「ローランドの電子ピアノって、表現力がすごいって聞くけど、本当のところはどうなの?」「DTMにも使いたいんだけど、ローランドが向いてる?」── そんな質問を、楽器店の現場で本当に多く受けてきました。
運営者の「ピア僧」です。私は10年以上にわたって楽器店で鍵盤楽器の販売に携わってきました。ローランドは「世界で初めて電子ピアノを商品化した先進的なメーカー」であり、その独自性から、ヤマハ・カワイとはまったく違う魅力を持つブランド。FPシリーズ、RPシリーズ、LXシリーズ、GO:PIANOまで、店頭で実際に弾き比べて、特に「演奏表現の幅を広げたい」「録音や作曲もしたい」というお客様に、自信を持っておすすめしてきました。
このページは、そうした販売経験のすべてを注ぎ込んだ「ローランド電子ピアノの完全ガイド」です。FP・RP・F・HP・DP・LX・GO:PIANO・RDの全ライン、主要モデルの値段、特徴、選び方を、現場での販売経験に基づいて率直に解説します。
カタログでは伝わらない「スーパーナチュラル音源の真価」「ハイブリッド・ハンマーアクションのタッチ」「他社との本当の違い」まで、メーカーの広告では聞けない本音の情報をまとめました。読み終えた時には、ローランドがあなたに合うかどうか、合うならどのモデルが正解か、必ず見えているはずです。
なぜローランド電子ピアノが選ばれるのか

ヤマハ・カワイに次ぐ国内3大メーカーの一角、ローランド。ヤマハとカワイがアコースティックピアノ製造の名門である一方、ローランドは電子楽器一筋50年以上の歴史を持つ電子楽器の老舗です。理由は大きく4つあります。
世界初の電子ピアノを生んだメーカーの先進性
ローランドは1972年創業、1973年に世界で初めて電子ピアノ「EP-10」を発売したパイオニアです。それ以来、シンセサイザー、ドラムマシン、エフェクター、DAWソフトまで、電子楽器のあらゆる領域で技術革新を続けてきました。「電子楽器のことなら、まずローランド」── これは音楽業界では常識と言える評価です。
ローランドサウンドの特徴 ── 表現の幅広さ
ローランドの音色は、奏者の打鍵に応じてリアルタイムに音色が変化する「モデリング音源」が特徴。ヤマハ・カワイがコンサートグランドの音をサンプリングするのに対し、ローランドは「ピアノの発音原理そのもの」をデジタルで再現するアプローチを取っています。これにより、強弱・連打・ペダルワークなど、奏者の細かなニュアンスが音色に直接反映されます。クラシック・ジャズ・ポップス・現代音楽まで、ジャンルを問わない表現力が魅力です。
ハイブリッド・ハンマーアクション鍵盤のタッチ
ローランドの鍵盤は「ハイブリッド構造」。樹脂と木材を組み合わせた独自設計で、軽量さと本格的なタッチを両立しています。上位機のPHA-50鍵盤は、木目の質感まで指で感じられる仕上がり。ヤマハの軽快さ、カワイの重厚さに対して、ローランドは「軽快さと本格感のいいとこ取り」と表現できます。
DTM・録音・スマホ連携の使いやすさ
ローランドの隠れた強みが、DTM(デスクトップミュージック)・録音・スマホ連携の使いやすさです。エントリーモデルからUSB-MIDI/Bluetooth MIDIに対応し、Roland Piano AppやGarageBand、Cubaseなどとの相性が抜群。「ピアノを弾くだけでなく、作曲や録音もしたい」という方には、ローランドが最適解になることが多いです。
ローランド電子ピアノ全シリーズマップ

ローランドの電子ピアノは、用途別に大きく7つのシリーズに分かれています。シリーズが多いのが特徴ですが、まずは全体像を一望してみましょう。
| シリーズ | タイプ | 価格帯の目安 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| GO:PIANO | 軽量エントリー | 3万円〜5万円 | 初学者・子供・予算重視 |
| FPシリーズ | ポータブル | 6万円〜25万円 | 初心者・趣味再開・引っ越しの可能性 |
| RP・Fシリーズ | コンパクト据え置き | 8万円〜18万円 | 家族で長く使いたい方・お子様の習い事 |
| HP・DPシリーズ | 中位据え置き | 15万円〜25万円 | 趣味再開・中級者・本格派の入口 |
| LXシリーズ | ハイエンド据え置き | 25万円〜80万円 | 上級者・グランド志向・本格演奏 |
| RDシリーズ | ステージピアノ | 15万円〜30万円 | ライブ・スタジオ・プロ用途 |
初めてローランドを選ぶ方は、ポータブルのFPシリーズか、据え置きのRPシリーズ・Fシリーズから検討することになります。本格的にピアノを続けたい方はHP・DPシリーズ、最高峰を目指すならLXシリーズ、ライブ用途ならRDシリーズ── という棲み分けです。
【FPシリーズ】ポータブル ── 表現力に強み
FPシリーズはローランドのポータブル電子ピアノの主力です。FP-10からFP-90Xまで、幅広い価格帯と機能のラインナップを誇り、ヤマハPシリーズ・カワイESシリーズと真っ向から競合します。「タッチで選ぶならカワイES、汎用性で選ぶならヤマハP、表現力で選ぶならローランドFP」── これが私の販売現場での3社使い分けの口癖でした。
FP-10 約6〜7万円
FPシリーズのエントリーモデル。PHA-4スタンダード鍵盤を搭載し、価格を抑えながらローランドならではの本格的なタッチを楽しめます。同価格帯のヤマハP-145・カワイES60と比べて、音源のリアリティ感(スーパーナチュラル音源搭載)で頭一つ抜けています。Bluetooth対応で、スマホ連携の使いやすさもローランドらしいポイントです。
FP-30X 約8〜10万円
FPシリーズの主力モデルであり、ローランドのポータブル電子ピアノで最も売れているベストセラー。PHA-4スタンダード鍵盤、SuperNATURALピアノ音源、Bluetooth Audio/MIDI対応、強力なスピーカーシステム── 8万円台でこの内容は驚異的です。「ヤマハP-225・カワイES120と並ぶポータブルピアノ御三家」と呼ばれており、私が販売現場で最も多くおすすめしてきた1台です。
FP-60X 約13〜15万円
FPシリーズの中位モデル。スピーカー出力が強化され、ハーモニクス機能や録音機能が充実しています。家具的なスタンドとセットでも販売されているため、ポータブルと据え置きの中間的な使い方ができる柔軟性が魅力。中級者以上の趣味再開組から支持されています。
FP-90X 約20〜25万円
FPシリーズの最上位モデル。PHA-50ハイブリッド鍵盤(木材+樹脂のハイブリッド構造)を搭載した、ローランド・ポータブルの最高峰。ポータブルでありながら据え置き上位機並みの演奏体験を実現しています。ライブ用途、本格的な趣味再開組、自宅練習用に持ち運びの可能性がある方に最適です。
FPシリーズ vs ヤマハP/カワイESの選び方
同価格帯で迷ったら、「ジャンル不問の表現力ならFP、明るい音色のヤマハP、本物に近いタッチのカワイES」と覚えてください。FPは録音やDTM用途、ジャズやポップス志向の方に特に向いています。クラシック中心ならカワイES、汎用性を重視するならヤマハPが選択肢に入ります。
【RP・Fシリーズ】コンパクト据え置き ── 普段使いの定番
RPシリーズ・Fシリーズは、「電子ピアノを家具として置きたい」「お子様の習い事用に据え置き型が欲しい」方に最適なシリーズです。専用スタンド・椅子・3本ペダルが本体と一体化しており、購入したらすぐに本格的な演奏環境が整います。RPはトラディショナルな据え置きデザイン、Fはスリムで現代的なデザインという棲み分けです。
RP30 約8〜10万円
ローランド最廉価の据え置き電子ピアノ。PHA-4スタンダード鍵盤+SuperNATURAL音源で、入門機としては十分な実力。「とにかく据え置き型をローランドで欲しい」という方の入口になります。シンプル設計ですが、長く使える基本性能が揃っています。
RP107 約9〜11万円
RP30の後継モデルとして登場した最新エントリー。Bluetooth対応、Roland Piano App連携、改良された音源など、現代のニーズにフィットするアップデートが施されています。お子様の最初の据え置き型として人気の1台です。
RP701 約14〜16万円
RPシリーズの中位モデル。PHA-4スタンダード鍵盤に加え、より上質なスピーカーシステムを搭載。家族で共有するピアノとしての完成度が高く、F701と並んでローランド据え置きのベストバイ候補になります。
F-140R 約11〜13万円
Fシリーズのスリム設計。本体奥行きが約34cmまで圧縮され、リビングの壁面や狭い部屋にも設置しやすいデザインです。「据え置き型が欲しいけど場所がない」という方の救世主的なモデル。シンプルな現代的デザインで、インテリアに馴染みやすい点も魅力です。
F701 約16〜18万円
Fシリーズの上位モデル。PHA-4スタンダード鍵盤に、より上質なスピーカーと音源処理を組み合わせた1台。「スリムな据え置き型でも本格的に弾きたい」という方に支持されています。同価格帯のRP701との違いは、デザインの好みと細部の機能差。ピア僧的にはF701のスマートな佇まいに惹かれる方が多い印象です。
RP・FシリーズとFPシリーズの選び方
同じ予算で迷ったら、「家族で共有して長く使うならRP/F、個人で柔軟に使いたいならFP」と覚えてください。RP/Fは設置したら動かさない前提、FPは引っ越しや模様替えに強いという違いがあります。お子様の習い事用なら、視覚的にも「本物のピアノっぽい」RP/Fが選ばれることが多いです。
【HP・DPシリーズ】中位据え置き ── 本格派の入口
HPシリーズ・DPシリーズは、RP・Fシリーズより一段上のクオリティを求める方向けの中位ライン。PHA-50ハイブリッド鍵盤や強化されたスピーカーシステムを搭載し、本格派の入口として位置付けられます。
HP702 約17〜20万円
HPシリーズのエントリー機。PHA-4スタンダード鍵盤+大型スピーカーで、RP701より一段上の演奏体験。趣味再開で「学生時代の感覚を取り戻したい」という大人にも人気の価格帯です。
HP704 約23〜26万円
HPシリーズの上位機。PHA-50ハイブリッド鍵盤を搭載し、本格的なタッチと音色を実現。本物のピアノに近い演奏体験を求める中級者の選択肢です。LXシリーズに手が届かないが、本格派の手応えが欲しい方に最適です。
DP603 約18〜22万円
DPシリーズのスリム筐体モデル。HP系と同等の音源・鍵盤を搭載しながら、奥行きを抑えた洗練されたデザイン。「中位機の性能をスリム筐体で欲しい」というニーズに応えるユニークな立ち位置のモデルです。リビングに置いても圧迫感がなく、家族にも好評です。
【LXシリーズ】ハイエンド据え置き ── ローランドの中核
LXシリーズは、ローランド電子ピアノの「中核」と呼べるハイエンドラインです。PHA-50ハイブリッド鍵盤、ピアノリアリティモデリング音源、立体音響スピーカーシステム── すべてが本物のグランドピアノに近づくための設計。本格的にピアノを続けたい方、上級者の自宅練習用、音大進学者まで対応する完成度です。
LX-5 約25〜30万円
LXシリーズの入口モデル。PHA-50ハイブリッド鍵盤+強化されたピアノモデリング音源+大型スピーカーで、家庭でグランドピアノに迫る演奏体験を実現します。「HP704では物足りないが、LX-9は予算オーバー」という方にぴったりの中間ゾーン。ハイエンド機でコスパ最強の1台です。
LX-6 約35〜40万円
LXシリーズの中位機。LX-5のスペックをさらに磨き上げ、より大型の筐体・スピーカーシステム、上質な仕上げを実現。中級〜上級者の本気の練習にも十分応えられる仕上がりです。
LX-9 約60〜80万円
LXシリーズの現行フラッグシップ。最高峰のピアノリアリティモデリング音源、立体音響スピーカーシステム、最高品質の筐体仕上げ── すべてが妥協なき設計です。コンサート前の自宅練習、音大進学者の対策、本格演奏家の自宅用としても対応できる、ローランドで妥協したくない方の最終回答です。
LXシリーズ選びの判断基準
「家族のピアノとして長く使い、お子様も上達を見据えるなら」LX-5。「自分自身が中級レベル以上で本格的に練習したいなら」LX-6。「妥協したくない上級者なら」LX-9。── これが私が販売現場で使ってきた判断軸です。
Clavinova(ヤマハ)・CA(カワイ)との違い
同価格帯のClavinova・CAシリーズと比較されることが多いLXですが、棲み分けは明確です。「華やかな音色のClavinova、本物に近いタッチのCA、表現力と先進機能のLX」。LXのモデリング音源は、奏者の打鍵・ペダルワークに応じてリアルタイムに音色が変化するため、繊細な表現を求める方には特に相性が良いです。試奏できるなら、3社を弾き比べることをおすすめします。
【GO:PIANO・RDシリーズ】軽量・ステージピアノ
GO:PIANOは超軽量・低価格のエントリーシリーズ、RDシリーズはプロ志向のステージピアノ。それぞれ異なるユーザー層に向けた特殊なラインです。
GO:PIANO ── 超軽量・初心者・子供向け
GO-88P(88鍵)とGO-61P(61鍵)が主力。本体重量約7kg、価格3〜5万円と、子供の最初のピアノ、お試し用、ストリート演奏など、気軽に始めたい方向けの選択肢です。本格的なピアノタッチではなく、シンセ寄りのライトなタッチですが、「とりあえず鍵盤楽器を始めたい」というニーズに応えてくれます。
RD-2000・RD-88 ── プロが使うステージピアノ
RD-2000はローランドの本格ステージピアノ。プロのキーボーディスト、スタジオワーカーに愛用者が多いモデルです。RD-88はその軽量版で、頻繁に持ち運ぶライブ用途に対応。ピアノ・エレピ・オルガン・シンセ音色を多数内蔵し、バンド全般に使える1台です。
据え置きピアノとの使い分け
「自宅でのピアノ練習が主目的」ならRDシリーズは選ぶべきではありません。あくまで「外で弾くこと」「機材として使うこと」を前提にしたシリーズです。GO:PIANOも、本格的なピアノ練習用ではなく、お試し・サブ機としての位置付けが正解です。
価格帯別:ローランドおすすめモデル
「予算が決まっている」方向けに、価格帯別のおすすめをまとめます。同じ価格でも複数の選択肢があるので、用途で絞り込んでください。
〜5万円:GO:PIANO
この価格帯でローランドから選ぶなら、現実的にはGO-88PかGO-61Pのみ。「ローランドの安心感」と「最低限の品質」を両立できる入門機。本格派には物足りない可能性があります。
5〜10万円:FP-10・FP-30X・RP30・RP107
ローランドが最も力を入れている価格帯。ポータブル派ならFP-10かFP-30X、据え置き派ならRP30かRP107。「迷ったらFP-30X」がこの価格帯の最適解です。ヤマハP-225・カワイES120と比較される激戦区でもあります。
10〜15万円:F-140R・FP-60X・RP701・F701
選択肢が一気に広がります。ポータブル派ならFP-60X、据え置きスリムならF-140R、据え置き上位ならRP701かF701。「迷ったらF701」がおすすめです。
15〜25万円:HP702・HP704・DP603・FP-90X
本格派の入口。HP702〜HP704は中位据え置きの本命、DP603はスリム筐体派、FP-90Xはポータブル最高峰。趣味再開組や中級者のメイン候補が揃う価格帯です。
25万円以上:LX-5・LX-6・LX-9
本格派の領域。LX-5がコスパ最強、LX-6がバランス機、LX-9がフラッグシップ。50万円超を出せるなら、ピアノを弾く時間がより豊かになるレベルの体験が得られます。
用途別:あなたに合うローランドの1台
同じ価格帯でも、「誰が・何のために・どこで」使うかによって最適解は変わります。
大人の初心者
これからピアノを始める大人の方は、FP-30Xが第一候補。価格・機能・タッチのバランスが最も良く、Roland Piano App経由で練習アプリを使った独学にも対応。挫折せずに続けられる環境が整います。
趣味再開の方
「学生時代に弾いていたが、10年以上ブランクがある」── という方は、FP-60X・F701・HP704が最適です。昔のタッチ感の記憶があるぶん、安価すぎる機種だと違和感を感じやすいので、ある程度の本格性が必要です。
子供の習い事
お子様の習い事用途では、RP107・RP701・F701のいずれか。教室と同じ「据え置き型ピアノ」の感覚で練習できることが上達につながります。長期的に習わせる予定があるならHP704まで背伸びする価値があります。
上級者・経験者
すでに弾ける方には、LX-5・LX-6・LX-9の3択。木材ハイブリッド鍵盤と高品位モデリング音源は、上達のための妥協できないライン。住宅事情でグランドが置けない方の代替として、十分な演奏体験を提供します。
DTM・作曲用途 ── ローランドの最大の強み
パソコンと繋いで音楽制作をするなら、FP-30X・FP-60X・FP-90X・RD-88が候補。ローランドはDTM環境との親和性が3社で最も高く、USB-MIDI接続、Bluetooth MIDI、各種DAWとの連携がスムーズです。「ピアノを弾くだけでなく、作曲や録音もしたい」方には、ローランドが最適解になります。
ローランドの鍵盤と音源を理解する

ローランド電子ピアノを選ぶ上で避けて通れないのが、「鍵盤」と「音源」の専門知識です。ローランドは独自技術が多いため、特に理解しておきたい領域です。
鍵盤の種類:PHA-4 / PHA-50
ローランドの鍵盤は大きく以下のグレードに分かれます。
- PHA-4スタンダード:エントリー〜中位機搭載。樹脂鍵盤ながら3センサー検知に対応し、連打レスポンスが優秀。
- PHA-50:中位上〜ハイエンド機搭載。樹脂と木材を組み合わせたハイブリッド構造。木目の質感を指で感じられる本格鍵盤。
ハイブリッド・ハンマーアクションとは何か
ローランドの鍵盤の最大の特徴は、「樹脂と木材のいいとこ取り」のハイブリッド構造です。完全な木製鍵盤(カワイCA系)は本物に近いが重く、湿度の影響を受けやすい。完全な樹脂鍵盤は軽快だが質感に欠ける。ローランドはこの両者の中間を狙い、軽快さと本格感を両立する独自路線を取っています。
スーパーナチュラル・ピアノモデリング音源
ローランドの最大の差別化要因が、「モデリング音源」のアプローチです。ヤマハ・カワイは実際のグランドピアノを録音(サンプリング)した音を再生しますが、ローランドは「ピアノの発音原理そのもの」をデジタル計算で再現します。これにより、奏者の打鍵の強弱、ペダルの踏み方、隣接する音の共鳴まで、すべてリアルタイムに反映されます。サンプリングは「録音された音の再生」、モデリングは「リアルタイムに音を作る」。この違いは、繊細な表現を求める奏者ほどよく分かります。
Roland Piano Appとスマホ連携
ローランドの専用アプリ「Roland Piano App」は、スマホやタブレットから音色切替、メトロノーム操作、録音管理、楽譜表示などが直感的に行えます。Bluetooth対応モデルなら、ケーブル不要で接続できる手軽さも魅力です。
音作り・ジャンル対応の幅広さ
ローランドの上位機は、ピアノだけで100種類以上の音色バリエーションを内蔵していることがあります。ピアノ、エレピ、オルガン、ストリングス、シンセまで、ジャンルを問わず使える音色の幅が広く、クラシックからジャズ、ポップス、現代音楽まで対応できる懐の深さがローランドの強みです。
USB-MIDI・Bluetoothの対応状況
2020年以降のローランド電子ピアノはほぼすべて、USB-MIDI、Bluetooth Audio、Bluetooth MIDIに対応しています。GarageBand、Cubase、Logic Pro、FL Studioなど、主要なDAWとの相性も抜群。DTM用途では3社中で最も使いやすいブランドです。
ローランド電子ピアノの中古・買取・処分
新品だけでなく、中古や買い替えのことも知っておくと選択肢が広がります。
ローランド電子ピアノの中古相場
ローランドはヤマハ・カワイに比べて中古市場の流通量はやや少なめです。リサイクルショップや楽器専門店、メルカリ、ヤフオクなどで出品が見つかります。FPシリーズなら3〜10万円、RP・Fシリーズなら7〜15万円、HP・DPシリーズで12〜20万円、LXシリーズで20〜50万円が中古相場の目安。5年落ちまでなら新品同等のコンディションで購入できるケースも多く、コスパ重視なら有力な選択肢です。
中古を買う時の確認ポイント
中古購入で最も気をつけたいのは「鍵盤の戻り」「打鍵時の異音」「液晶パネルの動作」。ローランドはエレクトロニクスを多用しているため、液晶やボタン類の経年劣化にも注意が必要です。可能であれば実機の試奏か動作動画の確認を必ず行ってください。
買取・処分の方法と相場感
使わなくなったローランド電子ピアノは、状態が良ければ楽器専門業者の買取が最も得です。ローランドは特にDTM・電子楽器ファンの需要が安定しているため、人気モデル(FP-30Xなど)は比較的高値が付きやすい傾向があります。
よくある質問(FAQ)
まとめ ── 迷ったらこの3機種

ローランド電子ピアノの全シリーズを駆け足で見てきました。最後に、私が販売現場で10年以上の経験から自信を持っておすすめできる「迷ったらこの3機種」を提示して締めくくります。
ポータブルで迷ったら ── ローランドFP-30X
ポータブルピアノ御三家(P-225・ES120・FP-30X)の一角を担うローランドの主力ベストセラー。PHA-4鍵盤+SuperNATURAL音源+Bluetooth対応で8万円台。表現力とDTM親和性を重視するならローランド、その代表的な1台がFP-30Xです。
据え置きで迷ったら ── ローランドF701
据え置き型のスマートデザインを求める方のベストバイ。スリムな筐体に本格的な性能を詰め込んだ完成度の高い1台。家族で共有するピアノとしても、お子様の習い事用としても、長く愛用できる存在感があります。F701 vs RP701比較 →
本格派なら ── ローランドLX-5
ハイエンド据え置きのコスパ最強。PHA-50ハイブリッド鍵盤+ピアノリアリティモデリング音源+大型立体音響スピーカーで、家庭でグランドピアノに迫る演奏体験を実現。25万円台でこのクオリティはローランドならではの本気の1台です。
10年以上、楽器店の現場で数千人のお客様のピアノ選びをお手伝いしてきた経験から申し上げると、ローランドは「演奏表現の幅を広げたい」「録音や作曲もしたい」「ジャンルを問わず使いたい」という方ほど、購入後の満足度が高い傾向があります。ヤマハ・カワイがピアノとしての本道を行くなら、ローランドはその枠を一歩はみ出した「電子楽器としての可能性」を提案するメーカーです。
このページがローランド電子ピアノ選びの羅針盤となり、あなたの納得のいく1台選びのお役に立てば幸いです。さらに細かいご相談はお問い合わせまで、運営者プロフィールはこちらからご覧いただけます。
※本記事は元楽器店員(歴10年以上)である運営者ピア僧が、自身の販売現場での経験と店舗で実際に弾き比べた結果に基づいて執筆しています。中立性を保つため、特定メーカーから対価を受けて執筆することはありません。
※価格は記事執筆時点(2026年5月)の市場相場に基づく目安で、変動する可能性があります。最新価格は各販売店でご確認ください。
