面では、細部にわたる工夫が見られる。譜面台は、丈夫で楽譜をしっかり押さえるストッパーを搭載し、透明な樹脂製で視界を遮らず演奏に集中できる。使用しない場合は収納でき、すっきりとした外観を保つ。また、譜面台の角度は3段階に調節可能で、子どもの成長や部屋の照明に合わせて無理のない姿勢で楽譜を見ることができる。ペダル位置もグランドピアノとほぼ同じになるよう設計されており、発表会やコンクールでグランドピアノを弾く際も違和感なく演奏できる。
カワイ CA401の徹底比較と評価

- 旧モデルCA49との違い
- 上位モデルCA501との比較
- ヤマハCLP835との比較ポイント
- デメリットと注意すべき点
- カワイ CA401をおすすめする人
- カワイ CA401のまとめ
旧モデルCA49との違い
カワイ CA401は、2021年に楽器店大賞を受賞した人気モデルCA49の後継機種として、2023年6月14日に発売された。CA49の「上質なタッチ・サウンド・使いやすさ」を引き継ぎつつ、さらに進化を遂げている。主な変更点は以下の通りである。
CA49とCA401の主な変更点
項目 | CA49 | CA401 |
---|---|---|
音源 | SK-EX、EX (ONKYO共同開発基盤あり) | SK-EXコンクール、EX (ONKYO共同開発基盤なし) |
ペダル位置 | グランドピアノと同じではない | グランドピアノと同じ |
Bluetooth®機能 | Bluetooth® MIDIのみ対応 | Bluetooth® MIDIとBluetooth®オーディオに対応 |
付属ヘッドホン | SH-2N | SH-3B |
譜面ストッパー | なし | あり |
パネルロック | なし | あり |
MIDI端子 | あり | なし |
奥行き | 46cm | 49cm (約3cm増) |
市場相場価格 | 182,600円程度(発売時) | 198,000円程度(発売時) |
最も大きな変更点の一つは音源の向上である。CA401では、カワイの最高峰フルコンサートピアノ「SK-EX」の音色を新たにサンプリングした音源「SK-EXコンクールグランド」を搭載し、音の広がりや豊かさが向上している。旧モデルのCA49で紹介されていた音響メーカーONKYOとの共同開発基盤の記述はCA401にはないが、音質の進化は体感できるレベルである。
ペダル位置も改善され、CA401では鍵盤とペダルの位置関係がグランドピアノとほぼ同じになるように設計されているため、レッスンや発表会での違和感が少ない。
Bluetooth®機能は、CA401でBluetooth®オーディオに対応したことで、スマートフォンやタブレットからの楽曲再生やレッスン動画との連携が可能になり、練習の幅が大きく広がった。
付属ヘッドホンは、CA49のSH-2Nから、上位モデルに付属していた高品質なSH-3Bにグレードアップしており、長時間の練習でも疲れにくいセミオープンタイプである。また、譜面ストッパーが追加されたことで、厚みのある楽譜でもページがめくれる心配が少なくなり、練習の助けとなる。
機能面では、パネルの誤動作を防ぐパネルロックが追加された一方で、MIDI端子は廃止され、奥行きが約3cm大きくなっている。これらの機能改善と向上が、約1.6万円の価格上昇に反映されている。
上位モデルCA501との比較
カワイのCAシリーズには、CA401の上にCA501という上位モデルが存在する。両者には約5.5万円の価格差があり、主に音質と機能面で違いが見られる。
カワイ CA401とCA501の主な違い
カワイ CA401とCA501の主な違いは以下の通り。
項目 | カワイ CA401 | カワイ CA501 |
---|---|---|
価格(標準価格) | 242,000円(税抜 220,000円) | 308,000円(税抜 280,000円) |
価格差 | CA501より約6.6万円安い | CA401より約6.6万円高い |
鍵盤 | 88鍵/シーソー式木製鍵盤グランド・フィール・スタンダード・アクション | 88鍵/シーソー式木製鍵盤グランド・フィール・スタンダード・アクション |
ソフトペダル | ソフトペダル | ソフトペダル(ハーフペダル対応) |
ピアノ音源 | PHI音源 | HI-XL音源/88鍵ステレオサンプリングピアノ音源 |
グランドピアノ音色 | SK-EXコンクール、EX(2種類) | SK-EXコンクール、EX、SK-5(3種類) |
共鳴音 | 〇 | アコースティックレンダリング |
音色数 | 19音色 | 45音色 |
最大同時発音数 | 192音 | 256音 |
アンプ出力 | 40W(20W×2) | 100W(50W×2) |
スピーカーシステム | ツィーター 5cm×2、ウーファー 13cm×2(前面配置) | トップスピーカー(8×12)cm×2、ウーファー 13cm×2(ディフューザー搭載上面放射) |
エフェクト | 1種 | 8種 |
コンサートチューナー | 4種 | 22種 |
リズム | 拍子7種 | 拍子10種、リズム100種 |
レッスン曲数 | 200曲 | 365曲 |
デモ曲 | 音色デモ曲19曲、コンサートマジック50曲 | ピアノミュージック曲29曲、音色デモ曲33曲、コンサートマジック88曲 |
ソングトランスポーズ | ー(非対応) | 〇(対応) |
USBレコーダー機能 | ー(非対応) | 〇(MP3/WAV/SMF(MIDI)/KSO再生、MP3/WAV録音、オーバーダビング等に対応) |
ディスプレイ | 1.5インチ有機ELディスプレイ | 2.4インチ有機ELディスプレイ |
スプリット機能 | ー(非対応) | 〇(対応) |
フェイバリット/レジストレーション | ー(非対応) | 〇(対応) |
Bluetooth®機能 | MIDI: Ver5.0, AUDIO: Ver5.1 A2DP対応 (アプリ「PianoRemote」で本体操作、楽曲再生等に対応) | MIDI, オーディオ (アプリ操作および音楽再生に対応) |
消費電力 | 12W | 30W |
サイズ (W×D×H) | 136.0cm × 49.0cm × 91.5cm | 142.5cm × 48.5cm × 93.0cm |
重量 | 58.0kg | 65.0kg |
カラーバリエーション | プレミアムライトオーク調、プレミアムホワイトメープル調、プレミアムローズウッド調、モカウォルナット調 | プレミアムホワイトメープル調、プレミアムローズウッド調 |
付属品 (追加) | なし | クラシカルピアノコレクション楽譜集 |
その他の主な違い:
- CA501の方が強弱や共鳴音など、表現力がグランドピアノに近く音質が良いとされている。これは使用している音源、スピーカーの大きさ、およびアンプの出力が大きいことが理由である。
- CA401とCA501の基本的な鍵盤構造は同じだが、CA501はソフトペダルがハーフペダルに対応している点が演奏面での違いとなる。
- CA501のスピーカーはディフューザー(音の指向性を広げる拡散器)を搭載し上面に向かって配置されており、グランドピアノの音の方向をモデリングしている。
- CA501は録音機能が充実しており、USBメモリオーディオを使った録音・再生、2パートのオーバーダビングなどに対応している。CA401はUSB機器には対応していない。
- 全体的に「ピアノ演奏」においては両者に大きな差はないが、音に関することや機能面がCA501の方が充実している点が価格差の要因となっている。
CA401とCA501の鍵盤の構造は同じで、どちらもシーソー式木製鍵盤グランド・フィール・スタンダード・アクションを搭載している。このため、基本的な弾き心地に大きな差はないとされる。ただし、CA501のソフトペダルはハーフペダルに対応している点が、演奏面での違いとなる。
最大の相違点は音質にある。CA501は、より高品位な「HI-XL音源/88鍵ステレオサンプリングピアノ音源」を採用しており、CA401の「PHI音源」よりも豊かな表現力を実現している。グランドピアノ音色も、CA401がSK-EXコンクールとEXの2種類なのに対し、CA501にはSK-5が加わり3種類に増えている。また、音色の種類もCA401の19音色に対してCA501は45音色と大幅に多く、最大同時発音数もCA401の192音からCA501では256音に向上している。
スピーカー構成も大きく異なり、CA501はCA401と同様に4スピーカー構成だが、ディフューザー搭載のスピーカーが上面に向かって配置されている。これにより、グランドピアノのように上方向へ音が広がる臨場感のあるサウンドを再現している。アンプ出力もCA401の40Wに対し、CA501は100Wとパワフルだ。これらの音響面での強化により、CA501は強弱や共鳴音など、グランドピアノに近い表現力をより良く再現できる。
機能面では、CA501は録音機能が格段に充実している。USBメモリオーディオを使ったMP3/WAV形式での録音・再生が可能で、2パートのオーバーダビング(重ね録り)にも対応し、総記憶音数も約90,000音と多い。CA401は内部レコーダーに3ソング、約10,000音の録音が可能だが、USB機器には対応していない。ディスプレイもCA501の方が大きく、操作性も向上している。レッスン曲数もCA501は365曲と豊富で、ソングトランスポーズ(移調)にも対応している。
CA501はこれらの強化により、より本格的な演奏を追求したい、多機能な電子ピアノを求めるユーザーに適していると言える。しかし、CA401でも木製鍵盤の弾き心地は共通しており、特にピアノを始めて間もない場合は、CA401で十分満足できると評価する意見も多い。
ヤマハCLP835との比較ポイント
カワイ CA401とヤマハ CLP835は、同じ価格帯の主要な電子ピアノとして比較されることが多い。それぞれの製品が持つ特徴を比較することで、自身のニーズに合った一台を見つけることができる。
カワイ CA401とヤマハ CLP835の主な比較ポイント
項目 | カワイ CA401 | ヤマハ CLP835 |
---|---|---|
鍵盤 | 木製鍵盤(シーソー式木製鍵盤グランド・フィール・スタンダード・アクション) | 樹脂製鍵盤 |
音色 | カワイSK-EXなど(高音の煌びやかさに定評) | ヤマハCFXなど(日本人に馴染み深く心地よい音) |
スピーカー | 4スピーカー | 2スピーカー |
録音曲数 | 3曲 | 250曲 |
USBデバイス | 非搭載 | 搭載 |
Bluetooth®機能 | MIDI / オーディオに対応 | アプリ操作のみ(MIDI) |
サイズ | 幅1,360 奥行490 高さ915(mm) | 幅1,450 奥行460 高さ927(mm) |
市場相場価格 | 191,000円程度 | 199,816円程度 |
最も大きな違いは鍵盤の素材と構造である。CA401は、この価格帯で唯一と言える木製鍵盤を搭載しており、グランドピアノに近いタッチ感や沈み込み、連打性に優れる。一方、CLP835は樹脂製鍵盤を採用している。木製鍵盤は本物のピアノの感覚に近いというメリットがあるが、湿気に左右されにくいという点では樹脂製鍵盤に軍配が上がる。ピアノ講師からは、自宅でもグランドピアノに近い感覚で練習したい場合はCA401の木製鍵盤が推奨されることが多い。
音色に関しては、CA401はカワイ最高峰のSK-EXの音色を収録しており、高音の煌びやかさや繊細な表現力に定評がある。カワイの音色は全体的に暖かく、メロウな傾向があると感じるピアニストもいる。特にクラシック向きのしっとりとした音色が特徴的だ。対するCLP835は、ヤマハ最高峰のCFXグランドピアノの音を録音しており、日本人にとっては心地よいと感じる音で、明るくニュートラルなサウンドが特徴とされている。ヤマハ音楽教室に通っている生徒には、聞き馴染みのある音であるため、CLP835の音色を好む傾向がある。
スピーカーの違いも重要だ。CA401が4スピーカーシステムを搭載しているのに対し、CLP835は2スピーカーである。スピーカー数が多いCA401の方が、強弱の変化をより感じやすく、練習効率が上がると言われる。
機能面では、CLP835がCA401を上回る点が多い。CLP835は250曲もの録音が可能で、USBデバイスにも対応しているため、先生から提供されたお手本演奏を流しながら練習したり、自分の演奏をUSBメモリに録音・保存したりできる。CA401の内部レコーダーは3曲、約10,000音の録音に対応しているが、USBデバイスには非対応である。ただし、CA401はBluetooth®オーディオに対応しているため、スマートデバイスの楽曲を本体スピーカーから再生できる利便性がある。
どちらを選ぶかは個人の好みや練習環境に大きく左右される。鍵盤のクオリティを最重視し、グランドピアノに近いタッチ感を求めるならCA401が優位である。一方、多機能性を活用して練習を進めたい、あるいはヤマハの音色に慣れ親しんでいる場合はCLP835が適している。
デメリットと注意すべき点
カワイ CA401は優れた電子ピアノであるが、購入前に考慮すべきいくつかのデメリットや注意点も存在する。
まず、CA401の木製鍵盤は、この価格帯で非常に高いクオリティを誇るものの、上位機種や本物のグランドピアノと比べると、鍵盤アクションは完璧ではないという声もある。特に、上級者で鍵盤タッチに極めて高いこだわりを持つピアニストの場合、CA401では物足りなさを感じる可能性があり、より高価な上位モデルの検討が必要になるかもしれない。しかし、コンクールを目指すわけではない子どものピアノレッスンや、趣味でピアノを始める人にとっては、非常に良い選択肢であると評価されている。
次に、カワイ特有の音色に対する好みが分かれる可能性がある。カワイの音色は、しっとりとして暖かく、メロウな傾向があり、クラシック系の楽曲に適していると評されることが多い。しかし、ヤマハの音色(明るくニュートラル)に慣れ親しんでいる人や、特定の「キラキラ感」や「力強さ」を求める演奏スタイルには、カワイの音色が合わないと感じる場合がある。多くの音楽教室でヤマハのピアノが使われていることを考えると、ヤマハの音色に慣れた人にとっては、CA401の音色に違和感を覚える可能性があるため、試奏して自身の好みに合うか確認することが重要である。
機能面では、旧モデルCA49からBluetooth®オーディオへの対応やヘッドホン品質の向上といった進化が見られるが、上位機種や競合製品と比較すると、録音機能やUSBデバイスへの対応が限定的である。CA401の内部レコーダーは3ソング、約10,000音の録音が可能だが、USBメモリへの直接録音や再生機能は搭載されていない。多くの曲を録音・保存したい場合や、USBを使って先生からのお手本演奏などを利用したい場合は、別途工夫が必要となる。
また、電子ピアノ全般に言えることだが、木製鍵盤を採用している機種であっても、長年の使用で鍵盤の戻りが悪くなったり、タッチが重くなったりといった経年劣化が生じる可能性がある。カワイCA65のユーザーからは、10数年使用後に鍵盤が壊れて買い替えたという声もあり、耐久性については注意を払う必要があるだろう。ただし、カワイ製品は修理受付窓口が設置されており、保証期間内の故障であれば無料修理規定に基づき対応されるため、保証書を大切に保管し、異常があれば早めに問い合わせることが推奨される。
設置に関しては、ピアノらしいデザインでありながらコンパクトとされるCA401も、奥行き49cm、重量58kgとそれなりのサイズと重さがある。設置場所のスペースを事前に確認することは必須であり、移動の際は複数人で水平に持ち上げるように注意が必要だ。また、振動が気になる集合住宅では、防音マットの使用も検討すべきである。
カワイ CA401をおすすめする人
カワイ CA401は、その優れた特徴と価格帯から、特定のニーズを持つユーザーに特におすすめできる電子ピアノである。
まず、木製鍵盤にこだわりがあるが、予算を20万円以下に抑えたい人には最適な選択肢となる。市場には木製鍵盤を搭載した電子ピアノは他にも存在するが、CA401はこの価格帯で唯一、白鍵・黒鍵すべてに木製鍵盤を採用しているモデルとして評価が高い。グランドピアノに近い本格的なタッチ感を、比較的手頃な価格で実現しているため、コストパフォーマンスを重視しつつ、打鍵感のリアリティを求めるユーザーには非常に魅力的である。
次に、ピアノレッスンに通う子ども、特に教養のためにピアノを習っているお子さんの家庭にもおすすめできる。CA401の木製鍵盤とシーソー式アクションは、本物のグランドピアノに近い感覚で練習できるため、指の訓練や表現力の習得に役立つ。多くのピアノ講師が、生徒には木製鍵盤の電子ピアノを推奨しており、自宅での練習と教室でのレッスンのギャップを減らすことができる。過度な多機能性は不要で、ピアノの基本性能と音質にこだわりたい場合に適している。また、コンサートマジックやレッスン曲の内蔵など、子どもが楽しく練習を続けられる機能も充実しているため、練習へのモチベーション維持にも貢献するだろう。
さらに、レッスンでカワイのピアノを使用している人にもおすすめだ。カワイ特有のしっとりとした音色はクラシック向きであり、教室のピアノと同じメーカーを選ぶことで、音色のギャップを感じにくく、違和感なく演奏に集中できる。SK-EXの音色と4スピーカーシステムによる高品質なサウンドは、日々の練習を充実させる。
部屋のインテリアに合う電子ピアノを探している人にも、CA401は良い選択肢となる。プレミアムライトオーク調、プレミアムホワイトメープル調、プレミアムローズウッド調、モカウォルナット調の4色展開があり、木目を活かした上品なデザインは、リビングなどの空間にも自然に馴染む。コンパクトな設計も、置き場所を選ばない点で評価されている。
まとめると、カワイ CA401は、リアルなタッチと高品質な音色を手頃な価格で手に入れたい、子どものレッスン用や趣味の練習用として、価格と性能のバランスがとれた電子ピアノを探している人に最適な一台と言えるだろう。
カワイ CA401のまとめ
カワイ CA401は、グランドピアノのような本格的な演奏体験を追求した電子ピアノである。
- 白鍵と黒鍵すべてに木材鍵盤を採用し、高い耐久性と精密性を実現している
- シーソー式木製鍵盤グランド・フィール・スタンダード・アクションを搭載し、グランドピアノに近い打鍵感を再現している
- ショパン国際ピアノコンクール使用のSK-EX音色を収録し、繊細かつ壮大な音の表現が可能である
- クラス最高の4スピーカーシステムにより、臨場感あふれる豊かな音色を再現する
- Bluetooth®オーディオに対応し、スマートデバイスの楽曲を本体スピーカーで再生できる
- コントロールアプリ「PianoRemote」により、スマートフォンから直感的に本体操作が可能だ
- バイエルやブルグミュラーなど200曲のレッスン曲を内蔵し、片手練習やテンポ変更など学習をサポートする
- 指一本で演奏できるコンサートマジック機能を搭載し、子どもも楽しくピアノに触れられる
- 88鍵盤を2つの音域に分けて連弾できる4ハンズモードを搭載し、2人での練習にも対応する
- プレミアムライトオーク調など4色のカラーバリエーションがあり、部屋のインテリアに合わせて選べる
- 旧モデルCA49から音源とペダル位置、Bluetooth®オーディオ機能、付属ヘッドホンが進化している
- 上位モデルCA501と比較すると、音色数や録音機能、アンプ出力などで差があるが、鍵盤の基本構造は共通している
- ヤマハCLP835と比較して、木製鍵盤のタッチ感と4スピーカーが大きな強みとなる
- この価格帯で木製鍵盤というコストパフォーマンスの高さは多くのユーザーから評価されている
- 自宅での本格的な練習環境を求める初心者から経験者まで、幅広い層におすすめできる電子ピアノだ